久しぶりに長編小説を読んだ。
天童荒太「永遠の仔」
最初に出版されたのが1999年なので、もう10年以上前の作品だ。
さらに、僕は知らなかったのだが、2000年にドラマ化もされており、当時なかなかの話題作だったことがうかがえる。
物語のテーマは児童虐待。
3人の主人公は、それぞれ子供の頃に虐待をうけており、それが原因で精神に異常を来したため、一定期間精神科病棟に入院していた。
退院後別々の人生を歩んでいた3人は、30歳を目前に控えた頃再び顔を合わせる。
立派な大人に成長した彼らだが、心の奥底には未だ癒されない深い傷があり、やがてそれは事件を引き起こしてしまうのだった。
2013年現在、この小説を読んでも少しも古さを感じることはない。
なぜなら、児童虐待という悲しい事件は今も後を絶たないからだ。
全国207ヶ所の児童相談所が調査した2012年度の児童虐待件数は、6万6807件に及ぶという。
この作品では、虐待する親も心を病んでおり、どこかで救いを求めている。
親自身が子供の頃に虐待経験があったり、あるいは夫の浮気や社会での孤立など、心の悩みを抱えていて、その鬱憤が一番弱い存在である子供へ向けられてしまい、不幸の連鎖、不幸の伝染を引き起こしているのだった。
人は大人といわれる年齢になっても、あるいは自分自身が人の親になっても、親の子であり「あなたはよく頑張ったよ」とか「あなたは少しも悪くないよ」と言ってもらいたい部分があるという。
だから「永遠の仔」なのだろう。
「子」ではなく「仔」という字だが、著者によると子を人が支えているようで美しいからだという。
現代社会の中で生きていくには、あらゆるストレスと戦わねばならない。
むしろ、いかにしてストレスと上手に付き合うかを考えたほうがいいのかもしれない。
そのストレスのはけ口は、どうか子供には向けないでほしいものだ。
天童荒太「永遠の仔」
最初に出版されたのが1999年なので、もう10年以上前の作品だ。
さらに、僕は知らなかったのだが、2000年にドラマ化もされており、当時なかなかの話題作だったことがうかがえる。
物語のテーマは児童虐待。
3人の主人公は、それぞれ子供の頃に虐待をうけており、それが原因で精神に異常を来したため、一定期間精神科病棟に入院していた。
退院後別々の人生を歩んでいた3人は、30歳を目前に控えた頃再び顔を合わせる。
立派な大人に成長した彼らだが、心の奥底には未だ癒されない深い傷があり、やがてそれは事件を引き起こしてしまうのだった。
2013年現在、この小説を読んでも少しも古さを感じることはない。
なぜなら、児童虐待という悲しい事件は今も後を絶たないからだ。
全国207ヶ所の児童相談所が調査した2012年度の児童虐待件数は、6万6807件に及ぶという。
この作品では、虐待する親も心を病んでおり、どこかで救いを求めている。
親自身が子供の頃に虐待経験があったり、あるいは夫の浮気や社会での孤立など、心の悩みを抱えていて、その鬱憤が一番弱い存在である子供へ向けられてしまい、不幸の連鎖、不幸の伝染を引き起こしているのだった。
人は大人といわれる年齢になっても、あるいは自分自身が人の親になっても、親の子であり「あなたはよく頑張ったよ」とか「あなたは少しも悪くないよ」と言ってもらいたい部分があるという。
だから「永遠の仔」なのだろう。
「子」ではなく「仔」という字だが、著者によると子を人が支えているようで美しいからだという。
現代社会の中で生きていくには、あらゆるストレスと戦わねばならない。
むしろ、いかにしてストレスと上手に付き合うかを考えたほうがいいのかもしれない。
そのストレスのはけ口は、どうか子供には向けないでほしいものだ。