仕事の道楽化

 仕事が道楽になることを目指しています。

稲盛氏と本田宗一郎氏との共通点・・・正整美(正しく整った美しさ)にこだわる。

2021年03月19日 | 修養
 月刊誌「致知」4月号「稲盛和夫に学ぶ人間学」のp.45には、稲盛和夫氏のこだわりポイントが書いてある。

 次の文章である。



 京セラは厳しい会社だとよく言われます。

 確かに朝礼の時はピシッと真っ直ぐに並ばなければなりません。

 稲盛さんは、心が曲がっていたら列も曲がり、製品も曲がるとよく言いました。

 私どもは、、百万個に一個の不良も許されない厳しい仕事をしていますから、朝そろ礼で列も揃わない、机の上も整頓できないというのではとても精度の高い仕事はできません。

 ある新入社員が「京セラは自衛隊と一緒ではないですか」と言った時、「いや、自衛隊以上だ」と私は答えました。

 「我われは極めて精度の高い、芸術品以上の製品を大量生産している。そのためには、厳しい規律が必要なのだ」と。

 自慢できるのは、京セラの工場ではトイレのスリッパがいつも揃っていることです。

 それは次の人が履きやすくするためであり、バラバラで平気なようではお客様第一を標榜する当社の考えと矛盾するのです。

 また、次工程にやさしいということは、ものづくりにおいても基本です。

 こうした社風をつくり上げるためには、繰り返し繰り返し指導し続けるしかありません。




 次に、「日本講演新聞」からの引用であるが、本田技研を誕生させた本田宗一郎氏のこだわりポイントも見えてくる。


 それ(海軍カレー)より以前に誕生した「金曜カレー」がある。

 それはホンダの社員食堂で金曜日にだけ出るカレーうどんで、そのきっかけは、創業者本田宗一郎社長の一言だった。

 本田さんは「良い製品を造るためには、作業着は真っ白でなければいけない」というエンジニア哲学の持ち主。

 「オヤジ」(社員は親しみ込めて本田さんのことをこう呼んだ)がそう言うのだから、社員たちはカレーうどんを思いきり啜(すす)ることができなくなってしまった。

 汁が飛んで作業着を汚すからだ。

 そこで、誰が考えたのかは不明だが、カレーの汁で汚しても、金曜日なら翌土日は休みだから洗濯に出せばいいではないか、と。

 こうしてカレーうどんは、金曜日限定メニューとなって全国の事業所へ広まり、ホンダの伝統になった。

 そんな経緯から推測すると、金曜カレーうどんが誕生したのは、本田さんのエンジニア魂が最も燃えていた1960年代後半から70年代にかけてではないだろうか。

 本田さんはいつも作業着を着て、技術研究所で若い技術者たちとエンジン相手に格闘していた。

 ときにはゲンコツを飛ばすこともあったが、作業着の汚れを気にとめる繊細さも持ち合わせていた。

 その些細なことも見逃さない感覚が、世界のホンダへ飛翔した要因の一つなのかもしれない。




 上の2つの文章を読むと、稲盛氏と本田氏の共通点が見えてくる。

 いずれも正整美(正しく整った美しさ)にこだわっている。

 (きっとイエローハット創業者の鍵山秀三郎氏も同じ感覚、考え方である。)

 大きな企業を成長させる偉人のこだわりがある。
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