高知発 NPO法人 土といのち

1977年7月に高知県でうまれた「高知土と生命(いのち)を守る会」を母体にした、47年の歴史をもつ共同購入の会です。

納豆クラブだより 2月25日記

2022-04-11 09:00:00 | 生産者からのメッセージ
四万十町 納豆クラブの島岡和子です。

県下有数の米処
仁井田米の産地で
米余りで転作を強いられ大豆に転換され、
沢山の大豆が収穫される様になり大喜びで、
みそ作り・豆腐作りに励みました。

それだけでは追いつかず
何とか日持のする物をと考え、
集落の年金生活者六名が集まり
納豆作りに挑戦しました。


何分食習慣のない納豆故
教えてくれる方もおらず、
上手か下手かも解らず作り始めました。
作ってみたものの
食べ方から教わらねばならない状態で
大変な苦労でしたが、
皆様のおかげで二十数年になりました。
現在でも納豆の消費は
全国ワースト二番だとの事です。

当初はどれだけ皆様に無理をお願いした事か。
役場・警察・県の
出先機関の方々に押し売りでしたが、
数年前に全国納豆食味コンクールで
二百八十以上の出品で第二位になり
一躍スターになりました。


これで何とか自信もつき
頭のさげっぱなしが解放されました。
今は各県のうまい物さがしのが訪れます。
必ず目にとまり、注文を受け
銀座の一流レストランで
使って頂いたりしています。

二十数年経って、
やっと圧力鍋・大豆の煮方・発酵器の使い方が解った気が致します。



当初から苦労した仲間も他界しましたが
最後まで現役で納豆作りを楽しんでくれました。
残った二人も九十才と八十五才ですが
皮肉にも納豆の注文は多くて、
ボランティアの応援を得て対応しています。


残念にも後継者を育てる事が出来なかった事と、
納豆のタレを地元産の鰹節と生姜ゆずで
商品開発が出来なかったのが心残りです。

納豆のパワーは今充分認識されましたが、
黒大豆の煮汁も一滴も捨てず
血圧その他の健康作りに呑んで頂き、
白大豆の煮汁も一晩作業場に置き
納豆菌を充分に含ませ 我が家の池に入れます。
池のコイは一ヶ月に1・2度
消毒をしないと虫や皮膚病にやられますが、
我が家では薬を使わなくても
一メートル近くなった鯉も
元気で悠々と泳いでいます。
納豆菌のパワーの驚きです。

納豆作りで楽しい老後と元気をもらった人生でした。
消費者のみなさまに厚くお礼を申し上げます。


※ この記事は、NPO法人土といのち『土といのち通信』2022年4月号より転載しました。
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