子供はかまってくれないし,わかってくれないので,映画と音楽と本とサッカーに慰めを。
子供はかまってくれない
2010年TVドラマ夏シーズン・レビューNO.8:「うぬぼれ刑事」最愛の人を逮捕,「熱海の捜査官」これで収束?
宮藤官九郎の笑いのツボと長瀬智也の長い手足がうまくはまって,毎週閉鎖的且つ濃密な笑いを届けてくれた「うぬぼれ刑事」が終わった。最終回は,うぬぼれ仲間全員がハーモニーを奏でながら,長瀬の決めのダンスを踊るというゴージャス(?)な締めで,楽しませてくれた。
NO.7に書いたように,「ドラマではなく,ただのコント」という評も目にしたが,毎回出てくるヒロインが,ここぞとばかりにやりたい放題,し放題で弾けまくり,毎回逮捕状と婚姻届を校門様の印籠の如く,犯人にかざす長瀬の一本調子の演技を楽しむことが,週末の開幕に相応しい娯楽と感じていた視聴者は少なくなかったはずだ。
確かに平均で8.15%という視聴率は,ジャニーズの芸達者を並べて平均で16.59%,最終回は22.6%という驚異的な数字を叩き出した「流星の絆」に比べれば見劣りがするかもしれないが,井戸端会議は女性のものという認識が行き渡っているこの国で,中年の男同士が居酒屋で会社の愚痴を言い合うだけでなく,アホらしい恋バナで盛り上がったっていいじゃないか,というクドカンの問題提起(そんな大げさなものではないけれども)は,実に新鮮だった。
昔からやり過ぎが鼻について仕方なかった西田敏行が,殊の外クドカン・テイストにマッチして,良い味を出していたのは驚きだった。
どのエピソードにも最低ひとつは爆笑ネタが仕掛けられていたが,私は矢作兼が生田斗真に向かってメガネを外して「さだめ~」とお祖母ちゃんの真似をするギャグがツボだった。エピソードとしての盛り上がりは,小泉今日子が波止場で長瀬にダンスを仕掛けた瞬間が最高だった。やはり伊達にアイドルを張ってはいなかったのよ,という貫禄が滲み出ていた。
3年くらいしたら,結婚生活に疲れたうぬぼれ,という設定の「けんそん刑事」で是非,再登板をお願いしたい。
長瀬の間抜けな決め台詞「俺は俺だから」の元になったと思われるバー「I am I」のバーテンを演じた少路勇介が,地味で冴えない警察官を演じていた「熱海の捜査官」も大団円を迎えた。
開始直後に「ツイン・ピークス」の日本版をやろうとしている,と書いたが,アマゾンの「ツイン・ピークス」DVDのコメント欄にも,同様の投書が載っていた。皆さん,やはり感じるところは同じだったようだが,最終回のちらかり具合は本家を遙かに凌いでしまった。
バスの水没メカニズムや冬眠状態で発見された3人の女子高生に関する説明が全くないことはまだしも,途中から思わせぶりに数字の「2」を物語の中心に据えながら,結局2つ目のステージに進むだとか,共犯者がいたとか,どう考えても謎解きとは言えないオチだけでは,小ネタによるくすぐりの快感よりも,消化不良感の方が勝ってしまったのも仕方のないところだった。
最後に死んだはずの新宮寺が甦り,東雲さんの「今,ラインを越えました」という台詞から暗転,という幕の引き方はないでしょう,と憤ったのは私だけではなかったようで,今日の朝日新聞には「最後まで観たのに,結局は時間の無駄だった」という趣旨の読者の投書が載っていた。ふむふむと頷きながら読み進め,投書された方が79歳という年齢だと知り,私は咄嗟に武満徹が「ツイン・ピークス」のファンだった,という話を何処かで読んだのを思い出した。三木聡さん,次こそはこの方も満足させつつ,スケールアップした小ネタも満載のドラマを,と祈った休日の夜。
NO.7に書いたように,「ドラマではなく,ただのコント」という評も目にしたが,毎回出てくるヒロインが,ここぞとばかりにやりたい放題,し放題で弾けまくり,毎回逮捕状と婚姻届を校門様の印籠の如く,犯人にかざす長瀬の一本調子の演技を楽しむことが,週末の開幕に相応しい娯楽と感じていた視聴者は少なくなかったはずだ。
確かに平均で8.15%という視聴率は,ジャニーズの芸達者を並べて平均で16.59%,最終回は22.6%という驚異的な数字を叩き出した「流星の絆」に比べれば見劣りがするかもしれないが,井戸端会議は女性のものという認識が行き渡っているこの国で,中年の男同士が居酒屋で会社の愚痴を言い合うだけでなく,アホらしい恋バナで盛り上がったっていいじゃないか,というクドカンの問題提起(そんな大げさなものではないけれども)は,実に新鮮だった。
昔からやり過ぎが鼻について仕方なかった西田敏行が,殊の外クドカン・テイストにマッチして,良い味を出していたのは驚きだった。
どのエピソードにも最低ひとつは爆笑ネタが仕掛けられていたが,私は矢作兼が生田斗真に向かってメガネを外して「さだめ~」とお祖母ちゃんの真似をするギャグがツボだった。エピソードとしての盛り上がりは,小泉今日子が波止場で長瀬にダンスを仕掛けた瞬間が最高だった。やはり伊達にアイドルを張ってはいなかったのよ,という貫禄が滲み出ていた。
3年くらいしたら,結婚生活に疲れたうぬぼれ,という設定の「けんそん刑事」で是非,再登板をお願いしたい。
長瀬の間抜けな決め台詞「俺は俺だから」の元になったと思われるバー「I am I」のバーテンを演じた少路勇介が,地味で冴えない警察官を演じていた「熱海の捜査官」も大団円を迎えた。
開始直後に「ツイン・ピークス」の日本版をやろうとしている,と書いたが,アマゾンの「ツイン・ピークス」DVDのコメント欄にも,同様の投書が載っていた。皆さん,やはり感じるところは同じだったようだが,最終回のちらかり具合は本家を遙かに凌いでしまった。
バスの水没メカニズムや冬眠状態で発見された3人の女子高生に関する説明が全くないことはまだしも,途中から思わせぶりに数字の「2」を物語の中心に据えながら,結局2つ目のステージに進むだとか,共犯者がいたとか,どう考えても謎解きとは言えないオチだけでは,小ネタによるくすぐりの快感よりも,消化不良感の方が勝ってしまったのも仕方のないところだった。
最後に死んだはずの新宮寺が甦り,東雲さんの「今,ラインを越えました」という台詞から暗転,という幕の引き方はないでしょう,と憤ったのは私だけではなかったようで,今日の朝日新聞には「最後まで観たのに,結局は時間の無駄だった」という趣旨の読者の投書が載っていた。ふむふむと頷きながら読み進め,投書された方が79歳という年齢だと知り,私は咄嗟に武満徹が「ツイン・ピークス」のファンだった,という話を何処かで読んだのを思い出した。三木聡さん,次こそはこの方も満足させつつ,スケールアップした小ネタも満載のドラマを,と祈った休日の夜。
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