子供はかまってくれないし,わかってくれないので,映画と音楽と本とサッカーに慰めを。
子供はかまってくれない
サッカーW杯南アフリカ大会NO.2:日本代表VSカメルーン代表【1:0】
ニッカンスポーツのサイトに「日本代表が勝つと予想した人は17%」という記事が載っていたが,私もそれ以外の83%の内の一人だった。しかも,4年前の初戦オーストラリア戦と同様に,日本が1点を先取して後半押し込まれるという展開となっただけに,「結局いつかは入れられる」と思いながら見ていた4分間のロスタイムは実に長かった。
それをしのぎきって,イタリアの十八番である「1対0」というスコアのままアウェーで勝ち点3を取るという離れ業を成し遂げた日本代表チームには,最大級の賛辞を捧げて謝罪したい。「信じられなくて,ごめんなさい」。
緊張感で身体が固まってしまった96分間だったが,多分私が日本人かカメルーン人でなかったとしたならば,その内容の乏しさに「金返せ!」と毒づいていたに違いない。どちらも攻撃に工夫がなく,膠着した展開を打開しようという勇気も感じられず,ヴァイタル・エリア外でパスミスを繰り返すピッチの中には,サッカー独自の躍動感が宿る場所はなかったようだった。
その最大の原因として挙げられるのは,やはりカメルーンの不調だろう。構成役となるはずだったA・ソングは噂通り欠場し,エトーは下がって完全に中盤でプレーしたために,カメルーンの攻撃には迫力とまとまりが欠けていた。若いCBは経験不足を露呈し,交替で投入されたジェレミも往年のキレを欠いていた。
ただ左サイドで何度も見事な切り返しを見せていたアスエコットに代表されるように,個人技のレベルでは日本を圧倒していた。DFムビアのバーを叩いたシュートにも肝を潰されたが,あの技術に少しでも組織力が伴っていれば,展開は違ったものになっていたに違いない。
日本の勝因は,落ち着いて,集中力を切らさずに最後までプレー出来たことに尽きる。中盤でのパスは繋がらず,セットプレーでも見せ場はなく,攻撃としては点が入った一連のプレーと,終盤の長谷部のミドルくらいしか,得点の気配が漂う場面はなかった。それでも松井の見事な切り返しとクロス,そして本田のトラップが合体して生まれた1点を守る,という目的を果たすために繰り出された献身的なプレーの数々は,日本のサポーターを感動させるに充分だった。
ここまで混乱が続いていた岡田監督だが,開き直って打った賭けが,ドイツを経験した選手の心意気とスパークしたという雰囲気だった。そうなると采配も冴えを見せ,意図が明確だった交替は,勝因の一つとして挙げられるだろう。
今更昔のことに拘っても仕方がないが,ドイツ大会で明らかだったチームとしての不統一感は,今回のチームにはない。
それは何故か。一つには,俊輔の不調,連敗が続いたことによる危機感,監督のブレ等々,大会間近になってチームに降り注いだ数多くの負の要因が,逆にチームの結束を強める方向に作用したことは間違いない。加えて(これは誰も指摘していないが)前回「柱」と目された選手と今回期せずしてチームの柱となった本田のキャラクターの違いが,組織として強靱な集中力を生み出すことに繋がった部分もあるような気がする。誤解を招きかねない言葉とは裏腹に,周りを活かそうとするプレーや,献身的なプレスが発している真摯なメッセージが,他の22人全員に確かに届いているという感触は,前回とは明らかに異なるものだ。
次のオランダ戦をどう闘うか。様々な意見が飛び交っているが,私は,激戦の疲れに対して中4日という厳しいスケジュール,高地~低地~高地と続く順化の問題,そして次のカメルーン戦で間違いなく全力を出し切って消耗しているに違いないデンマークの状態等を考えると,前と中盤とサイドバックのどちらかの3~4人は,カメルーン戦とは替えて臨むべきだと考えている。
どちらにしても初戦での勝ち点3というプレゼントが,こんなにも作戦の幅を拡げてくれるものだとは思わなかった。あれこれと議論が出来る贅沢を味わっているに違いない,日本チームサポーターにとっての至福の4日間に幸あれ!
それをしのぎきって,イタリアの十八番である「1対0」というスコアのままアウェーで勝ち点3を取るという離れ業を成し遂げた日本代表チームには,最大級の賛辞を捧げて謝罪したい。「信じられなくて,ごめんなさい」。
緊張感で身体が固まってしまった96分間だったが,多分私が日本人かカメルーン人でなかったとしたならば,その内容の乏しさに「金返せ!」と毒づいていたに違いない。どちらも攻撃に工夫がなく,膠着した展開を打開しようという勇気も感じられず,ヴァイタル・エリア外でパスミスを繰り返すピッチの中には,サッカー独自の躍動感が宿る場所はなかったようだった。
その最大の原因として挙げられるのは,やはりカメルーンの不調だろう。構成役となるはずだったA・ソングは噂通り欠場し,エトーは下がって完全に中盤でプレーしたために,カメルーンの攻撃には迫力とまとまりが欠けていた。若いCBは経験不足を露呈し,交替で投入されたジェレミも往年のキレを欠いていた。
ただ左サイドで何度も見事な切り返しを見せていたアスエコットに代表されるように,個人技のレベルでは日本を圧倒していた。DFムビアのバーを叩いたシュートにも肝を潰されたが,あの技術に少しでも組織力が伴っていれば,展開は違ったものになっていたに違いない。
日本の勝因は,落ち着いて,集中力を切らさずに最後までプレー出来たことに尽きる。中盤でのパスは繋がらず,セットプレーでも見せ場はなく,攻撃としては点が入った一連のプレーと,終盤の長谷部のミドルくらいしか,得点の気配が漂う場面はなかった。それでも松井の見事な切り返しとクロス,そして本田のトラップが合体して生まれた1点を守る,という目的を果たすために繰り出された献身的なプレーの数々は,日本のサポーターを感動させるに充分だった。
ここまで混乱が続いていた岡田監督だが,開き直って打った賭けが,ドイツを経験した選手の心意気とスパークしたという雰囲気だった。そうなると采配も冴えを見せ,意図が明確だった交替は,勝因の一つとして挙げられるだろう。
今更昔のことに拘っても仕方がないが,ドイツ大会で明らかだったチームとしての不統一感は,今回のチームにはない。
それは何故か。一つには,俊輔の不調,連敗が続いたことによる危機感,監督のブレ等々,大会間近になってチームに降り注いだ数多くの負の要因が,逆にチームの結束を強める方向に作用したことは間違いない。加えて(これは誰も指摘していないが)前回「柱」と目された選手と今回期せずしてチームの柱となった本田のキャラクターの違いが,組織として強靱な集中力を生み出すことに繋がった部分もあるような気がする。誤解を招きかねない言葉とは裏腹に,周りを活かそうとするプレーや,献身的なプレスが発している真摯なメッセージが,他の22人全員に確かに届いているという感触は,前回とは明らかに異なるものだ。
次のオランダ戦をどう闘うか。様々な意見が飛び交っているが,私は,激戦の疲れに対して中4日という厳しいスケジュール,高地~低地~高地と続く順化の問題,そして次のカメルーン戦で間違いなく全力を出し切って消耗しているに違いないデンマークの状態等を考えると,前と中盤とサイドバックのどちらかの3~4人は,カメルーン戦とは替えて臨むべきだと考えている。
どちらにしても初戦での勝ち点3というプレゼントが,こんなにも作戦の幅を拡げてくれるものだとは思わなかった。あれこれと議論が出来る贅沢を味わっているに違いない,日本チームサポーターにとっての至福の4日間に幸あれ!
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