Music Mania

No Music No Life

Uボート

2021年04月25日 | 日常


昨日のニュースによると、インドネシア海軍の潜水艦が沈没して、水圧に艦ごと押し潰されて乗組員全員死亡したという。
潜水艦というのは、海洋調査用の潜水艇と違い、どこまでも深く潜れるわけではないのだ。
艦のなかで水圧に襲われる恐怖というのはいかがなものだろうか。

というのも、ちょうど昨日GYAOの映画配信で、1981年のドイツ映画「Uボート(ディレクターズカット版)」を見たのである。
名作の誉高い作品で見た方も多いと思うけど、僕は初めて見た。
3時間以上に及ぶ長編だけど、まったく退屈させない緊迫感と恐怖にあふれる映画だった。

いわゆる戦争映画なのだが、陸戦や軍艦による海戦と違い、潜水艦の戦いというのはかなり独特で、映画のほとんどは潜水艦内でのドラマである。
狭い艦内に50人近い人間が乗り込み、数ヶ月そこで生活をする。
個人のスペースなどなく、極小のベットも交代勤務で共用、トイレは一つ、シャワー無し、あちこちにパンやソーセージが置かれ、何日も経つと艦内は悪臭が漂うようになる。
映画の前半で、いかに艦内は劣悪な艦橋であるかが、とてもリアルに描かれるのだ。

後半、敵の攻撃に耐えられなくなり、ついに潜水艦は制御不能になって海底に沈んでしまう。
幸い艦の限界ギリギリの深度ではあるものの、あちこちから浸水があり、今にも水圧に押しつぶされそうになりながら、懸命に修理をせねばならなくなる。
水圧にボディが軋み不気味な音が響き渡る。
この緊張感、この恐怖、まるで自分も潜水艦内にいるかのようである。
そして薄くなっていく酸素、見てるこちらまで息苦しくなってくる。

この映画を撮っている間、役者たちはヒゲ剃り禁止、太陽の光を浴びるのも禁止だったという。
特殊メイクなしで、リアルに疲労困憊の顔となる。

ラストシーンは衝撃というより、戦争というのはこういうものだ、というある種の現実感があり、ため息が出る結末となる。
40年も前の映画だけど、安っぽさ、作り物っぽさはなく、ストーリーもよく出来ている。
映像も音響も秀逸な出来で傑作映画の評価通りだと思った。

ソウルステーション

2021年04月24日 | KISS
ポール・スタンレーのソロプロジェクト「ポール・スタンレーズ・ソウル・ステーション」のファーストアルバム『ナウ・アンド・ゼン」が発売となった。
以前からこういう活動をしているというのは知ってたので、アルバムが発表されるのを待っていたのだけど、なかなか期待通りの作品だと思う。
内容は古き良きソウル、R&Bのカバーと、オリジナル曲で、そこにキッスの面影はない。
今までのポールのソロは、キッス的価値観におけるハードロック作品だったので、今回のようなキッス的価値観から大きく外れるどころか、ロックですらないという内容は、戸惑う人も多いだろう。

数年前から喉の調子がイマイチ良くないポールだけど、ここでは無理なく歌える曲ばかりで、とてものびのび歌ってるように聴こえる。
無理矢理ハイトーンを絞り出すのではなく、今のポールにとても似合ってる。
もしこれが従来通りのハードロック作品でこういう歌い方だと、いかにも衰えた感が出てしまうけど、今回は新境地を開いたかの如く新鮮味あふれる内容で、逆に若さすら感じる。

このアルバムは題名のとおりNow、つまり現在の自分のオリジナル曲と、Thenにあたるスタンダードナンバーからの内容になっている。
このNowな新曲がThenの曲と違和感なく馴染んでいて、50年近くハードなロックを作り歌ってきた男とは思えない幅の広さを感じる。

Paul Stanley's Soul Station - I, Oh I


Thenで取り上げられている曲では、テンプテーションズの「Just My Imaginetion」に注目してみよう。
この曲はローリング・ストーンズのカバーが有名だけど、そちらはストーンズ流のエロいロックナンバーに生まれ変わっている。
それに対して、ポール版はほぼ原曲のイメージのままカバーされていて、このプロジェクトのコンセプトがよくわかる。

PAUL STANLEY SOUL STATION JustMyImagination


The Rolling Stones - Just My Imagination - Detroit 2015


九月、東京の路上で

2021年04月17日 | 読書


「九月、東京の路上で」という本を読んだ。
サブタイトルは「1923年関東大震災 ジェノサイドの残響」。

関東大震災の混乱の中、朝鮮人の虐殺があったことはよく知られている。
その実態についてドキュメントタッチで当時の資料の紹介や当事者の証言や解説が載っている。

大地震の混乱のなか、様々なデマが飛び交う。
富士山が噴火しただの、伊豆大島が沈没しただの、横須賀が海に沈んだだの、荒唐無稽な情報が人々の間どころか、新聞にまで取り上げられる。
そんななか、朝鮮人が井戸に毒を入れた、武装決起した、日本の軍隊と戦闘が始まったといった、朝鮮人関係のデマもあちこちに発生したという。
これは実際に軍も出動し、警察からの連絡もあったようなので、本当に朝鮮人の暴動や軍隊との戦闘が始まったと信じてもおかしくないだろう。
避難民はそれぞれ自警団を結成し、朝鮮人から家族や仲間を守るため武装した。

と、ここまではいい。

やがて、暴動などないことがわかると軍隊は引き上げた。
しかし、武装した自警団は朝鮮人を発見すると次々に暴行を加え、数多くの人が殺された。
中には朝鮮人と間違われた中国人や日本人もいて、いくら違うといっても暴力が止むことはなかったらしい。
もちろん暴行する人ばかりではなく、朝鮮人を守ったりかくまったりする日本人も多数いた。

デマに流されて暴行する人と、そういう人から守る人。
この違いは何かというと、人をカテゴリーで判断する人と、人間個人として判断する人の違いである。
それは普段の行動からもわかる。
朝鮮人を守った日本人は、日頃から朝鮮人と同じ職場で働いてる人だったり、近所付き合いしてる人だったという。
差別することなく、同じ人間として、その人個人がいい人かどうかで判断する。
それに対して、得体の知れない外国人として、日頃から差別したりいっさい関わりを持たない人は、大地震という情緒不安定な中、デマに流されるのだ。

これは大正時代だけでなく、今現在でも同じである。
国籍で人を判断するような人は要注意である。

僕が思うのは、この現象は日本人特有のものではなく、おそらく人類共通のものだろうということ。
なので、朝鮮半島で大地震があり、そこに住んでる日本人に対してデマが流れた場合、ジェノサイドが発生した可能性は十分あると思う。
大事なのは「虐殺はなかった」などの歴史修正するのではなく、しっかり史実に向き合わなければならないのだ。

クラシックカー・ディーラーズ

2021年04月10日 | クルマ
マツダ・アクセラの半年点検を受けてきた。
納車から11年半、走行距離は26万キロだ。
今回もオイル交換だけで、どこにも異常は見られなかった。
燃費は新車時から変わらず、今も15キロ/Lくらいで、エンジンも絶好調である。
ただし、最近は運転席のシートがヘタってきた気がする。

今日は最近お気に入りのYouTubeから、「クラシックカー・ディーラーズ」という番組を紹介しよう。(原題はWheeler Dealers)
イギリスのカーマニア向け番組で、マイクという男が気になるクルマをネットで探して、実際にオーナーに会って話を聞き購入する。
それを整備士のエド、またはアントがレストアして見た目も性能も完璧に仕上げる。
そして、出来上がったクルマを欲しい人に売るのだ。
登場するクルマは、いわゆるクラシックカー的な古いクルマばかりではなく、比較的新しめのクルマも多い。
そして、時々日本車も登場する。

マイクは僕と同世代の五十男で、十代の頃は部屋に好きなロックバンド(キンクスとかザ・フーとか)のポスターを貼るようなロック少年だったらしい。
そして、同世代らしくスポーツカーが大好きなのだ。
そして、整備士のエドやアントの仕事っぷりが素晴らしい。
無駄がなくスムーズで、豊富な知識と正確な組み付けをらくらくこなす。
もちろん、実際の整備の仕事というのはかなりキツいと言われるし、こんなに何もかも上手くいくこともないかもしれないが、そこは番組制作のセンスである。
スマートにサクッとやっているように見える。

今回貼り付けた動画はメルセデスのエステートワゴンだ。
このクルマ、30万キロ以上走行しているという、ある意味メルセデスらしい使い方をされていて、さすが向こうのカーライフは違うなと感じる。
それをきちんと整備して、さらに30万キロ以上走らせるようなことを言ってる。
日本じゃ考えられない。
そう思うと、僕のアクセラもまだ過走行のうちには入らないんじゃないかと思ってしまうのだった。

1985年式メルセデス・ベンツ300TD | 名車再生!クラシックカー・ディーラーズ シーズン15

ディスカバークイーン

2021年04月10日 | 音楽


ディスカバービートルズが終了して、今週からちょっと寂しいなと思ってたら、同じ曜日同じ時間に、今度はディスカバークイーンという新たな番組がスタートした。
ディスカバービートルズと同じく1年間にわたってクイーンの楽曲を流し、その魅力を紐解いていくというものだ。
僕の場合、ラジオをリアルで聴くのではなく、前回と同じくネット配信でのリスニングになる。

さて、このディスカバークイーン、案内役はサンプラザ中野くん。
今後どういう感じで番組が進行していくのかわからないけど、とりあえず今回オンエアされた曲は、70年代のクイーンのシングル曲だった。

・ナウアイムヒアー
・キラークイーン
・ボヘミアンラプソディー
・手を取り合って
・伝説のチャンピオン
・バイシクルレース
・永遠の翼

前回のビートルズのときは毎週オンエアされた内容や感想をここに書いていたけど、今回は毎週書くのはやめとこうかと思ってる。
聴くのは毎週聴くので、月一くらいで何か書ければいいかなと。
とにかく、ビートルズと違ってクイーンは知らないことだらけなので、今後が楽しみだ。