子供はかまってくれない

子供はかまってくれないし,わかってくれないので,映画と音楽と本とサッカーに慰めを。

サッカーW杯南アフリカ大会NO.5:日本代表VSオランダ代表【0:1】

2010年06月19日 23時03分32秒 | サッカーあれこれ
出来れば文字通りの「死闘」となることが確実な第3戦を見越して,2~3人の選手を温存しつつ,相手の持ち味を消すような上手い試合運びで勝ち点1を狙うような試合が理想だと思っていた。それは初戦に勝ったことで急激に沸騰した「打倒オランダ」の風潮を煽らず,一方では勝利の勢いを削がず,上手くやって欲しいという,中途半端と言われても仕方がない戦い方だ。
しかし試合が始まってみれば,メンバーはカメルーン戦と全く同じながら,逆にオランダの方が中途半端な出方を選択したために,前半は正にそんな展開になった。オランダにしてみれば,スペイン,フランス(ちょっと違うか),イングランドと続いた強豪国の苦戦振りを目の当たりにして,取り敢えずポゼッションは上げるが,前には行かずにカウンターを食らわない,という慎重な戦い方で,様子を見るという感じだったのかもしれない。

後半もそのまま進めて,終了間際に1点取りに行き,後はさっさと逃げ切るのかと思ったのだが,甘かった。後半開始早々に,綺羅星のようなアタッカー陣が牙を剥いた時間帯を,残念ながら日本は凌ぐことが出来なかった。結果的には,瞬間的な反応はピカイチでもミドルの処理に難を抱える川島の弱点を突かれたという形になったが,スナイデルのシュートに対して誰もブロックに行けなかったことが,オランダの圧力を物語っている。

それでも1点が入ったことによって,後半は日本も攻めるという気持ちが前面に出てきて,試合としては俄然面白くなったと思う。特に前半から完全に自分のペースでサッカーをやっていた松井と,くさび役が板についてきた本田を中心に,サイドを崩してフィニッシュまで持っていく場面が何度も生まれたのは,昨秋の試合よりも進歩したことの証だろう。

だが,そんな攻撃を加速するべく交替で入った選手達が,全く機能しなかったことは誤算だった。特に中村俊輔は,期するものは大きかったはずなのに,信じられないようなプレーの連続で,交替枠をひとつ潰してしまった,という印象だった。
更に,玉田,岡崎という,裏には抜けるが高さはなく,くさびにもなれない選手を同時投入するという岡田監督の奇策も功を奏することはなかった。
右からのアーリークロスを,上がってきていた闘莉王が完璧に落として,そこに走り込んだ岡崎がフリーで左足を振り抜いた瞬間,スタジアムの興奮度はこの日最高のヴォルテージに達したが,枠を外れた瞬間の落胆度も凄かった。もしも森本だったら,と思った日本サポーターの願いが,岡田監督の耳に届くことを祈りたい。

それにしても,確かにシュートを打ちはしても全く入る気配がなく,仲間をひたすら罵倒し続ける大久保を褒めることはまだしも,技術的・戦術的な解説を全くせずに「取りに行かなきゃ駄目」とか「セットプレーは大事ですよ」と決まり文句を唱え続けるテレ朝の解説陣(松木・セルジオのコンビ)は,何とかならないものだろうか。
「どんな気持ちですか」と繰り返す試合後のインタビュアーのレヴェルもひどかったが,マスコミもその国のサッカー界を構成する重要な要素であるという自覚を欠いた放送スタッフも,気持ちを入れ替えて,剣が峰のデンマーク戦に臨んで貰いたいものだ。


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