ビートルズのファーストアルバム「ブリーズブリーズミー」が発売されてちょうど60年だという。
ちなみに僕がこのアルバムを買って41年になり、おそらく「最もよく聴いたアルバム」の上位10位内に入ると思う。
そんなこともあって、今週はこのアルバムを3周聴いた。
このアルバムは先にシングルになった4曲を除き、あとの10曲はスタジオライブである。
よく言われるのは、まだまだ売れるかどうかわからない新人バンドにスタジオを長期間貸すわけにはいかないから、という理由だが、ライブの勢いをそのまま封じ込めたいから、という理由もあったらしい。
当時のビートルズがよくライブを行っていたキャバーンクラブでライブ録音する話もあったようだが、録音環境的によろしくないとの理由で却下されている。
アルバム構成は、オリジナルが8曲とカバーが6曲だ。
まず、ファーストシングル「ラブミードゥー」とB面「PSアイラブユー」、セカンドシングル「プリーズブリーズミー」とB面「アスクミーホワイ」。
この4曲は事前にレコーディングされているが、先の「ラブミードゥー」「PSアイラブユー」のドラムはリンゴではなくセッションドラマーのアンディ・ホワイトである。
この辺は少しややこしく、ちょうどドラマーがピートからリンゴに変わるドタバタの中ということもあり、ピート版、リンゴ版の「ラブミードゥー」も存在する。
セカンドシングル「プリーズブリーズミー」についても、ドラマーはアンディ説があるが、クレジットはリンゴになっている。
真相は今のところ不明。
B面「アスクミーホワイ」についても、ピート版が存在したらしいが、アルバムに収められているのはリンゴ版である。
これらのシングル曲は、いわゆるロックンロールではなく、黒人ガールズグループの影響が強い。
とくに「プリーズブリーズミー」はすでにビートルズサウンドになっていて、目論見通り大ヒットとなった。
また、第一弾シングルは両面共にポールのボーカルであるのに対し、セカンドシングルは両面ジョンのボーカルとなっていて、早くもリードシンガー2人体制であることをフューチャーしている。
その他のオリジナルだが、とくに印象深いのはアルバム1曲目の「アイソーハースタンディングゼア」だ。
こちらはアップテンポのロックンロールでありながら、当時のスタンダードな12小説ブルース進行ではなく、そして誰にも似ていないオリジナリティもある。
デビューアルバムの冒頭で、いきなりこの完成度の高さはヤバいほど衝撃的だったことだろう。
「ミズリー」「ドゥユーウォントトゥノーアシークレット」ゼアズアプレイス」は短いながらもキラリと光る曲で、キャッチーなメロディ、秀逸なコーラスワークなど聞きどころは多い。
次にカバー曲である。
アーサー・アレキサンダー1曲
シュレルズ2曲
クッキーズ1曲
レニー・ウェルチ1曲
アイズレーブラザーズ1曲
全て黒人アーティストである。
これはビートルズに限らず、当時のイギリスのロックンロールバンドに共通することで、人種の壁を超えて「良いものは良い」との判断だ。
この辺は、当時のアメリカより進んでいたと思われる。
これらの曲はビートルズのライブの定番で、演奏しなれてる曲だったと言われるが、本当なのだろうか。
デッカオーディションやスタークラブのライブ、BBCライブなどを聴くと、彼らが本当に得意としてたのは、チャックベリーやリトルリチャードなどのロックンロールナンバーのような気がするが。
おそらく、選曲はブライアン・エプスタインで、彼らのレパートリーの幅広さや、無限の可能性を匂わせる戦略のような気がする。
どれも原曲のアレンジを基本としながら、ギターバンドとしてのスタイルに変えられている。
この時点ですでに、ジョンは自分のスタイルを確立していて、とくに「アンナ」でのボーカルは貫禄さえ感じさせる出来栄えだ。
そして「ツイストアンドシャウト」で見せるロックンロールなシャウトで、幅の広さを見せている。
原曲のメロディラインをなぞりながらも、ところどころで自分の節回しが入り、完全にモノにしているのがわかる。
対してポールはまだ自分のボーカルスタイルが出来ておらず、それはジョージも同様であるものの、コーラスワークはすでに完成している。
彼らはメジャーデビューをするにあたり、とくにボーカルレッスンも受けていないと思うが、この完成度の高さはプロとしてのレベルに達しているのがわかる。
アルバム全体に共通する緊張感あふれる空気は、ライブレコーディングゆえのものだろう。
セカンドアルバム以降はスタジオで作り込まれたサウンドになり、完成度は高いものの、この空気感は損なわれてしまった。
なので、この張り詰めた空気感、田舎から出てきた4人の若者の夢と希望がいっぱい詰まった1963年2月の空気がそのまま封じ込められたサウンドこそが、このアルバムの魅力なのだ。
ちなみに僕がこのアルバムを買って41年になり、おそらく「最もよく聴いたアルバム」の上位10位内に入ると思う。
そんなこともあって、今週はこのアルバムを3周聴いた。
このアルバムは先にシングルになった4曲を除き、あとの10曲はスタジオライブである。
よく言われるのは、まだまだ売れるかどうかわからない新人バンドにスタジオを長期間貸すわけにはいかないから、という理由だが、ライブの勢いをそのまま封じ込めたいから、という理由もあったらしい。
当時のビートルズがよくライブを行っていたキャバーンクラブでライブ録音する話もあったようだが、録音環境的によろしくないとの理由で却下されている。
アルバム構成は、オリジナルが8曲とカバーが6曲だ。
まず、ファーストシングル「ラブミードゥー」とB面「PSアイラブユー」、セカンドシングル「プリーズブリーズミー」とB面「アスクミーホワイ」。
この4曲は事前にレコーディングされているが、先の「ラブミードゥー」「PSアイラブユー」のドラムはリンゴではなくセッションドラマーのアンディ・ホワイトである。
この辺は少しややこしく、ちょうどドラマーがピートからリンゴに変わるドタバタの中ということもあり、ピート版、リンゴ版の「ラブミードゥー」も存在する。
セカンドシングル「プリーズブリーズミー」についても、ドラマーはアンディ説があるが、クレジットはリンゴになっている。
真相は今のところ不明。
B面「アスクミーホワイ」についても、ピート版が存在したらしいが、アルバムに収められているのはリンゴ版である。
これらのシングル曲は、いわゆるロックンロールではなく、黒人ガールズグループの影響が強い。
とくに「プリーズブリーズミー」はすでにビートルズサウンドになっていて、目論見通り大ヒットとなった。
また、第一弾シングルは両面共にポールのボーカルであるのに対し、セカンドシングルは両面ジョンのボーカルとなっていて、早くもリードシンガー2人体制であることをフューチャーしている。
その他のオリジナルだが、とくに印象深いのはアルバム1曲目の「アイソーハースタンディングゼア」だ。
こちらはアップテンポのロックンロールでありながら、当時のスタンダードな12小説ブルース進行ではなく、そして誰にも似ていないオリジナリティもある。
デビューアルバムの冒頭で、いきなりこの完成度の高さはヤバいほど衝撃的だったことだろう。
「ミズリー」「ドゥユーウォントトゥノーアシークレット」ゼアズアプレイス」は短いながらもキラリと光る曲で、キャッチーなメロディ、秀逸なコーラスワークなど聞きどころは多い。
次にカバー曲である。
アーサー・アレキサンダー1曲
シュレルズ2曲
クッキーズ1曲
レニー・ウェルチ1曲
アイズレーブラザーズ1曲
全て黒人アーティストである。
これはビートルズに限らず、当時のイギリスのロックンロールバンドに共通することで、人種の壁を超えて「良いものは良い」との判断だ。
この辺は、当時のアメリカより進んでいたと思われる。
これらの曲はビートルズのライブの定番で、演奏しなれてる曲だったと言われるが、本当なのだろうか。
デッカオーディションやスタークラブのライブ、BBCライブなどを聴くと、彼らが本当に得意としてたのは、チャックベリーやリトルリチャードなどのロックンロールナンバーのような気がするが。
おそらく、選曲はブライアン・エプスタインで、彼らのレパートリーの幅広さや、無限の可能性を匂わせる戦略のような気がする。
どれも原曲のアレンジを基本としながら、ギターバンドとしてのスタイルに変えられている。
この時点ですでに、ジョンは自分のスタイルを確立していて、とくに「アンナ」でのボーカルは貫禄さえ感じさせる出来栄えだ。
そして「ツイストアンドシャウト」で見せるロックンロールなシャウトで、幅の広さを見せている。
原曲のメロディラインをなぞりながらも、ところどころで自分の節回しが入り、完全にモノにしているのがわかる。
対してポールはまだ自分のボーカルスタイルが出来ておらず、それはジョージも同様であるものの、コーラスワークはすでに完成している。
彼らはメジャーデビューをするにあたり、とくにボーカルレッスンも受けていないと思うが、この完成度の高さはプロとしてのレベルに達しているのがわかる。
アルバム全体に共通する緊張感あふれる空気は、ライブレコーディングゆえのものだろう。
セカンドアルバム以降はスタジオで作り込まれたサウンドになり、完成度は高いものの、この空気感は損なわれてしまった。
なので、この張り詰めた空気感、田舎から出てきた4人の若者の夢と希望がいっぱい詰まった1963年2月の空気がそのまま封じ込められたサウンドこそが、このアルバムの魅力なのだ。