記憶力は年々曖昧になる一方だが,マッチデイプログラムの表紙を飾った選手がその日の試合で活躍した例がそう多くない,というのは,かなり確かだと思う。
今日の都倉の先制点は,5年振りのJ1での初勝利を手繰り寄せた記念すべきゴール,という意義と合わせ,そんなジンクスを吹き飛ばすものとして,長く記憶に残るものとなるだろう。
前節のセレッソ戦の後半辺りから,ほのかに勝利の気配は漂っていたが,広島のスターティングメンバーを眺めた時には,そんな気配も何処かに吹き飛んでしまった。
代表経験豊かな水本や塩谷が固める3バックに,ミキッチ,青山の中盤,更にアメリカ帰りの工藤に新加入外国人のフェリペ・シウバ。佐藤寿人が抜け,森崎兄弟の名前がそこになくとも,森保監督が作り上げたパスサッカーを継続する土台はやはり強固だ。
案の定,試合は様々なポジション取りからリズミカルにボールを動かす青山を中心とした広島のペースだった。セットプレーでやられた得点以外にも,フェリペ・シウバの左ポストに嫌われたシュートや,左サイドから入れられたクロスを間一髪でキム・ミンテがクリアした場面など,失点必至の場面が少なくとも3回はあった。
それでも今日の札幌はDFラインの素晴らしい集中力で,都倉の飛び出しから林のニアを破った見事なシュートと,福森の絶妙なFKから奪ったオウンゴールの2得点を守り切った。特にラインを下げざるをえなかった後半は,最後まで全員で「凌ぎきった」という印象だった。
どんなにボールを支配され廻されても,決して慌てず,フィニッシュまでは持ち込ませない,というシンプルな戦術を徹底するチームの姿勢が,勝ち点3を勝ち取った最大の原動力だろう。
ただ相変わらず中盤や最終ラインの攻撃参加は少なかった。特に後半押し込まれた局面で,札幌が跳ね返して何とか都倉にボールを入れても,まったくフォローがないためすぐにボールを奪われてしまい,再び守勢に回るということを繰り返していた部分は,明らかに改善の余地があるだろう。広島が力ずくで点を取りに来た際,あらゆるところにディフェンダーが顔を出していたのとは対照的だった。
選手の中ではやはり都倉の頑張りが目立ったが,この時点で既に2得点したということは当然各チームのスコアラーがチェックしている訳で,今後は益々マークが厳しくなるだろう。そうなった際にどう打開するか。このままでは「都倉コケたら皆コケた」となるのは明白だ。
3ボランチの誰かがシャドウの役割を果たすのか,2トップのパートナーが決められるのか。残留に向けては,代表戦インターバル明けとなる次節の甲府戦が,前半戦の大きなヤマ場になるだろう。
今日の都倉の先制点は,5年振りのJ1での初勝利を手繰り寄せた記念すべきゴール,という意義と合わせ,そんなジンクスを吹き飛ばすものとして,長く記憶に残るものとなるだろう。
前節のセレッソ戦の後半辺りから,ほのかに勝利の気配は漂っていたが,広島のスターティングメンバーを眺めた時には,そんな気配も何処かに吹き飛んでしまった。
代表経験豊かな水本や塩谷が固める3バックに,ミキッチ,青山の中盤,更にアメリカ帰りの工藤に新加入外国人のフェリペ・シウバ。佐藤寿人が抜け,森崎兄弟の名前がそこになくとも,森保監督が作り上げたパスサッカーを継続する土台はやはり強固だ。
案の定,試合は様々なポジション取りからリズミカルにボールを動かす青山を中心とした広島のペースだった。セットプレーでやられた得点以外にも,フェリペ・シウバの左ポストに嫌われたシュートや,左サイドから入れられたクロスを間一髪でキム・ミンテがクリアした場面など,失点必至の場面が少なくとも3回はあった。
それでも今日の札幌はDFラインの素晴らしい集中力で,都倉の飛び出しから林のニアを破った見事なシュートと,福森の絶妙なFKから奪ったオウンゴールの2得点を守り切った。特にラインを下げざるをえなかった後半は,最後まで全員で「凌ぎきった」という印象だった。
どんなにボールを支配され廻されても,決して慌てず,フィニッシュまでは持ち込ませない,というシンプルな戦術を徹底するチームの姿勢が,勝ち点3を勝ち取った最大の原動力だろう。
ただ相変わらず中盤や最終ラインの攻撃参加は少なかった。特に後半押し込まれた局面で,札幌が跳ね返して何とか都倉にボールを入れても,まったくフォローがないためすぐにボールを奪われてしまい,再び守勢に回るということを繰り返していた部分は,明らかに改善の余地があるだろう。広島が力ずくで点を取りに来た際,あらゆるところにディフェンダーが顔を出していたのとは対照的だった。
選手の中ではやはり都倉の頑張りが目立ったが,この時点で既に2得点したということは当然各チームのスコアラーがチェックしている訳で,今後は益々マークが厳しくなるだろう。そうなった際にどう打開するか。このままでは「都倉コケたら皆コケた」となるのは明白だ。
3ボランチの誰かがシャドウの役割を果たすのか,2トップのパートナーが決められるのか。残留に向けては,代表戦インターバル明けとなる次節の甲府戦が,前半戦の大きなヤマ場になるだろう。