子供はかまってくれないし,わかってくれないので,映画と音楽と本とサッカーに慰めを。
子供はかまってくれない
Was (Not Was)「Out Come The Freaks」:次はYES WE CANか?
黒さを強調したベタなヴォーカルが,ソリッドなファンクビートに乗って気持ち良くうねる。かと思えば,フィルム・ノワールのナレーションのようなクールなラップや,ロナルド・レーガンの演説のコラージュが,隙あらば身体を揺らすリスナーの足を掬おうと待ち構えている。
デトロイトという,ブラック・ミュージックにとっての梁山泊のような街から1981年に突如として現れた,架空のウォズ兄弟を中心とするファンク・ユニットのデビュー盤は,「ん?」という邦題が表すとおりの衝撃を,ブラック・ミュージック・ファンとニューウェーブ・ファン双方にもたらした。それは同郷のP-FUNK軍団が持っていた,ぶっ飛んだアイデアやひらめきに満ちた演奏とは明らかに性質を異にする,ジャンル横断的な視座と冷静な批評性を持った音楽だった。
デヴィッドとドンの二人のウォズ(「叶姉妹」のようなものか?)を中心としたチームが弾き出す音楽は,コアな部分ではストレートなノリの良いファンクだ。
しかしムード歌謡ファンクとも言うべき「Where Did Your Heart Go?」における「むせび泣く」サックスや,前述した「Tell Me That I'm Dreaming」におけるレーガンの声のサンプリングが作り出す不気味なリズムなど,バックトラックのあちこちに巧妙に仕掛けられた罠が,シンプルなダンスミュージックに深い陰影を与えており,今聴いても古さは全く感じない。
しかし表面的なフォーマットに加え,音楽的な奥行きという面でもアバンギャルドなジャズへのシンパシーを隠さなかったことに加え,ラジオ・フレンドリーなヒット曲に色目を使わなかったこと,更に流動的なユニットということで継続的な活動を行わなかったこと等が災いしたのか,遂にポピュラーな人気を誇るバンドとは縁遠く,長い隠遁生活の合間にポツンポツンとアルバムを発表する,知る人ぞ知る存在と化してしまったようだ。
その一方で,独自の批評眼を買われたドン・ウォズは,ローリング・ストーンズやボブ・ディラン,ボニー・レイトなど,メインストリームのビッグネームから,オフラ・ハザのようなエスニックなスターまで,様々なアーティストのプロデューサーとして大成功を収めている。そこで得た成果を,気が向いたときにちょっとウォズ(ノット・ウォズ)にフィードバックしてみるという,ビジネスの1分野としての音楽界を斜めに横断するような存在であり続けるというのも,ある意味で彼ららしいのかもしれないのだが。
デトロイトという,ブラック・ミュージックにとっての梁山泊のような街から1981年に突如として現れた,架空のウォズ兄弟を中心とするファンク・ユニットのデビュー盤は,「ん?」という邦題が表すとおりの衝撃を,ブラック・ミュージック・ファンとニューウェーブ・ファン双方にもたらした。それは同郷のP-FUNK軍団が持っていた,ぶっ飛んだアイデアやひらめきに満ちた演奏とは明らかに性質を異にする,ジャンル横断的な視座と冷静な批評性を持った音楽だった。
デヴィッドとドンの二人のウォズ(「叶姉妹」のようなものか?)を中心としたチームが弾き出す音楽は,コアな部分ではストレートなノリの良いファンクだ。
しかしムード歌謡ファンクとも言うべき「Where Did Your Heart Go?」における「むせび泣く」サックスや,前述した「Tell Me That I'm Dreaming」におけるレーガンの声のサンプリングが作り出す不気味なリズムなど,バックトラックのあちこちに巧妙に仕掛けられた罠が,シンプルなダンスミュージックに深い陰影を与えており,今聴いても古さは全く感じない。
しかし表面的なフォーマットに加え,音楽的な奥行きという面でもアバンギャルドなジャズへのシンパシーを隠さなかったことに加え,ラジオ・フレンドリーなヒット曲に色目を使わなかったこと,更に流動的なユニットということで継続的な活動を行わなかったこと等が災いしたのか,遂にポピュラーな人気を誇るバンドとは縁遠く,長い隠遁生活の合間にポツンポツンとアルバムを発表する,知る人ぞ知る存在と化してしまったようだ。
その一方で,独自の批評眼を買われたドン・ウォズは,ローリング・ストーンズやボブ・ディラン,ボニー・レイトなど,メインストリームのビッグネームから,オフラ・ハザのようなエスニックなスターまで,様々なアーティストのプロデューサーとして大成功を収めている。そこで得た成果を,気が向いたときにちょっとウォズ(ノット・ウォズ)にフィードバックしてみるという,ビジネスの1分野としての音楽界を斜めに横断するような存在であり続けるというのも,ある意味で彼ららしいのかもしれないのだが。
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