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「比較的恋のはじめの段階か相手は誰で成就はしたか
(大伴宿禰家持が娘子に贈れる歌七首)」
「心には思ひ渡れどよしをなみ外のみにして嘆きぞ吾アがする(歌1/7首 #4.0714)」
「心では思っているがチャンスない外濠ソトボリばかりウロウロとする()」
「千鳥鳴く佐保の川門の清き瀬を馬うち渡しいつか通はむ(歌2/7首 #4.0715)」
「千鳥なく佐保の川瀬をいつの日か馬パカパカとわれは通わん()」
「夜昼といふ別ワキ知らに吾が恋ふる心はけだし夢に見えきや(歌3/7首 #4.0716)」
「昼夜なく私が思うこのきもち思うにたぶん夢にも出んや()」
「つれもなくあるらむ人を片思カタモヒに吾アレは思へば惑メグしくもあるか
(歌4/7首 #4.0717)」
「ふりむかぬ人を片思うわがこころとっても悲しく寂しいものよ()」
「思はぬに妹が笑まひを夢に見て心の内に燃えつつぞ居る(歌5/7首 #4.0718)」
「思わぬにあなたの笑顔夢に見てウキウキとしてこころは燃える()」
「丈夫と思へる吾アレをかくばかりみつれにみつれ片思をせむ(歌6/7首 #4.0719)」
「ますらをと自覚はあるがこんなにも支離滅裂に片思いする()」
「むら肝の心砕けてかくばかり吾アが恋ふらくを知らずかあるらむ
(歌7/7首 #4.0720)」
「内臓が破裂するほど思うのにそんなことなど知らずにいるか()」