10/13
「裕子さん美しき目で紡ぐ歌視線は遠く遠くに注がる
(河野裕子さんについての関川評を短歌したてに)」
「ブラウスの中まで明るき初夏の陽にけぶれるごときわが乳房あり(裕子)」
「まがなしくいのち二つとなりし身を泉のごとき夜の湯に浸す(裕子)」
「君は今小さき水たまりをまたぎしかわが磨く匙のふと暗みたり(裕子)」
「昔とは世に無き時間乳母車押してのぼりし坂は残れど(裕子)」
「たつぷりと真水を抱きてしづもれる昏き器を近江と言へり(裕子)」
「つくづくとさびしい人だね裕子さんれんげの芽を見ている後ろ手をして(裕子)」
10/13
「かくのみに恋ひやわたらむ秋津野に棚引く雲の過ぐとはなしに
(大伴宿禰千室チムロが歌一首 #4.0693)」
「こんなふうに恋い焦がれるか秋津野に漂う雲と同じ様子で()」
「かくのみに恋ひやわたらむ秋津野に棚引く雲の過ぐとはなしに
(大伴宿禰千室チムロが歌一首 #4.0693)」
「こんなふうに恋い焦がれるか秋津野に漂う雲と同じ様子で()」