仕事の道楽化

 仕事が道楽になることを目指しています。

もっと早く読んでおけば良かった・・・ 土井善晴氏の「一汁一菜でよいという提案」

2023年01月18日 | 本と雑誌

 

 土井善晴氏の「一汁一菜でよいという提案」を読んだ。

 もっと早く読んでおけば良かった。

 

(本の紹介ですが、以下、長文になってしまいました。でも、この本の良いところは紹介できていると思います。よろしかったらお読みください。)

(この本を読み、実践すると、食生活が変わります。いい本だと思います。)

 

 一汁一菜とは、「ご飯、味噌汁、漬物」とする食事の型のことである。

 次のように書いてある。

 

 「ご飯は日本人の主食です。汁は、伝統的な日本の発酵食品の味噌を溶いた味噌汁。その具には、身近な野菜や油揚げ、豆腐などをたくさん入れられます。それに漬物。野菜の保存のために塩をして、発酵しておいしくなったのが漬物で、それは、いつもある作り置きおかずです。」

 

 この本を読んで、一汁一菜には次の良さがあるとわかった。

 

1つ目・・・食べ飽きない。

2つ目・・・具沢山の味噌汁を食べることによって、栄養も十分に摂れる。

3つ目・・・食事作りが簡単になる。負担にならない。

4つ目・・・余計な食品添加物を摂らなくて済む(これは本には書いていないが、結果的にはそうなると考える。)

 

 ご飯と味噌汁、漬物は、次のような良さがあるそうだ。

 

 「食べ飽きないご飯とお味噌汁、漬物は、どれも人間が意図してつけた味ではありません。 ご飯は、米を研いで、 水加減して炊いただけ。 日本で古 くから作られてきた味噌は微生物が作り 出 したもので、人間の技術で合成したおいしさとは別物です。 人間業ではないのです。」(p15)

 

 「ご馳走」と「日常の食事」を比較して、次のようにも述べている。

 

 「肉の脂身やマグロのトロは、 一 口食べるなり反射的においしい ! と感じますが、それは舌先と直結した「脳」が 喜んでいるのだと思います。 そのように脳が喜ぶおいしさと、身体全体が喜ぶおいしさは別だと思うのです。」

 

 「若い人が「普通においしい」という言葉使いをするのを聞いたことがありますが、それは正しいと思います。普通の おいしさとは暮らしの安心につながる静かな味です。切り干しのおいしさは、「普通においしい」のです。(p20)

 

 

 確かに、切り干し大根は美味しいが、ご馳走を食べる時の「美味しい」とは違う気がする。

 「普通に美味しい」は、失礼な言葉だと思っていたけれども、その言葉が相応しいのが、一汁一菜の食事かもしれない。

 

 

 一汁一菜の良さは、簡単さにもある。負担が少なくなる。

 

 次のような記述があった。

 

 「食事を 一 汁一菜にすることで、食事作りにストレスはなくなります。それだけで精神的にも随分とらくになるはずです が、その上で、自由にのびのびできる余暇という時間を作ることです。 それによって楽しみができて、心に余裕が生まれてきます。」

 

 

 そうなのだ。この本を読んで以来、基本的には、ごはんと味噌汁を食べるようにしているが、楽である。

 具沢山の味噌汁にしても、切って入れるだけなので、楽である。

 

 

 日本には、 「ハレ」と「ケ」という概念があります。ハレは特別な状態、祭り事。ケは日常です。 日常の家庭料理は、 いわばケの食事なのです。手間を掛けないでよいそのケの料理に対して、ハレにはハレの料理があります。そもそも、 両者の違いは「人間のために作る料理」 と「神様のために作るお料理」 という区別です。それは考え方も作り方も正 反対になるものです。(p29)

 

 多くの人が、ハレの価値観をケの食卓 に持ち込み、お料理とは、テレビの料理番組で紹介されるような手のこんだも のでなければいけないと思い込んで、毎日の献立に悩んでいるのです。(p32)

 

 

 確かに料理番組を見ると、ハレの日の料理ばかり紹介される。(ケの料理では視聴率は上がらないだろうけれども)

 

 料理番組で紹介される料理は、伝統的な和食の日常料理とはかけ離れてきているのだろう。(美味しい料理を食べさせたいと願う家庭料理の作り手の気持ちもわかるけれども)

 

 

 読んでいて、余計な食品添加物を摂らなくて済むとも感じた。

 なぜなら、「一汁一菜」の料理は、基本的には、素材に手をかけずに、シンプルに作るのが基本である。

 そうなると、今売られている添加物がたくさん入っている加工食品を使う機会は少なくなるだろう。

 

 

 この本を読んでいて、本当に「一汁一菜で良いのだ」と感じた。

 

 頭でも心でも感じることができた。もっと早く出会いたかった本ではあるが、これから先の自分の食生活は間違いなく変わる本であった。

 

 人生で一番若いのは今なので、今出会えたことに感謝したい。この本には、他にも簡単な出汁の取り方やお膳の活用など、食事を美味しく食べるヒントがいろいろと紹介されている。おすすめの本です。

 

 

 

  

 心に残った文章を他にもいくつか載せておきます。

 

 家庭料理、 日常の料理は、こうした当たり前の調理以上にはそもそも手を掛ける必要はない、というのが本当です。手を掛けることは 手数を増やすことでもあって、食材に触れれば必ずその分だけ傷み、鮮度が落ちます。ですから、見た 目を良くしようと意識して手数を増やせば、素材はまずくなります。(p27)

 

 

「一汁一菜」とは、ご飯を 中心として汁(味噌汁)と菜(おかず)それぞれ一品をあわせた食事の型です。ただし、おかずは昔の庶民の暮らしではつかない ことも 多く、実際には「味噌汁」 「ご飯」 「漬物」 (=汁飯香)だけで一 汁一 菜の型を担っていました。(p52)

 

 

 まず、 一汁一菜の型を、きれいに整えることです。きれいな三角形に整えることで、毎日の食事を楽しくする基本になります。 ご飯は左、味噌汁は右側に置いて、漬物は向こう側に、そして手前に箸を置くという型です。

 この型を守ることで、たぶん、子どもたちもお行儀が良くなって、ご飯の食べ方も、身についてくると思います。 まず は、目の前をきれいにして、きちんと整えることを教えてあげて下さい。大人だって、目の前にきれいな食事があれ ば、自然と姿勢が正される気持ちになるでしょう 。 これが、食育のはじまりです。(p158)


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« リーダーになる人のたった1... | トップ | 中山隆氏のオンライン講演会... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

本と雑誌」カテゴリの最新記事