中島らも氏の傑作「ガダラの豚 Ⅰ〜Ⅲ」を読んだ。
初めて読んだのは、1993年の夏だっと思う。
社会人になった初めての年。夏休みのはじめに読んだ。
分厚い単行本だったが、あっという間に夢中になり、ページが残り少なくなると、「楽しみは、もうこれだけしか残っていないのか・・・」と、残念に思ったのを覚えている。
今は、文庫本で3冊構成になっている。
超能力やマジック、呪術などをからめた話ではあるが、人間の心の光や闇を描いており、面白い。
中島らも節が全開である。
主人公は、民俗学の学者である「大生部 多一郎」アル中で、テレビの人気タレント教授である。
他の登場人物もキャラクターがはっきりしており、楽しい。
助手で少林寺拳法の使い手である道満光彦
インチキ超能力を暴く手品師のMr.ミラクル
超能力者の清川
各巻は、次のような話である。
Ⅰは、怪しい新興宗教の教祖に騙された主人公の奥さんを助け出す話。
Ⅱは、テレビ局の特番でアフリカへと家族で旅立ち、大呪術師であるバキリから大切なものを奪い返す話
Ⅲは、復讐のために、東京にやってきたバキリと対決する話
ホラー映画好きの中島氏なので、流血場面も多い。
それが苦手でなければ、おすすめです。
脚本が良くできたエンターテインメント映画を見たような楽しさを味わわせてくれる本である。
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