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Jリーグ杯 グループA 第6節 札幌VS.磐田【2:3】

引き分け以上で2位グループの上位としてノックアウトステージに進めた札幌だったが,リーグ戦の悪い部分が全部出たような試合運びで,J2リーグで首位の町田に勝ち点で10点以上離されている磐田に逆転負け。リーグカップ戦にも拘わらず1万人を超えるサポーターが詰めかけた札幌ドームは,試合終了のホイッスルが鳴らされると同時に,文字通りの「沈黙」が支配した。

試合の入りは見事だった。いつも通り今季のストロング・ポイントである右サイド深くに金子が侵入し,その折り返しをペナルティ・エリアに詰めた二人が潰れて,三人目のルーカスがきっちりと決めて見せた。複数得点が続いた時期の得意パターンが早速再現されたことで,大量得点の匂いも漂う出足だった。
しかし磐田が徐々に札幌の対角線上に出される長いボールに慣れていったのとは対照的に,札幌は最初の得点がそうだった「深く抉る」という選択肢を捨て,中央に切り込むという一択に嵌まり込むことで,リズムを自ら手放していった。

更に磐田が後半早い時間帯で,それまでのホットラインを形成していたゴンザレスと遠藤を下げ,札幌の守備への圧力を強めたことで,混乱は余計に深まっていった。その姿はまるで神戸が「イニエスタのチーム」であることを諦め,走力に活路を見出したことによって快進撃を開始した姿を再び見るようだった。さぼらない複数の選手によるプレスによって後半,札幌のサイドを完全に制圧した磐田は,リーグ後半戦の反撃のためのヒントを得たに違いない。

反対に主力選手を多数投入したにも拘わらず,福森と宮澤のところでテンポが落ち,荒野がノールックどころかノーディレクションのパスを繰り返しては相手にボールを渡し続け,サポートのない金子がボールを奪われ,切り込んでばかりで簡単に進路を塞がれたルーカスがシュートを打てずにいるうちにひっくり返された札幌は,小柏という最強の切り札を,ほぼお約束と化しつつある「怪我」によって長期間失うこととなった窮地をどう乗り切っていくのか。他チームの結果によってリーグカップのQFに残ったことは朗報だが,打開するキーマンとして中島では力不足だということが今日の試合で明らかになった以上,(タイ代表に招集された国際Aマッチで覚醒したかもしれない,そうあって欲しい)スパチョークや小林にかかる期待は大きい。偏愛によって選手のモチベーションを上げることに比べると,試合の状況を読んだ選手交替が極めて不得意に見えるミシャの手腕が試されるのは,後半戦再開後の3試合だろう。リスタートダッシュだ!
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