Music Mania

No Music No Life

永遠の仔

2013年09月14日 | 読書
久しぶりに長編小説を読んだ。
天童荒太「永遠の仔」



最初に出版されたのが1999年なので、もう10年以上前の作品だ。
さらに、僕は知らなかったのだが、2000年にドラマ化もされており、当時なかなかの話題作だったことがうかがえる。

物語のテーマは児童虐待。
3人の主人公は、それぞれ子供の頃に虐待をうけており、それが原因で精神に異常を来したため、一定期間精神科病棟に入院していた。
退院後別々の人生を歩んでいた3人は、30歳を目前に控えた頃再び顔を合わせる。
立派な大人に成長した彼らだが、心の奥底には未だ癒されない深い傷があり、やがてそれは事件を引き起こしてしまうのだった。

2013年現在、この小説を読んでも少しも古さを感じることはない。
なぜなら、児童虐待という悲しい事件は今も後を絶たないからだ。
全国207ヶ所の児童相談所が調査した2012年度の児童虐待件数は、6万6807件に及ぶという。

この作品では、虐待する親も心を病んでおり、どこかで救いを求めている。
親自身が子供の頃に虐待経験があったり、あるいは夫の浮気や社会での孤立など、心の悩みを抱えていて、その鬱憤が一番弱い存在である子供へ向けられてしまい、不幸の連鎖、不幸の伝染を引き起こしているのだった。
人は大人といわれる年齢になっても、あるいは自分自身が人の親になっても、親の子であり「あなたはよく頑張ったよ」とか「あなたは少しも悪くないよ」と言ってもらいたい部分があるという。
だから「永遠の仔」なのだろう。
「子」ではなく「仔」という字だが、著者によると子を人が支えているようで美しいからだという。

現代社会の中で生きていくには、あらゆるストレスと戦わねばならない。
むしろ、いかにしてストレスと上手に付き合うかを考えたほうがいいのかもしれない。
そのストレスのはけ口は、どうか子供には向けないでほしいものだ。
コメント (8)

スターレス高嶋

2013年09月08日 | 音楽
昨日の夜、あるバラエティ番組で、80年代洋楽イントロクイズをやっていた。
まず、嵐の5人と俳優の高嶋政宏がロックシンガーのコスプレをしているのだが、それぞれフレディ・マーキュリー、プリンス、アクセル・ローズ、スティーブン・タイラー、ジーン・シモンズ、ボーイ・ジョージだったと思う。
高嶋はかなりのロック好きで知られる人物で、彼の得意とする80年代洋楽のイントロクイズを世代の違う嵐の5人と対戦するというものだ。
問題は4つで、イントロは出だしの1秒しかならない。
結局高嶋が全問正解で、嵐の惨敗という最初から結果がわかるような展開だった。

流れたのは以下の4つ。
1.カルチャー・クラブ「カーマはきまぐれ」
2.シンディ・ローパー「ハイスクールはダンステリア」
3.RUN-DMC「ウォーク・ディス・ウェイ」
4.ヴァン・ヘイレン「ジャンプ」

僕は2と4しかわからなかった。
3はエアロスミスのヴァージョンならイントロ1秒でもわかったと思うが。

高嶋政宏は、確か以前に80年代の洋楽を紹介する番組のMCをしていたと思う。
僕らの世代にとっては「お~、これこれ!」と膝を叩くような選曲で、とてもよかった。
さらに彼はキング・クリムゾンの「スターレス」をカバーしていて、これもまあまあの出来だ。
ただし前半のバラードパートだけで、後半のハードな部分が省略されている。
とても中途半端なのだが、この先ボーカルパートがないので仕方がないだろう。

高嶋政宏「スターレス」


余談だが、ザ・ピーナツによるキング・クリムゾンのカバー「エピタフ」


余談ついでに西城秀樹による「エピタフ」(←なかなか良いです)


こうなったら、これも貼っちゃいましょう、フォーリーブスの「エピタフ」、しかも日本語!


コメント (8)

上手い演奏

2013年09月07日 | 音楽
Yahoo知恵袋などで「日本で一番上手いバンドはなんですか?」という質問を見かける。
何を基準に上手いか下手かにもよるし、数値で計測できるものではないので、そういう質問に答えなどない。
ただ、複数の人がラウドネスと答えているのみてちょっと気になった。

ラウドネスとは80年代に人気のあったヘビメタバンドで、たしかにテクニックは相当なものだったと思う。
ただ、テクニックの凄いバンドと上手いバンドはイコールではない気がする。
例えば70年代前半くらいまでのキング・クリムゾンはテクニシャンの集まりだったと言われるが、当時のライブ音源を聴くかぎりバンドとして上手いとは思えない。
個性がぶつかりすぎて、アンサンブルが壊れる一歩手前くらいまでいくときがあるのだ。
それが緊張感を生み、それこそがロックとしての魅力なのだが、世間的にいう上手い演奏ではないような気がする。

アメリカのプログレメタルバンド、ドリーム・シアターなんかは全員本物のテクニシャンで、完璧にアレンジされた超絶技巧曲を一糸乱れぬ演奏力でやってのける。
僕は一度彼らのライブを見に行ったことがあるが、まさにプロ中のプロで、呆れるほど見事な演奏だった。
ただ、彼らは「凄い演奏」、「曲芸のような演奏」であって、「上手い演奏」とはちょっとニュアンスが違うように思う。

なんとなくNHKのど自慢のバックバンドなんかは上手い演奏、上手いバンドという気がする。
毎週いろいろなジャンルの曲を演奏し、そのレベルは上手すぎて存在感がない。
この上手すぎて存在感がない、というのがポイントだ。
なんといっても主役はボーカル、バンドはカラオケのように完璧でなくてはならない。
噂によると、素人さんに合わせて瞬時にキーを変更したり、リズムを合わせたりすることが出来るらしい。

歌謡曲と違い、ロックは歌だけでなく演奏も聴くものだから「上手すぎて存在感がない」のでは困る。
キッスやストーンズがライブ・バンドとして人気が高いのは、演奏が微妙だからだ。
ピッタリジャストではない演奏に魅力があるといっていい。
70年代の名ライブ盤と言われるものは、どれも演奏が荒く、だからこそバンドの存在感があるのだ。

話を最初に戻そう。
「日本で一番上手いバンドはなんですか?」という質問に、僕ならNHKのど自慢バンドと答えよう。
彼らが「デトロイト・ロック・シティ」を演奏してもつまらないだろうな、上手すぎてカラオケと一緒になっちゃうだろうから。

(おまけ)
先週のフォリナー・セッションより「Too late」
自分としては上手く出来てると思う…(汗)
もちろん「上手い演奏」と「勝手に上手く出来たと思ってる演奏」は別物です(笑)


(撮影Kameさん、素晴らしいボーカルはまあさんとバレーさん)

コメント (10)

第5回フォリナー・セッション

2013年09月01日 | ギター
昨日は第5回となるフォリナー・セッションに参加してきた。
場所は前回と同じで、盛り上がりも前回に負けないくらいだったと思う。

今回は参加人数も多く、新しく知り合った方とも共演したりお喋りできてとても良かった。
また久しぶりの再会の人も多く、充実した時間を過ごせた。
音楽好き、ロック好き、フォリナー好きということで集まった面々だが、気さくだけど熱い方々ばかりで話も演奏もヒートアップする。

前回は各楽器の音量バランスが良くなかった(ほとんどは僕のギター音が大きすぎたのが原因だが・・・)が、今回はそんなことはなくとても聴きやすかったと思う。
ギターの音作りだが、エフェクト類は使わずマーシャル直で挑んだが、使い慣れていないためセッティングが上手くいったとは言いがたい。

参加曲は7曲。
本当は6曲だったのだが、急遽1曲追加して予定になかった曲をやった。

今回の演奏曲(★印は僕が参加した曲)

1.Feels Like The First Time
2.Night Life
3.Jukebox Hero
4.Double Vision
5.Urgent
6.Until The End Of Time
7.Waiting For A Girl Like You
8.Head Games
9.Lonely Children★
10.Midnight Blue
11.Tooth And Nail
12.Long, Long Way From Home
13.Cold As Ice
14.Break It Up
15.Reaction To Action
16.Too Late★
17.Hot Blooded
(アンコール)
18.Double Vision
19.Dirty White Boy★

毎回主催していただいている忍者さん、お疲れ様でした。
おかげで、楽しい仲間たちと楽しく充実した時間を共有出来て、ありがとうございました。
それと今回共演していただいた皆さん、また共演は出来なかったけど一緒に盛り上げてくださった皆さん、ありがとうございました。

コメント (14)