そのままVon

おもに31文字の語呂合わせ日記

日本語の正体

2009年10月02日 | 字余り
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最近韓国の数学者から日本語に関する面白い本が出た。著者は韓国人だが、戦前までは早稲田に通っていた人で、この本も日本語で書かれているらしい。その後韓国にわたり数学者として教鞭をとり、2006年までの6年間は日韓文化交流会議の韓国側代表であった人で、日本側の平山郁夫氏らとともに日韓の相互理解に貢献した人らしい。
話は変わるが、これまで日本語は朝鮮語と姉妹語であり、古代日本語は朝鮮語で解釈できるという本が出版されている。一時期、朴炳植・李寧煕氏らが万葉集の難解歌を古代朝鮮語で読むとこうなる、という類いの本を出し結構楽しませてくれた。一時期わたしも没頭したことがあり、思わず膝を打つような内容であったが、所々で筆が走りすぎており、ほんまかいなという箇所があった。こんな状況を危惧し、数理言語学という分野で活躍していた安本美典氏が真っ向から反論しある意味、やっつけてしまった。その反論の委細は忘れたが、件の著者等の論理展開は「古代の日本語は英語を起源にするといっても差し支えなくなる」と論破し、私の高熱も一挙に醒ましてしまった。
さて、今回の「日本語の正体」という著作も、同じ類いの本で信用ができるのかという問題があるが、著者が数学者(数学史が専門で、どんな論文を書いているのか不明)であり、親日家でもあることから、あまり理不尽なことは言わないと思い購入した。
内容の一部を箇条書きすると
(1)古代日本語は百済語と混結し、百済人により日本語というか万葉仮名の改良が行われた。漢字には訓読みと音読みとあるが訓読みを発明することにより、日本語が守られたらしい。
(2)日本語は母音が少なくなり、韓国語に母音が多くなったのは、漢字の読み方の影響の違いによる。韓国には漢字を吏読読みするため、多くの母音が必要になったかららしい。最終的に15世紀に漢字表記からハングル語にまとめられたのも母音が膨れてしまったためらしい。
(3)だから、朝鮮語の古い言葉は韓国語よりも日本語の古語の中に残っているという。
その他についてもいろいろと述べておられる。ザーッと読んだが、これからは精読モードに入りたい。万葉集にある万葉仮名との関連、日本書紀についての森博達氏の成果等と合わせて見ていきたいと思っている。
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万葉集#4.0666-4.0667

2009年10月02日 |  / 万葉集
10/2
「蟲滿と郎女なるは母方のいとこ同士で戯れ歌交わす(大伴坂上郎女が歌二首)」
「相見ずて幾許イクバク久もあらなくにここだく吾アレは恋ひつつもあるか
(歌1/2首 #4.0666)」
「逢わないでそれほど時間はたたないがこんなに吾は恋つつもあり()」
「恋ひ恋ひて逢ひたるものを月しあれば夜は隠コモるらむ暫シマしはあり待て
(歌1/2首 #4.0667)」
「恋い焦がれせっかく逢いて月残り夜も長いししばらくいてね()」
「戯れ歌でなければ色気溢れたり蟲滿返す歌はないのか
(右、大伴坂上郎女ガ母石川内命婦ト、安倍朝臣蟲滿ガ母安曇外命婦トハ、
同居ノ姉妹、同気ノ親ハラカラナリ。此ニ縁テ郎女ト蟲滿ト、相見ルコト
踈カラズ、相談ラフコト既ニ密ナリ。聊カ戯歌ヲ作ミテ以テ問答ヲ為ス。)」

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