さあて!
10月11日(祝) 座喜味城跡
「現代版組踊絵巻 読谷山花織の宴 DAYNAMIC琉球」
のレビューを書きまーす。
平田さん関連の舞台を見るのは、
肝高の阿麻和利を除いて11回目となりました
今回の公演は、座喜味城跡のある読谷村にまつわる5偉人
泰期
吉屋ちるー
護佐丸
尚巴志
アカインコ
を取上げた舞台です。
時代も身分も役職も様々なこの5偉人を、
各章に分けながら順次紹介していくというもの。
スペシャルゲストは肝高の阿麻和利グスク公演に引き続き
雅楽師・東儀秀樹さん。
観劇の感想は
「これは文句なしの伝説の舞台!」
の一言にまとめられます。
ここまで刺激的ですばらしい舞台だとは…
かなり衝撃的でした。
(前記事でも書いたけど、肝高の阿麻和利を初観劇したときの衝撃と同じかも)
チケット代7000円(前売6500円)は安い!
この一夜限りの公演っていうのがすごくもったいない!!
是非、再演を!!!!!!
って思いました。
肝高の阿麻和利グスク公演と連続ということもあってか、
県外からもかなりお客さんが来ているようでした。
並んでいたときに隣だった方は東京から、
会場内では前にいた方は京都から。
(いろいろおしゃべりさせていただきました)
そりゃ、県外からも飛行機のって来るわな!!!
こんなステキな舞台、
世界遺産の座喜味城跡で見れて幸せでした
終わっても、しばらく帰りたくなかったですもん。
では、感想ですが、
ながーーーーーくなるのでいくつかの記事に分けますね。
まずは、5偉人、各章についてです。
≪琉球の貿易体制を作った初の進貢使、泰期≫
明国に向かって進貢船をあやつる、海の男たちと泰期。
夢と希望を持って大国に向かってすすむレキオスの志・気概などを
総踊りで一気に印象付けてくれました。
そんでもって、「鮫退治」の場面をここに移動。
な~るほど~。こうきたかぁ~。
目の前に見る鮫の演舞は風を起こすほど迫力満点でした。
そんでもって、前回の「鬼鷲」のレビューで書いてた、
例の「人食い鮫、討ち取ったりー!!」の後!!
間を空けずにすぐに次の音、そして演舞。
「おお~っ!」ってなりました!
これなら盛り上がりが感じられて拍手しやすーい!(笑)
いいじゃんっ♪
これ、尚巴志でもこのままやってくれないかな!!
「海の男達が、帰ってきたぞー!!」
≪悲劇の天才女流歌人、吉屋ちるー≫
躍動感あるふれる泰期の場面とは打って変わって、
非常に叙情的なちるーの場面。
これは…泣けました
貧しさのゆえに身売りされたちるー。
「恨む比謝橋や 情け無ぬ人の 我身渡さと思て 架けて置ちぇら」
―ああ、恨めしい比謝橋よ。情けのない人が、私を渡そうと思って 架けておいたのでしょうか―
年頃に成長し、その美しさと琉歌・和歌の才覚は天才女流歌人として評判になりますが、
身分違いの恋に、その命を自ら絶ちます。
19歳だったそうです。
そんなちるーの悲恋物語。
平田さんの「星のゆりかご」の叙情的な歌にあわせて、
琉舞をベースにしたゆったりとした演舞。
身分違いの恋の相手、仲里の里主役の男の子の非常に感性豊かな舞に釘付け。
この子、男の子でありながら、すごーく色気があります
(綾庭の宴にも出てるよね。すぐ分かりました!)
最初、「えっ?女の子?…いや、男の子…だよね?」ってくらい、
すごく琉舞が板についててやわらかくて…。
ちるー役の女の子との琉舞の掛け合いは、まさに実らぬ恋の悲しい物語そのもの。
すばらしかった…
(たぶん、このような切ない恋をしている人がみたら大号泣じゃないか?)
≪琉球戦国時代のNO1武将・護佐丸≫
さて、念願の(!?)護佐丸をメインにした、平田さんの舞台が見れましたよー!!(やったー)
でも、護佐丸が登場した時、会場のほぼ全員が「阿麻和利」と思ったはず。
(…衣装…一緒過ぎて…せめて被り物は変えたほうがよかったのでは…)
1458年、護佐丸・阿麻和利の乱についての話。
まるで肝高の阿麻和利スピンオフ舞台のような。
護佐丸に謀反の疑いあり、と首里が判断を下したとき、
護佐丸と阿麻和利の間でどんな会話がなされたのか、どんな思惑があったのか。
そして大城賢勇、護佐丸の子・盛親は…。
すごいよかったなぁ~。
でも、護佐丸・阿麻和利登場のBGMが、攀安知のテーマだったのには
ぎゃーっ悪役っぽい!!
ってなりました(笑)
そして大城賢勇がかなりワルだった(笑)
(演じてた子も声が低くてワイルドだった)
しかし、そんな賢勇がタマラン(笑)
で、
えーっ!盛親殺されたーっっ!!?
…じゃあ、ワタシの隣で一緒に舞台を見ている護佐丸の子孫は一体!?
ってなりましたよ(笑)
年齢も、この時は護佐丸68歳前後、阿麻和利33歳前後、乳飲み子盛親のはずではありますが…
ちょっと阿麻和利・護佐丸が対等っぽかったよね。
そういう点など、史実(とされていること)と比べるとかなり創作もありましたが、
まぁ、これをきっかけにこの時代の歴史に興味が持っていただければいいよね
そして、どう考えても平田舞台としては阿麻和利の知名度と人気がダントツに高いとは思いますが、
この舞台での主人公はあくまで護佐丸。
その立ち位置具合も、しっかりとわきまえられていて、
ちゃんと護佐丸にスポットがあたってましたよ。
「おのれ賢勇め!!!」
阿麻和利VS大城賢勇もあった。
首里軍の演舞もあった。
中城戦では座喜味棒術の迫力ある演舞。
そして、この章で一番印象的だったのは…
護佐丸が死んで、阿麻和利も死んで(設定的には死ぬ前か)、退場するシーン。
(BGMは東儀さんの「キムタカ」)
一の郭に続く階段がハケ口だったのですが、
その階段を登り行く2人と、階段から下りてくる賢勇。
そのすれ違いざまに、お互いがゆっくりと振り向いて…。
このシーンを見たとき、
ああっ、賢勇!
あなたもいずれこの2人と同じ運命をたどるのに!!!(涙)
って思いました。
(思わず賢勇に同情…)
護佐丸・阿麻和利も
「次はお前の番だぞ。先にグソーで待っているぞ」的な!?
はぁ…すごく印象的だった……。
2人とすれ違い、舞台に登場した賢勇の、最期の台詞。
「申し上げます。中城は落城。護佐丸様は自害なさいました。」
肝高の阿麻和利のおなじみの台詞。
まさにスピンオフ。
…完全ノックアウト…(心の鼻血ぶー)
っていうか、この展開、だいぶ小説「百十踏揚」に近いものがありました。
というわけで、是非読んでくださいよ。皆さん。
≪琉球を統一した初代琉球国王、尚巴志≫
おなじみ尚巴志ですね
国頭サバクイ→第二尚氏クーデターと構成を逆にしての演出。
この偉大な尚巴志が、なぜ佐敷ではなくここ読谷に墓があるのか…
という流れで。
ちゃんと「読谷」が立ってて、無理なく、とても分かりやすかった。
もちろんテーマ曲「鬼鷲」の演舞もありました。
すばらしい。
「第一尚氏王統の者を1人残らず探し出すのだ!!」
≪謎の琉球吟遊詩人、アカインコ≫
この4つの偉人の章を案内するのが冒頭から登場する
ストーリーテーラーアカインコ君。
尚巴志の舞台ではおなじみのアカインコ君だったんで、
まぁ~、今回もいろいろ楽しませてくれまして
このアカインコによる、場面の切り替え、話の流れがすっごい自然でよかった!!!
文句なし!!!
最初、これだけの話を1つの舞台に詰め込むと聞いたとき、
「え!?どうやって?大丈夫なの!?」と思いましたが、
どの章も無理なく、自然に、そしてどれも印象的に話が進んでいきました。
このアカインコの役割はかなり大きかったと思います。
(台詞もたぶん1番多いよね)
「まぶや~まぶや~うーてぃくーよー、うさがみそーれーめんそーれ」
(あってるかな(笑))
というわけで、とりあえず5偉人についてのレビューでした。
書きたいこと、まだまだありますよ!
(つづく)
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