先日、野菜ソムリエ仲間が頭を突き合わせて
「おいしい野菜って何?」
「おいしさって何?」
という話をしていました。
おいしさの基準は、人それぞれです。
単純に「糖度が○○、酸度が△△ならおいしい。」
というように数値化できないから、なおさら難しい・・・。
また、誰と食べるのか、どこで食べるのか、
その食べ物にどんな思い出があるのか、
暑いのか寒いのか、
色々な条件の中で、おいしさの基準は変化していきます。
昔、無農薬有機栽培の野菜を買っていました。
正直、かなりクセのあるお味でしたが、
私は有機栽培というだけで、ありがたがって食べていました。
その当時は、「体に良い。」と聞けば、
どんな味でも「おいしい!」と思い込んでいたのです。
しかし、ある和食の料理人さんは、
「この野菜は、自分の料理の味を損なう。」と言いました。
また、あるお母さんは、
「ただでさえ、ウチの子は野菜嫌いなのに、
この味だとますます野菜を食べなくなる。」
と心配して、その野菜の宅配を止めました。
生産者様がどんなにプライドを持って作った野菜でも
それを「おいしい!」と思わない人はたくさんいます。
おいしさって、オーディションみたいなものじゃないでしょうか?
今をときめく女優さんでも、NHKの朝ドラのオーディションに
何度も落ちたという話を聞きます。
それは、その人の演技力が劣っていたというのではなく、
監督さんや脚本家さんのイメージするヒロイン像と
一致しなかっただけのことです。
スティーブン・スピルバーグがNGを出しても、
山田洋次監督は主演女優に使いたいと思った・・・。
内舘牧子さんの作品には合わなくても、
大石静さんの作品ならピッタリくる・・・。
おいしさってそんなものじゃないかと思います。
私の料理は、誰のオーディションに合格するのかな?