W杯予選を直前に控えて,ここまでいろいろなことにトライするとは思わなかったが,おかげで多くのことが明らかにもなった。
一つはやはり中村俊輔は,日本代表チームに絶対に必要な選手だということ。
二つ目は,松井の活かし方については,チーム全体でもう一度良く話し合うことが必要なこと。
更に今のコンディションのままでは,高原は代表チームのFWとして機能しないということ。
そして最も重要なことは,チームのポテンシャルはゆっくりとだが,確実に上がってきているということ。今の日本がコートジボワールやパラグアイのA代表以上だと言うことは出来ないが,多くの点を取れなかったことについては,決して悲観する必要はない。予選を通じて,花を咲かせることは出来るという自信を,選手達は持ったはずだ。
中村俊輔の力は,やはり日本代表を一段上に引き上げる可能性を秘めているということを,一緒にプレーした選手たち誰もが感じたことだろう。
ボールを持った時の,落ち着きと間合いと確かな意図。闘莉王に合わせたクロスと,その前に見せた左サイドでの滑らかなパス交換の質は,ため息が出るほどだった。
しかも,チャンスを作り出すだけではなく,自ら果敢に飛び出して使われようとする姿勢は,欧州の中堅リーグで連覇を果たし,カンプ・ノウでバルセロナと真剣勝負を繰り広げるためには何が必要なのかを,しっかりと体現していたように思う。
一方で,後半から出場した松井については,出来ればルマンでレギュラーを張っていた左サイドで見たかったところ。京都にいた時よりも一回り大きくなって威力を増した突進力とテクニックを適度な比率で発揮するためには,1トップの下で裏を狙うよりも,現代サッカーの要衝とされるサイドが適所だったし,チームとしても左サイドに起点が欲しい展開になっていたのだが,チームの意図と使われ方がフィットしていなかったという印象を受けた。あと1週間,しっかりと話し合って,チームにとっての最適な解を見つけて欲しい。
いつもの通り,歯を食いしばって「らしさ」を見せた巻に変わって入った高原は,何も出来なかった。決して比喩ではなく,言葉通りの意味で。
こうなると,もうコンディションの問題という次元ではなく,プレーの質そのものの低下,として捉えなくてはならないだろう。オフ・ザ・ボールの動きもちぐはぐだし,シュートを狙う体勢に持っていくことすら出来ない状態では,1トップの重責は務まらない。
レベルは違うかもしれないが,チェルシーに移籍して埋没してしまったシェフチェンコと同様に,戦術やコンディションとは関係なく,移籍による環境の変化が,全てマイナス方向に作用してしまった可能性も感じられるだけに,本当に心配だ。
しかし,チーム全体のポテンシャルが,徐々に引き上げられつつあるということは,間違いないだろう。繋ぐ意識と崩しに出るタイミングに関する共通認識が醸成されつつあることで,プレーの一つ一つに自信が伴いつつある。
あとは,最後のプレーで慌てない,という重い課題が克服できるかどうかだが,少なくとも今日のFW陣に,重圧のかかった試合での決定力を求めるのは,荷が重い。
結局,現在のコンディションが最も良く,経験もある玉田が,当面の軸になるのかもしれないが,フランスにおけるベンゼマのような彗星が,突然現れてくれないものかという儚い願いは,きっと聞き届けられないだろうから,日本のサッカーファンは今回もまた代表チームが主役の,スリリングな成長物語を楽しむことが出来るだろう。
しかし物語の最後には,白馬に乗った王子様ではなく,8人の日本人とスコットランド,フランス,そしてドイツからの助っ人が導くハッピーエンドが待っていると信じたい。勿論,イタリアからの助っ人だって大歓迎なのだが,果たして間に合うだろうか?
一つはやはり中村俊輔は,日本代表チームに絶対に必要な選手だということ。
二つ目は,松井の活かし方については,チーム全体でもう一度良く話し合うことが必要なこと。
更に今のコンディションのままでは,高原は代表チームのFWとして機能しないということ。
そして最も重要なことは,チームのポテンシャルはゆっくりとだが,確実に上がってきているということ。今の日本がコートジボワールやパラグアイのA代表以上だと言うことは出来ないが,多くの点を取れなかったことについては,決して悲観する必要はない。予選を通じて,花を咲かせることは出来るという自信を,選手達は持ったはずだ。
中村俊輔の力は,やはり日本代表を一段上に引き上げる可能性を秘めているということを,一緒にプレーした選手たち誰もが感じたことだろう。
ボールを持った時の,落ち着きと間合いと確かな意図。闘莉王に合わせたクロスと,その前に見せた左サイドでの滑らかなパス交換の質は,ため息が出るほどだった。
しかも,チャンスを作り出すだけではなく,自ら果敢に飛び出して使われようとする姿勢は,欧州の中堅リーグで連覇を果たし,カンプ・ノウでバルセロナと真剣勝負を繰り広げるためには何が必要なのかを,しっかりと体現していたように思う。
一方で,後半から出場した松井については,出来ればルマンでレギュラーを張っていた左サイドで見たかったところ。京都にいた時よりも一回り大きくなって威力を増した突進力とテクニックを適度な比率で発揮するためには,1トップの下で裏を狙うよりも,現代サッカーの要衝とされるサイドが適所だったし,チームとしても左サイドに起点が欲しい展開になっていたのだが,チームの意図と使われ方がフィットしていなかったという印象を受けた。あと1週間,しっかりと話し合って,チームにとっての最適な解を見つけて欲しい。
いつもの通り,歯を食いしばって「らしさ」を見せた巻に変わって入った高原は,何も出来なかった。決して比喩ではなく,言葉通りの意味で。
こうなると,もうコンディションの問題という次元ではなく,プレーの質そのものの低下,として捉えなくてはならないだろう。オフ・ザ・ボールの動きもちぐはぐだし,シュートを狙う体勢に持っていくことすら出来ない状態では,1トップの重責は務まらない。
レベルは違うかもしれないが,チェルシーに移籍して埋没してしまったシェフチェンコと同様に,戦術やコンディションとは関係なく,移籍による環境の変化が,全てマイナス方向に作用してしまった可能性も感じられるだけに,本当に心配だ。
しかし,チーム全体のポテンシャルが,徐々に引き上げられつつあるということは,間違いないだろう。繋ぐ意識と崩しに出るタイミングに関する共通認識が醸成されつつあることで,プレーの一つ一つに自信が伴いつつある。
あとは,最後のプレーで慌てない,という重い課題が克服できるかどうかだが,少なくとも今日のFW陣に,重圧のかかった試合での決定力を求めるのは,荷が重い。
結局,現在のコンディションが最も良く,経験もある玉田が,当面の軸になるのかもしれないが,フランスにおけるベンゼマのような彗星が,突然現れてくれないものかという儚い願いは,きっと聞き届けられないだろうから,日本のサッカーファンは今回もまた代表チームが主役の,スリリングな成長物語を楽しむことが出来るだろう。
しかし物語の最後には,白馬に乗った王子様ではなく,8人の日本人とスコットランド,フランス,そしてドイツからの助っ人が導くハッピーエンドが待っていると信じたい。勿論,イタリアからの助っ人だって大歓迎なのだが,果たして間に合うだろうか?