奥田英朗の新しい文庫本が発売されたので、早速買って読んだ。
「我が家の問題」という題名の短編集だ。

これは前の短編集「家日和」の続編のようなもので、どこにでもある平凡な家族の、ありがちな悩みをテーマにしている。
殺人もなければ、娘が突然行方をくらますことも、ヤクザにからまれることも、家族が自殺するわけでもない。
「事実は小説より奇なり」という言葉があるが、これを読むと、「小説は事実より平凡なり」といえるくらい日常的である。
内容は以下の通り。
・妻が完璧すぎるあまり、帰宅拒否症になった夫の話「甘い生活?」。
・仕事ができないお荷物社員の夫をもつ妻の苦悩を描いた「ハズバンド」。
・離婚するかもしれない両親と暮らす娘の話「絵里のエイプリル」。
・突然「オレ、UFOと交信してるんだ」とか言い出す不思議な夫をもつ妻の悩み「夫とUFO」。
・結婚して初めてのお盆休み、北海道と名古屋、それぞれの実家へ顔出さなきゃいけない夫婦の気苦労を描いた「里帰り」。
・マラソンにはまる妻をもつ小説家の話「妻とマラソン」。
最後の「妻とマラソン」以外、問題をかかえる我が家は、皆中流の上くらいに属する人たちだ。
名の知れた大学を出て、都内の大企業の正社員、年収700万~1000万円くらいの、いわゆる勝ち組の人たちである。
しかし、勝ち組だからといって、毎日バラ色の人生なはずはなく、些細な、しかし当人にとっては深刻な「我が家の問題」が存在するのだ。
最近「無敵の人」といわれる人がいる。
仕事もなく、友達も恋人も家族もなく、家も土地もクルマも貯金もない、失うものが何もない人は、悪いことをして捕まっても、被害者以外困る人がいない人だ。
それに対してここに登場する人たちは、家族、地位、財産、家、親類縁者など、失うものが多い、だからといって問題をすべて金で解決できるほど富裕層でもない、「最弱の人」なのかもしれない。
最後の「妻とマラソン」だけ主人公がサラリーマンではなく小説家で、家をテーマにした短編集“家日和”の「妻とロハス」の続編だ。
おそらく、モデルとなってるのは奥田氏本人と思われる。
これによると、「1千万くらいならなんとかなる」ほどの収入があるようで、お金に困ることは皆無、しかしあくまでも庶民感覚で暮らしているのが面白い。
とっても軽く読める短編集なので、ちょっと時間が空いた時などにオススメ。
「我が家の問題」という題名の短編集だ。

これは前の短編集「家日和」の続編のようなもので、どこにでもある平凡な家族の、ありがちな悩みをテーマにしている。
殺人もなければ、娘が突然行方をくらますことも、ヤクザにからまれることも、家族が自殺するわけでもない。
「事実は小説より奇なり」という言葉があるが、これを読むと、「小説は事実より平凡なり」といえるくらい日常的である。
内容は以下の通り。
・妻が完璧すぎるあまり、帰宅拒否症になった夫の話「甘い生活?」。
・仕事ができないお荷物社員の夫をもつ妻の苦悩を描いた「ハズバンド」。
・離婚するかもしれない両親と暮らす娘の話「絵里のエイプリル」。
・突然「オレ、UFOと交信してるんだ」とか言い出す不思議な夫をもつ妻の悩み「夫とUFO」。
・結婚して初めてのお盆休み、北海道と名古屋、それぞれの実家へ顔出さなきゃいけない夫婦の気苦労を描いた「里帰り」。
・マラソンにはまる妻をもつ小説家の話「妻とマラソン」。
最後の「妻とマラソン」以外、問題をかかえる我が家は、皆中流の上くらいに属する人たちだ。
名の知れた大学を出て、都内の大企業の正社員、年収700万~1000万円くらいの、いわゆる勝ち組の人たちである。
しかし、勝ち組だからといって、毎日バラ色の人生なはずはなく、些細な、しかし当人にとっては深刻な「我が家の問題」が存在するのだ。
最近「無敵の人」といわれる人がいる。
仕事もなく、友達も恋人も家族もなく、家も土地もクルマも貯金もない、失うものが何もない人は、悪いことをして捕まっても、被害者以外困る人がいない人だ。
それに対してここに登場する人たちは、家族、地位、財産、家、親類縁者など、失うものが多い、だからといって問題をすべて金で解決できるほど富裕層でもない、「最弱の人」なのかもしれない。
最後の「妻とマラソン」だけ主人公がサラリーマンではなく小説家で、家をテーマにした短編集“家日和”の「妻とロハス」の続編だ。
おそらく、モデルとなってるのは奥田氏本人と思われる。
これによると、「1千万くらいならなんとかなる」ほどの収入があるようで、お金に困ることは皆無、しかしあくまでも庶民感覚で暮らしているのが面白い。
とっても軽く読める短編集なので、ちょっと時間が空いた時などにオススメ。