子供はかまってくれないし,わかってくれないので,映画と音楽と本とサッカーに慰めを。
子供はかまってくれない
Super Furry Animals「Dark Days/Light Years」:万華鏡大回転
スーパー・ファーリー・アニマルズ「ダークデイズ/ライトイヤーズ」
「ポップ」というものを突き詰めて行き,やがてプログレに至る,という何ともSFAらしい挑戦となった2005年の「Love Kraft」。そこでの貴重な経験を踏まえて,ポップフィールドに帰還してきた2007年の「Hey Venus!」。充実したこれら近作の勢いそのままに発表された新作「Dark Days/Light Years」は,両者のイキの良い部分を取り出して実験室に備えてあるフラスコに移し替え,アルコールランプで煮詰めて作った結晶のようだ。この何とも刺激臭の強い結晶こそ,進歩を怖れないポップ・ミュージックの冒険者としての証だ。
前作にあった,思わず口ずさんでしまうようなポップなメロディは少ない(特に前半部分)。替わりに並んでいるのは,屋根裏やガレージや倉庫や工場がよく似合いそうな,捻れてはいるけれども妙に力強い旋律群だ。
怪しげなドイツ語が飛び交う「Inaugural Trams」の律動,極彩色の妄想によって紡がれた裏ブライアン・ウィルソンみたいな「Cardiff In The Sun」の陶酔感など,聴きどころは満載だが,白眉はタイトルを見ただけで固まってしまった「The Very Best Of Neil Diamond」。アラブ歌謡っぽいバックトラックに乗って,リヴァーブがたっぷりかかったグリフ・リースのヴォーカルが聞こえてくると,「どうして今ニール・ダイアモンドなのか?」と考え込んでしまうことは必至。こういう一筋縄では行かないユーモアと知性とユニークなアイデアが混在した音楽を作り出す彼らこそ,ザ・フレイミング・リップスと並んで,XTCの真の後継者と呼ばれるべき存在だろう。
前作に引き続いてジャケットを担当した田名網敬一のイラストが,内容を増幅していて見事。日本でも売れる時は来るだろうか?
★★★★☆
「ポップ」というものを突き詰めて行き,やがてプログレに至る,という何ともSFAらしい挑戦となった2005年の「Love Kraft」。そこでの貴重な経験を踏まえて,ポップフィールドに帰還してきた2007年の「Hey Venus!」。充実したこれら近作の勢いそのままに発表された新作「Dark Days/Light Years」は,両者のイキの良い部分を取り出して実験室に備えてあるフラスコに移し替え,アルコールランプで煮詰めて作った結晶のようだ。この何とも刺激臭の強い結晶こそ,進歩を怖れないポップ・ミュージックの冒険者としての証だ。
前作にあった,思わず口ずさんでしまうようなポップなメロディは少ない(特に前半部分)。替わりに並んでいるのは,屋根裏やガレージや倉庫や工場がよく似合いそうな,捻れてはいるけれども妙に力強い旋律群だ。
怪しげなドイツ語が飛び交う「Inaugural Trams」の律動,極彩色の妄想によって紡がれた裏ブライアン・ウィルソンみたいな「Cardiff In The Sun」の陶酔感など,聴きどころは満載だが,白眉はタイトルを見ただけで固まってしまった「The Very Best Of Neil Diamond」。アラブ歌謡っぽいバックトラックに乗って,リヴァーブがたっぷりかかったグリフ・リースのヴォーカルが聞こえてくると,「どうして今ニール・ダイアモンドなのか?」と考え込んでしまうことは必至。こういう一筋縄では行かないユーモアと知性とユニークなアイデアが混在した音楽を作り出す彼らこそ,ザ・フレイミング・リップスと並んで,XTCの真の後継者と呼ばれるべき存在だろう。
前作に引き続いてジャケットを担当した田名網敬一のイラストが,内容を増幅していて見事。日本でも売れる時は来るだろうか?
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