子供はかまってくれないし,わかってくれないので,映画と音楽と本とサッカーに慰めを。
子供はかまってくれない
映画「ゾンビスクール」:守られるべきか弱い存在を叩き潰すホビット
真偽の程は定かではないが,イライジャ・ウッドには「ロード・オブ・ザ・リング」のプロモーションで来日した際,フリッパーズ・ギターのアルバムを探し求めて東京の街中をうろついていた,という噂がある。くだんのシリーズでスターダムにのし上がりながら,ごく普通の欧米人ならその名前すら知らないであろう極東のグループに関心を持つという性行は,どうやら彼に備わった生来のオタク気質を象徴しているのかもしれない。「R.O.T.R」シリーズとは,特殊撮影が必須という以外に共通項を見出せない「ゾンビスクール」の製作総指揮を買って出たというのは,ある意味必然だったのだろう。
ここではそんな彼の「裏の顔」を,たっぷりと楽しむことが出来る。
「裏の顔」と言っても,本作で彼が目指したのは,高尚に言えば「自らタブーを設けて自己規制することなどなく,あらゆる映像表現の可能性を追求する」,分かり易く言えば「小学4年生レヴェルの思考や知識や行動様式に基づく表現をしっかりとスクリーンに定着させる」ということ。
下痢便に手を突っ込んでかき回す。意味のない言葉や言い間違いを延々と喋り続ける。時に間違いを犯すことはあっても,純粋で純真であるべき子供たちが,大人の身体を引きちぎって食べる。そんな悪さをした子供たちを,一応ウィルスに感染してゾンビ状態になっているとは言え,大人たちが容赦なく叩きのめし,終いにはガソリンをかけて燃やし尽くす。ピンチに陥った大人たちを助けるのは差別主義者のマッチョとジャンキー。
こうしたまさに「お下劣な」エピソードの数々には,コンパクトとは言え90分を上手く使っているとは言えない構成やお手軽すぎるSFX,コメディなのにどうにも笑えない台詞など,ネガティブな要素の屍体の山を差し引いても,劇中のゾンビ化した子供たちと同程度の熱量が存在していることは確かだ。
イライジャ・ウッド以外では,最近のウディ・アレン作品でお馴染みのアリソン・ピルの微妙なヒロインぶりが楽しい。脚本を手掛けた二人,副校長役のイアン・ブレナンと下痢便をかき回したリー・ワネルが共に軽費削減のため,という意気込みで出演しているのも気分。
もう少し丁寧に作り込んで欲しかったという恨みはあるし,決して誰にも推薦できないという弱点はあるが,制作者の意図はしっかりとゲットした,じゃなかった「ナゲット」。
★★☆
(★★★★★が最高)
ここではそんな彼の「裏の顔」を,たっぷりと楽しむことが出来る。
「裏の顔」と言っても,本作で彼が目指したのは,高尚に言えば「自らタブーを設けて自己規制することなどなく,あらゆる映像表現の可能性を追求する」,分かり易く言えば「小学4年生レヴェルの思考や知識や行動様式に基づく表現をしっかりとスクリーンに定着させる」ということ。
下痢便に手を突っ込んでかき回す。意味のない言葉や言い間違いを延々と喋り続ける。時に間違いを犯すことはあっても,純粋で純真であるべき子供たちが,大人の身体を引きちぎって食べる。そんな悪さをした子供たちを,一応ウィルスに感染してゾンビ状態になっているとは言え,大人たちが容赦なく叩きのめし,終いにはガソリンをかけて燃やし尽くす。ピンチに陥った大人たちを助けるのは差別主義者のマッチョとジャンキー。
こうしたまさに「お下劣な」エピソードの数々には,コンパクトとは言え90分を上手く使っているとは言えない構成やお手軽すぎるSFX,コメディなのにどうにも笑えない台詞など,ネガティブな要素の屍体の山を差し引いても,劇中のゾンビ化した子供たちと同程度の熱量が存在していることは確かだ。
イライジャ・ウッド以外では,最近のウディ・アレン作品でお馴染みのアリソン・ピルの微妙なヒロインぶりが楽しい。脚本を手掛けた二人,副校長役のイアン・ブレナンと下痢便をかき回したリー・ワネルが共に軽費削減のため,という意気込みで出演しているのも気分。
もう少し丁寧に作り込んで欲しかったという恨みはあるし,決して誰にも推薦できないという弱点はあるが,制作者の意図はしっかりとゲットした,じゃなかった「ナゲット」。
★★☆
(★★★★★が最高)
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