子供はかまってくれない

子供はかまってくれないし,わかってくれないので,映画と音楽と本とサッカーに慰めを。

ロンドン五輪サッカー2次予選 U22日本代表 VS U22クウェート代表【3:1】

2011年06月19日 22時02分16秒 | サッカーあれこれ
怪我からの回復途上にある香川の招集が見送られたのは理解できる。だが如何なる理由からかは定かでないが,宇佐見と宮市という,絶対的な切り札となり得る若い選手をもメンバーから外してしまった関塚ジャパンにとっては,永井の負傷欠場は致命傷になる可能性もあった。たとえFIFAのランクが100位以下の国であっても,一発勝負のトーナメントでは何が起こるか分からない。圧倒的にボールを保持していても,決めるべき所で決められないと,実力を発揮できないまま窮地に追い込まれる,というパターンをこれまで嫌というほど見せられてきたサポーターは皆,試合開始直後の15分に嫌な空気を感じていたはずだ。

そんなムードを払拭するような先取点は,比嘉の左サイドのオーバーラップと,清武の前のスペースを狙う動きから生まれた。特に比嘉の突進力とクロスの精度は,明らかに大学生のレヴェルを超越していた。広い視野でゲームをコントロールしていた山村同様,Jの選手を押しのけて抜擢された理由を,自らのプレーで証明してみせたと言えよう。

濱田のヘッドによる2点目でゲームを落ち着かせ,後半の山崎と大迫の息の合ったプレーから生まれた3点目が入ったところで,後は静かにゲームを終わらせれば良いはずだった。
しかし22歳以下というチームの未熟さは,クウェートが選手交替を始めた直後に露呈した。中盤から前の選手の数をそれまでの17番1人から一気に4人増やしたことで,日本の中盤の圧力が急激に減衰してしまったのだ。

確かにフィジカルで互角以上の戦いを続けていたこともあって,疲れが蓄積していたのかもしれない。点差が開いたことが,何らかの心理的な影響を及ぼしたことも否定できないだろう。
だがそれにしても,あれだけ急にセカンドボールの奪取率が落ちると,自チームのリズムを失う以上に,相手に勢いを与えてしまうことは予測できた。
それを修正できないまま酒井のミスから失点してしまったことで,4日後に行われるセカンドレグでは「0対2で負ければ,アウェーゴールの差で敗退」ということになってしまった。

勿論,今日の試合で明らかになった実力差を持って普通に90分間闘えれば,そんなスコアになる可能性は限りなく低い。
だが,スピーカーからアラビア語が絶えず鳴り響き,真っ白く染められたスタンドが与える圧力は,決して侮れない。そんなアウェイの洗礼を,最終予選で戦うための「経験」という名の武器に変えることを信じつつ,永井の回復を祈りたい。


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