Music Mania

No Music No Life

マイケル祭りin関西vol.2

2014年01月26日 | 音楽
昨日は京都祇園のSilver Wingsまで「マイケル祭りin関西Vol.2」を見に行ってきた。
これはマイケル・シェンカーのトリビュートバンドが5つ集まって、大騒ぎするというイベント。
関東では何度も開催されてきたが、関西で開催されるのは今回が2回目、僕が見にいくのは初めてだ。



いろいろ予定が狂って、間に合うかどうかも怪しかったが、なんとか開演までに会場に到着。
知ってる人、知り合った人、名前は知ってたが会うのは初めての人、久しぶりの人、いろいろな出会いは楽しい。
会場は超満員だ。

まず1発目は「U5O」
ここのボーカルさんは以前一緒にセッションをしたことがあり、その実力はよく知っている。
今回はUFOということで、メンバーのファッションにも気合が入っていた。
まず「ライツアウト」からスタート、キーボード、リズムギターなしのタイトな演奏で決める。
トリオ演奏を補うためか、ギタリストはエフェクトを多用するタイプで、このバンド独自の解釈がみられた。
僕の好きな「オー・マイ」が聴けたのも良かったが、ハイライトとなったのはラストの「ロック・ボトム」で、「UFOライブ」のバージョンを元にギター弾きまくりで盛り上がった。



次のバンドは「浪速のシェンカー・グループ」
こちらは女性キーボードが入った5人編成で、「アームド・アンド・レディ」から始まった。
ここのボーカルは非常に関西的なノリで、お笑い芸人のようなMCが面白い。
内輪ネタも織り交ぜた「ネタ」で会場を笑わせる。
バンド演奏は、野太いギターサウンドが特徴で、芯のあるハードな音色だった。
とくに彼らの演奏するインスト曲「イン・トゥ・ジ・アリーナ」は感動的だった。




3つ目、いよいよ僕が一番楽しみにしていた「しっかりしぇんか~グループ」だ。
しっかりしぇんか~さんとは以前からネット付き合いがあるものの、お会いするのは初めて、演奏を聴くのも初めてだ。
また、ボーカルのニール山口さん、お土産ありがとうございました。信玄棒美味しかったです。
このニール山口さんだが、高音のノビが素晴らしい。
セットはMSG、UFOのみならず、スコーピオンズからも1曲演奏したが、クラウス・マイネのハイトーンを苦もなく歌えるのは流石だ。
スタートはライブアルバム「ロック・ウィル・ネバー・ダイ」と同じ流れで、「キャプテン・ネモ~ロック・マイ・ナイツ・アウェイ」から安心して聴けるクオリティ。
意外な選曲「リップ・スティック・トレーシス」や名曲「ラヴ・トゥ・ラヴ」も良かったが、やはり「ロック・ボトム」だ。
1つ目のバンド「U5O」と違い、こちらはスタジオバージョンを基本にしたアレンジだが、途中でツインギターのハモリを取り入れたのは素晴らしいアイデアだった。




次は「JFO」、ドラマーは元マリノのジュン板倉さんだ。
70年代、80年代の定番曲ばかりでなく、最近の曲からスタートしたので面食らった人も多かったと思う。
バンド名はUFOっぽいが、それにこだわらず、いろいろな時代のシェンカーを演奏する。
それより、なにより、このバンドはとにかく上手い。
ギタリストも完全にプロレベル(本当にプロなのかもしれないが)、ドラマーももちろんプロレベル、もう圧倒的だ。
「ロスト・ホライズン」を演奏したのだが、僕は元々そんなに好きな曲ではなかった。
でも彼らの演奏を聴いて感動した。
そしてこの曲を好きになった。




ラストは「マイクロ・シェンカー・グループ」
武道館ライブ「飛翔伝説」と同じスタート、1曲目は「アームド・アンド・レディ」だ。
ここはノリがよい。
とても楽しそうに、それでいながら一生懸命さが伝わる演奏だ。
マイケル・シェンカーのバンドばかり5つも連続すると、当然ダブる曲も出てくる。
最後に出演するバンドはその点不利になるわけだが、たとえダブってもそれをものともしないライブだった。
この日3回目となる「ロック・ボトム」も、スタジオ版をベースにした熱い演奏で、ギタリストのみならず、他のメンバーもキャラが立っていて良かったと思う。




最後はラストのマイクロ・シェンカー・グループの演奏に、それぞれのバンドのギタリストが参加して「5人のマイケルによるライツアウト」を演奏した。
正確にいうと、5人プラス、マネキンの手作りマイケル人形(等身大)が2体あったので、合計7人のマイケルだ。
こうしてこの日のライブは無事大盛り上がりで終了した。




僕が今回これを見て感じたのは、マイケル・シェンカーという同じギタリストのファンでありながら、皆それぞれのマイケル像があり、目指すところが違ってるということ。
たとえば「ロック・ボトム」という曲一つとっても、スタジオ版が好きだったり、ライブ版が好きだったりする。
そのスタジオ版であっても、好きなフレーズは人それぞれ違っており、また理想とする音色も違うだろう。
そういったそれぞれのマイケルが一同に結集して演奏する、素晴らしい夜だった。

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大阪、東京間を歩いて旅する人たち

2014年01月25日 | 日常
先日、大阪から東京まで東海道を歩いて踏破した海猿さんという女性の体験記を読んだ。
東海道 歩いて一人旅
これがなかなか面白かったので、他にも探してみると、東京から大阪まで歩いた旅音さんという男性もいて、その記録も読んだ。
東京大阪徒歩の旅
どちらも徒歩旅のリアルな体験談が上手く記されていて、とても読み応えがある。
けっこう長いので、全部読むのは時間がかかるだろう。
まとめてみるとこんな感じだ。

・大阪~東京間の距離は約600キロ。
・女性は28歳、無職、過去に電車、クルマ、バイク、自転車で東京へ行ったことがある
・スポーツと縁のない生活で、逆立ちしただけで次の日全身筋肉痛になる。
・男性はアラフォー世代で、趣味は近所の散歩と音楽。
(以下、二人の共通点)
・二人はアスリートでも、登山家でも、体力自慢でもない、普通の人であること。
・毎日休まず歩いて、16日間で目的地にたどりついたこと(一日平均37.5キロ)。
・1日目で足の痛みが発生し、それは日を追うごとに激痛にかわっていったこと。
・毎日湿布薬やエアサロンパス、ワセリンなどで足のケアをしていたこと。
・目的地につくころには、見も心も疲れ果てて、ボロ雑巾のようになってしまったこと。
・終わったときは感動よりも、苦痛から開放される喜びのほうが大きかったこと。
・帰りは新幹線で帰ったこと。
・その後、体力が回復するのに、数週間から1ヶ月かかったこと。
・これを読んで「オレもやってみようかな」という人がいたら、絶対にオススメはしませんとのこと。


ちなみに江戸時代の人も、だいたい16日くらいで歩いたらしい。
ただ、大きく違うのは、現代人の二人は苦行のような辛さで歩いているのに対し、江戸時代の人はわりと普通に歩いていて、旅を楽しんでいる点だ。
もちろん、湿布もエアサロンパスもない。
そして当たり前だけど、昔の人は帰りも徒歩なので、合計すると倍の距離を歩いていたことになる。
いくら昔の人は体力があったといっても、これは恐るべきタフさだ。

もっといえば、江戸時代初期の「大阪の陣」では、江戸から大阪まで駆けるように大軍が移動し、大阪で戦争して、帰りも歩いて江戸まで帰ってる事実。
これはもう、超人レベルといっていい。
現代人だったら、大阪にたどり着いた時点でフラフラになり、とても命がけの激しい戦いなどムリだ。
なかには「オレ、ふとももを鉄砲で撃たれちゃってさ、歩くのしんどいんだよね」とか「オイラなんて、腰を槍で突かれちまってよ、痛くてたまんねーよ」とかいいながら歩いて帰った人もいるだろう。

現代人でも、生まれたときから野性的な生活を続けていたら、江戸時代人のようにタフになれるのだろうか?

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シン・リジィ「アリバイ」

2014年01月19日 | 音楽
ギター名曲シリーズ
第3弾はアイルランドの英雄、シン・リジィから「アリバイ」だ。

アーティスト:シン・リジィ
ギタリスト:スコット・ゴーハム、ゲイリー・ムーア
アルバム:ブラックローズ
発表:1979年



シン・リジィには名曲が多いが、数ある代表曲の中から彼ららしさでいえば「アリバイ」は必ず候補にあがると思う。
ツインギターによるハーモニー、フィル・ライノットの字余りの歌詞、つぶやくような歌メロ、縦ノリなAメロに対し、キャッチーでポップなサビなど、シン・リジィ以外の何者でもない個性が光る。

まずイントロだ。
フィルのはねるようなベースのあと、いきなりツインギターのハーモニーが始まる。
主旋律を弾くゲイリー・ムーアに対し、低音部を弾くスコット・ゴーハムだが、ここは5度のハーモニーだ。
ここをわかりやすく書いてみよう。
主旋律「ドシラ~、ラーララシラーソ~」に対し、「ミレド~、ドードドレドーラ~」と弾く。
もしこれを一般的な3度ハーモニー「ソファミ~、ミーミミファミーレ~」と弾くとどうなるか?
「ファ」の部分でマイナー感が出てしまい、なんとなく女々しく聴こえるようになる。
ここはあえて5度のハーモニーにすることでドライな雰囲気を演出しているのだ。

中間部のギターソロはスコット、そのあと重なってくるトリルのハーモニーだが、最初はユニゾン(同音)、後半からゲイリーが3度上を弾いている。
サビに戻ってからだが、サビの後半部はコーラスの部分をツインギターで弾く、ここはオクターブユニゾン。
エンディングソロは、3度のハーモニーで曲を盛り上げる。
この辺の感覚はいかにもシン・リジィな感じで、フィルのベースラインもカッコイイ。
最後イントロに戻るが、いきなり空気が変わったように感じるのは、ハーモニーが5度になるからだ。

世にツインリードギターのバンドは数多いが、単にリードギタリストが2人いるだけのところも多い。
シン・リジィの場合、個々のギターソロよりもツインハーモニーのほうが目立つように曲が作られ、一番のポイントになるようになっている。
そのハーモニー一つとっても、この「アリバイ」のように様々な工夫が凝らされ、唯一無二の個性を出しているのだ。

THIN LIZZY-Waiting for an alibi

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居酒屋甲子園

2014年01月18日 | 日常
先週「ブラック企業」というエントリーを書いたが、タイミングよくNHKでその手の報道番組があった。
それは「クローズアップ現代」という番組で「あふれる“ポエム”?!~不透明な社会を覆うやさしいコトバ~」というものだ。
番組放送終了後、まだそんなに日は経っていないのに、ネットではいろいろな意見が飛び交っている。

残念ながら僕はこの番組を見ていないのだが、ネット内の反響、NHKのHP、youtube動画などから推測した内容はこうだ。

愛、希望、勇気、絆、仲間、笑顔、このような優しくポジティブな言葉の多用が、若い世代を中心に広まっている。
これを「ポエム化」といい、その例として日本一の居酒屋を決める「居酒屋甲子園」の様子を取材した。
そこではポジティブな言葉を大声で、まるでミュージカルのように叫ぶ若者の姿が紹介された。
彼らの一日の労働時間は長いときで16時間になるものの、年収は250万円程度だという。
しかし、本人は現状に満足し、その生き方を楽しんでいる。
これはもしかすると、厳しい労働条件を覆い隠すため、経営者が従業員をマインドコントロールしたのではないのか?
あるいは、厳しい現実を肯定するため、「そう思わないとやっていけない」のかもしれない。
「やりがい」に重きを置くのではなく、摂取されないよう労働者としての自覚を持つべきではないのか?

ネットの反響をまとめてみた。

・居酒屋甲子園は、まるで新興宗教みたいで気持ち悪い
・カルトの集会みたい
・今の若者はこんな安い洗脳に引っかかって安月給でこき使われてるのか
・客観的にみて、全く幸せと思えない

というような、ポエム化にNOという意見が圧倒的でありながら、

・とにかく感動した
・本気で頑張っている人たちを見ていると涙が出てくる
・自分もその居酒屋で働きたい

というポエム化に同調する人もいた。

ここから僕の意見。

この手のポエム化についていつも思うのは、自分の取り扱っている商品(居酒屋であれば、料理や酒)についての熱い言葉が全くないことだ。
例えば、日本一の居酒屋を決めるという「居酒屋甲子園」にしても、料理の内容や酒の薀蓄、接客について評価するのではなく、店員が語る夢、希望、絆などのスピーチが判断材料になっている。
また、僕がよく読んでいるポエム化している社長(自動車販売業)のブログも、やりがい、笑顔、夢、成長、のことばかりで、肝心のクルマの話はほとんどない。
これは商品の脆弱さを精神論で補っているようにしか見えない。
客は店員の夢なんてどうでもよく、その店が魅力ある商品を扱っているかのほうが大事だ。
しかし、店の売り上げが悪かったりすると、上部から「本気じゃない」「努力が足りない」と叱咤されるのだろう。

労働時間のわりに安い報酬についてはどうだろうか?
もし、その居酒屋の社長が、年収1千万円以上とっているのであれば、もっと従業員の給料、残業代に還元すべきだ。
しかし、個人の居酒屋などで、オーナー自体が年収200万とか300万なら、仕方がない。
経営のやり方を見直すなどしたほうがいいだろう。
「そんなもんとっくに考えてるわい!」
と言われそうだし、簡単なことではないのだが。
飲食業界全般にいえることだが、儲かりにくい仕組みになってしまってるのではないだろうか。



居酒屋甲子園を主催している「居酒屋てっぺん」の朝礼風景
実に熱い。
これを毎日やってるらしい。
僕なら一日でやめてしまう熱さだ。

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ブラック企業

2014年01月12日 | 日常
少し前からブラック企業と呼ばれる会社が問題になっている。

おそらくブラック企業と呼ばれる会社は2種類あって、一つは本当に悪質で危険なところ。
経営者は違法を承知で運営しており、社員は使い捨て、こき使うだけこき使って死者が出ても知らん顔な悪質企業だ。
もう一つは、本来はブラックではないかもしれないが、いろいろな要因が重なり、結果としてブラックな会社になっているところだ。
世間でブラックだと話題になっている大手企業などは後者だろう。
その会社に勤めている人で、そこの風土や空気が合う人なら、ブラックだと思っていないと思う。

ブラック企業ランキングの上位にある会社の人はこのようなことを言っている。
「本気で仕事に取り組む人、世の人々に幸せを届けることに本気な人にとって、ここほど働きやすい会社はない。しかし、結果を出せない人は本気度が足りないから厳しくせざるをえない」
またある会社の社長のブログにはこう書いてある。
「仕事で自分を成長させようとする人、仕事を通じて本物の感動を得たい人にとって、ものすごく働き甲斐のある職場にしたい。逆にいえば、そう思わない人にとっては、ものすごく居心地の悪い職場にしてやる」
もっとすごいところだと、こうも言っている。
「目標を達成する、難問をクリアする、その先には感動が待っている。うちの会社では感動をただで得られるどころか、給料までもらえる。」

なかなか厳しい意見だと思う。
会社の業績を上げるためなら喜んで仕事をします、徹夜もします、休日も返上します、世のため人のため、感動を得るためならお金はいりません。
大変ご立派なことだ。
それを望んで、業績をあげ、競争に勝ってきた人は、充実した人生だと思うし、感動も得られるだろう。
しかし、皆が皆そうなれるわけではない。
社内の競争に負ける人、あるいは自分がいくら頑張っても会社そのものが倒産することもある。

今現在日本の発展があるのは、人生を仕事に捧げ、身を粉にして働いてきた人たちのおかげだろう。
だが、昔と今は状況が違う。
多くの業種にとってシェアの奪い合いとなった現状では、どこかの会社が伸びれば、どこかの会社が落ちるのだ。

脱社畜ブログ」というのをご存知だろうか?
ここに書かれているのは極論であり、これを実践して生きていけるほど甘くはないと思う。
ただ、仕事に疲れた、と感じてる人にとっては、ちょっとしたガス抜きになるかもしれない。

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