子供はかまってくれないし,わかってくれないので,映画と音楽と本とサッカーに慰めを。
子供はかまってくれない
2011年TVドラマ春シーズン・レビューNO.5:「下流の宴」
春シーズンのドラマの殆どは,先週から今週にかけて最終回を迎えつつある。
話題を呼んだ「JIN-仁-」は,前評判通り最大26.1%(最終回),平均でも21.28%と,久方ぶりの「平均でも大台」をキープした作品となった。特に今回は舞台が京都ということもあって,関西で数字を取ったということが特徴だったらしいが,第1シーズンからタイム・パラドックスお構いなしの展開に付いていけなかった当方としては,子役の主題歌と踊り頼みという,全く新しい禁じ手でなりふり構わず数字を獲りに来たCX「マルモのおきて」との視聴率争いの方が興味深かった。と言っても,最終的にどっちが勝ったのかは知らないのだが。
一方で,ドラマとしての深みとチャレンジ精神で観るものを虜にしたテレ東「鈴木先生」は,視聴率の方は最後まで1%~2%をウロウロしっぱなしという,これもまたある意味で画期的な作品として,ドラマ史に名を残すこととなった。テレビ東京はこれに懲りることなく,今後も視聴率などという「些事」に足を取られることなく,「誰も観ていないけれども立派」な作品を作り続けて欲しい。
その他の作品では,一桁(9.5%)から出発して尻上がりに評判を呼び,最終回では遂に15.7%という驚異的な末脚を見せた「名前をなくした女神」の頑張りが目立った。
倉科カナのホラー演技で惹きつけておいて,終盤におけるりょうの逆襲であっと驚かせるという豪腕を奮った脚本家は,本作の前作とも言える「泣かないと決めた日」の渡辺千穂。ホープ誕生だろう。それにしても5人の子役の演技は,いずれもママ友の怖さを凌ぐ巧さだった。ららちゃん,凄すぎ。
こういったシーズン・ドラマを縫うように,季節お構いなしに8回シリーズでどんどん作品を出してくるNHKは,林真理子原作の「下流の宴」で,芸能界3大ぶりっこ女優(私的2011年ヴァージョンの残りは壇れいと真矢みき)の一人,黒木瞳を起用してきた。
もう今のドラマ界で,彼女のポジションは消え失せたかと思っていたのだが,ところがどっこい,宝塚出身の女優(上記二人もだが…)はしぶとい。
下流から這い上がり,どうにか典型的山の手家族を築いたかと思ったら,子供は親の意に反してドロップアウトし,親は怒り狂う…という今風通俗的筋のホーム・ドラマだが,黒木はここで往年のトレンディ女優のドレスを脱ぎ捨て,偏狭なバカ母を嬉々として演じている。
そのなりきり振りは,余貴美子の貫禄や遠藤憲一の勢いをも凌駕している。
連続ドラマにおいて,「切ない恋愛」が幅広い支持を得られる確率が,競馬の3連単的中率並みに低下している現在,あの黒木瞳がこういう形で地歩を固める作戦に出たのは,多少の寂しさは感じるものの,おそらく大筋で正解なのだろう。同じく宝塚から出て一世を風靡し,ここに来て居場所をなくしつつある天海祐希が,既に同様の路線に踏み出しながら,今ひとつなりきれていないのとは対照的だ。
だが40~50代の芸達者な女優陣が,コメディの担い手として力を奮えるかどうかが,連続ドラマが再生出来るかどうかの一つの鍵であることは間違いない。
真木よう子や井川遥などの美熟女予備軍も含めて,みんなで喜劇へ!
話題を呼んだ「JIN-仁-」は,前評判通り最大26.1%(最終回),平均でも21.28%と,久方ぶりの「平均でも大台」をキープした作品となった。特に今回は舞台が京都ということもあって,関西で数字を取ったということが特徴だったらしいが,第1シーズンからタイム・パラドックスお構いなしの展開に付いていけなかった当方としては,子役の主題歌と踊り頼みという,全く新しい禁じ手でなりふり構わず数字を獲りに来たCX「マルモのおきて」との視聴率争いの方が興味深かった。と言っても,最終的にどっちが勝ったのかは知らないのだが。
一方で,ドラマとしての深みとチャレンジ精神で観るものを虜にしたテレ東「鈴木先生」は,視聴率の方は最後まで1%~2%をウロウロしっぱなしという,これもまたある意味で画期的な作品として,ドラマ史に名を残すこととなった。テレビ東京はこれに懲りることなく,今後も視聴率などという「些事」に足を取られることなく,「誰も観ていないけれども立派」な作品を作り続けて欲しい。
その他の作品では,一桁(9.5%)から出発して尻上がりに評判を呼び,最終回では遂に15.7%という驚異的な末脚を見せた「名前をなくした女神」の頑張りが目立った。
倉科カナのホラー演技で惹きつけておいて,終盤におけるりょうの逆襲であっと驚かせるという豪腕を奮った脚本家は,本作の前作とも言える「泣かないと決めた日」の渡辺千穂。ホープ誕生だろう。それにしても5人の子役の演技は,いずれもママ友の怖さを凌ぐ巧さだった。ららちゃん,凄すぎ。
こういったシーズン・ドラマを縫うように,季節お構いなしに8回シリーズでどんどん作品を出してくるNHKは,林真理子原作の「下流の宴」で,芸能界3大ぶりっこ女優(私的2011年ヴァージョンの残りは壇れいと真矢みき)の一人,黒木瞳を起用してきた。
もう今のドラマ界で,彼女のポジションは消え失せたかと思っていたのだが,ところがどっこい,宝塚出身の女優(上記二人もだが…)はしぶとい。
下流から這い上がり,どうにか典型的山の手家族を築いたかと思ったら,子供は親の意に反してドロップアウトし,親は怒り狂う…という今風通俗的筋のホーム・ドラマだが,黒木はここで往年のトレンディ女優のドレスを脱ぎ捨て,偏狭なバカ母を嬉々として演じている。
そのなりきり振りは,余貴美子の貫禄や遠藤憲一の勢いをも凌駕している。
連続ドラマにおいて,「切ない恋愛」が幅広い支持を得られる確率が,競馬の3連単的中率並みに低下している現在,あの黒木瞳がこういう形で地歩を固める作戦に出たのは,多少の寂しさは感じるものの,おそらく大筋で正解なのだろう。同じく宝塚から出て一世を風靡し,ここに来て居場所をなくしつつある天海祐希が,既に同様の路線に踏み出しながら,今ひとつなりきれていないのとは対照的だ。
だが40~50代の芸達者な女優陣が,コメディの担い手として力を奮えるかどうかが,連続ドラマが再生出来るかどうかの一つの鍵であることは間違いない。
真木よう子や井川遥などの美熟女予備軍も含めて,みんなで喜劇へ!
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