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アジアカップ予選 日本対イエメン【2:1】:田中達也の髪型はどうなんだろうか?

どの選手もボールを持ったら,まず前を向いて勝負出来るかどうかの間合いを計り,素速く次のプレーの判断を下す。廻すと決めたら,すかさずサイドに展開し,自ら動いてリターンを貰い,再度突破の機会を窺う。一旦パスを受けた選手も,もう一度ボールを受けられる位置に動いて,呼吸を合わせる。
前半の15分過ぎまで,ボールに連動したこんな動きがピッチのあちこちで見られ,イエメンのサイドが決壊して,試合が壊れるくらいの大量得点が入るのは時間の問題と思われた。
しかし終わってみれば,イエメンのゴールネットを揺らしたのはセットプレーからの2回のみ。ベストメンバーでないとは言え,FIFAランキング34位の日本が,同じく153位のチームを相手にここまで接戦を演じると予想した人はそう多くはなかったはずだ。

チャンスはたくさんあった。特にストライカーとしての嗅覚が冴え渡っていた岡崎は,先制点以外に少なくとも3度は決めていなければならなかったと思う。毎度のことだが,今回も「決定力」が問題視されることは疑いがない。
しかし問題の原因をそこだけに求めていては,堂々巡りに陥るだけだ。多分。
私が感じたヒントは,前半の15分以降と後半の残り15分の攻めにあるような気がする。

前半7分に得点を奪ってからの日本は,先制に甘んじることなく,サイドを使う意識も,サイドを変える意識もしっかりと持っていたように見えたし,つないで崩そうという形もある程度出来ていたように見えた。それでも良い形でフィニッシュにまで持っていくことは叶わなかった。徐々に日本の攻撃の形やペースに慣れてきたイエメンのディフェンスを突き崩すような,スピード豊かな突破はついぞ成就しないまま折り返すこととなった。

反対に後半の終了間際,主に中村憲剛から左右に速いパスが何本も通った時間帯は,相手ゴール前に決定的な局面が幾度も立ち顕れていた。疲れていたはずの両サイドバックの奮闘も見事だったが,味方の選手の動きを読んで正確にグラウンダーを通した中村憲剛の技術は,高く評価されるべきものだった。

この二つの時間帯におけるプレーで明らかになったことは何か。
今更という気がしないでもないが,それは「ボールと選手の瞬間的なスピードと連動の重要性」ということに帰着するのだろう。
どれだけボールを廻していても,相手のディフェンスに穴が見つからなければ,折角前線に入れたボールも仕切り直さなければならないし,そうなれば一旦引いて陣形を整えた壁を崩すことは容易ではない。その時に重要になるのは,くさびに入れるボールのスピードであり,サイドでスペースに入り込む選手のスピードなのではないか。

テクニシャンの香川が何度も切り返しを重ね,苦労して苦労して入り込もうとしていたペナルティエリアに,ボランチからのスピード豊かなフィードを受けたサイドやSBが易々と入り込んだ瞬間のカタルシスこそ,4:2:3:1を取る日本が目指すべきものだという確信が,終了間際には一層(中村憲剛だけに)堅固なものに変わっていったのだった。
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