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今日の「お気に入り」は、山本夏彦さん(1915-2002)のコラム集から、昨日の続き。
「平塚らいてう(雷鳥)の『青鞜』は今のウーマンリブそのものである。『青鞜』が創刊されたのは明治末年である。それを受けいれる下地がすでに出来ていたのである。男女同権、普通選挙がさしあたっての運動の目標で、普通選挙は略して普選といったが、それまで一定の税金を納めてないものには選挙権はなかったのを税金は納めなくても選挙権を与えよという主張で、大正十四年この主張は通った。
選挙権がない時代は選挙権があればさぞよかろうと思うのは欲である。選挙権を得たが別段何もよくはならなかった。
この運動のおかしなところは男が女の参政権のことをすっかり忘れていたことで、婦人の多くも参政権なんかほしがらなかった。それでもデモクラシーの風は次第に女子にも及んだ。
〔『文藝春秋』平成十三年二月号〕」
(山本夏彦著「最後の波の音」文春文庫 所収)
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今朝のラジオで耳にした川柳ほか。
弱虫の正体見たり枯れオバマ(詠み人知らず)
鶴竜(の唇)は石原さとみ似だ。