「今日の小さなお気に入り」 - My favourite little things

古今の書物から、心に適う言葉、文章を読み拾い、手帳代わりに、このページに書き写す。出る本は多いが、再読したいものは少い。

2005・02・08

2005-02-08 07:00:00 | Weblog
 今日の「お気に入り」は、佐野真一著「渋沢家三代」に入っているという、渋沢敬三という人が若い民俗学者の宮本常一に語った言葉です。

「大事なことは主流にならぬことだ。傍流でよく状況をみていくことだ。舞台で主役をつとめていると、多くのものを見落としてしまう。その見落とされたもののなかにこそ大切なものがある。それを見つけてゆくことだ。人の喜びを自分も本当に喜べるようになることだ。人がすぐれた仕事をしているとケチをつける者も多いが、そういうことはどんな場合にもつつしまねばならぬ。また人の邪魔をしてはいけない自分がその場で必要を認められないときは黙ってしかも人の気にならないようにそこにいることだ。」

 初めて読んだとき、最後の一節がとりわけしっくり来ました。
 
コメント
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