Music Mania

No Music No Life

駄作名盤その3

2020年03月28日 | 音楽
エマーソン・レイク・アンド・パーマー(以下ELP)の駄作名盤というと「ラブ・ビーチ」だろう。
僕はこのアルバムほどメディアからもファンからも酷評されてきたアルバムを知らない。
あまりにも酷評されすぎて、駄作以外の評価が言えない空気が続いてきたわけだけど、ようやくそれも変わってきたように思う。
このアルバムが酷評されたのは、全体的に軽いノリであること、エマーソン色が薄くレイク色が濃いこと、旧A面がポップであること、旧B面の組曲に緊張感がないこと、シンセの音がショボいこと、ジャケットのセンスが悪いこと、ラブビーチという題名がB級アイドルみたいなことなどだろう。
タルカスや悪の教典みたいなのを期待してた人からすると、手抜きみたいな印象を与えたに違いない。
ただし、楽曲の質は高い。
レイクの歌メロが素晴らしく、また声質もよく、彼らしい美声が聴ける最後のアルバムだと思う。
僕は元々ELPはレイク派なので、このアルバムは最初から好きだった。
酷評される理由はわかるけれど、そこまで酷いか?と。
ただし酷評されるだけマシなのかもしれない。
再結成後のアルバムなんて酷評すらされないのだから。

ディープパープルの駄作名盤というと、やはり「カム・テイスト・ザ・バンド」だろう。
カリスマギタリストのリッチー・ブラックモアがいないこと、音楽性がファンク、ソウル色の濃い内容になったこと、その後の来日で、新ギタリストのトミー・ボーリンがクスリのやりすぎでボロボロだったことなどにより、低評価になってしまった。
このアルバムについては、それまでのパープルファンからの評価は低いものの、こういう音楽が好きな人にはウケが良かったという。
実際トラピーズや初期ホワイトスネイクに通じるものがあり、決して出来が悪いわけではない。
僕は元々第2期、第3期のパープルはそれほど好みじゃないこともあり、それよりも第4期唯一のアルバムである「カム・テイスト・ザ・バンド」は好きなアルバムである。
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駄作名盤その2

2020年03月22日 | 音楽
イエスの駄作名盤というと、僕は「ドラマ」をあげたい。
イエスの顔ともいうべきボーカル、ジョン・アンダーソンが不在で、カリスマキーボーディストのリック・ウェイクマンもいない。
かわりに入ってるのは、パッと出のヒットコンビであるバグルスのトレバー・ホーンとジェフリー・ダウンズである。
ブリティッシュプログレを代表するバンドのメインとなるメンバーにしては、あまりにも軽すぎる人選だ。
おかげでこのアルバムは酷評されたらしい。
とくにこのアルバムのツアーは散々なもので、ステージにモノが飛んでくる始末、結局解散を余儀なくされる。
このアルバムが再評価されるのは、80年代になりエイジアが世界的な大ヒット記録してからだ。
エイジアからプログレの世界に入ったという人は案外多い。
僕もその口だけど、この世代はジェフリー・ダウンズのキーボードに抵抗がない。
エイジア以前、第ゼロ期エイジアともいえる「ドラマ」は優れたロックアルバムとしてすぐに受け入れることが出来たのだ。
イエスの伝統と後のエイジアに通じるセンスが上手くミックスされていて、とてもいい作品だと思う。
これは、メンバー自身もそう感じていて、再びジェフリーがイエスに加入したとき、「ドラマ」からの楽曲がセトリ入りし、ついにはドラマ再現ツアーまで行われている。

ブラック・サバスの駄作名盤というと、これはみのミュージックも言ってるけど『テクニカル・エクスタシー」だろう。
初期4枚は不動の名盤確定で問題ないし、5枚目、6枚目もなかなかの好アルバムとしてファンも多い。
8枚目「ネバー・セイ・ダイ」は一般的には駄作とされる。
そして、その間に位置する「テクニカル・エクスタシー」は、「ネバー〜」に繋がる危うさと、それまでの良質なアルバム作りの狭間にあり、すごく微妙に駄作の臭いがするけれどいい曲が詰まってるアルバムとなっている。
この時期、バンド内はオジーが薬物やアルコールでボロボロになっていて、活動が続けられるかどうかもあやしかったという。
そういう不安定さが、アルバムの随所に見られる。
ただ、今の目でこのアルバムを聴いてみると、楽曲の良さが際立っていると思う。
ビル・ワードが歌う「イッツ・オーライ」なんて、サバスらしさは皆無だけど名曲だと思う。
オカルトチックな「シーズ・ゴーン」やリユニオン以降もライブで演奏された「きたない女」あたりはサバスらしさやオジーの味が出ている。
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駄作名盤

2020年03月21日 | 音楽
駄作名盤という微妙な位置づけのアルバムがある。
世間的には駄作とされてるけど、よく聴くとけっこういい曲が多くて、好きな人も多いようなアルバムのことだ。
中には、駄作とされてたアルバムがいつのまにか名盤扱いになってることもある。
その際たるものが、ビートルズのホワイトアルバムだと思う。
僕がビートルズを聴き始めた80年代はじめ頃、ホワイトアルバムは駄作とされていた。
当時は、アルバムを通して一本筋の通ったコンセプトがあるものが良いアルバムという空気があり、その最高傑作がサージェントペパーだった。
そのサージェントペパーと比較して、ホワイトアルバムは一貫性がなく、バラバラの寄せ集めみたいで、ムダに曲が多く、捨て曲みたいなのも入ってるしで、評価は芳しくなかった。
それが今では、あらゆる可能性が詰まってるとか、現代のポピュラーミュージックの全てがここにあるとか言われて、すっかり名盤の座に登り詰めたように思う。

キッスの駄作名盤といえば、僕は「仮面の正体(Unmasked)」だと思う。
「エルダー」や「カーニバル」は問題作であって、駄作名盤とはちょっと違う気がする。
大きな成功を手にし、ライブアルバム、ベストアルバム、それぞれのソロアルバムの後、次にいくべき道を模索してたキッスだが、結局当時の流行りであるディスコやAORの要素を取り入れることにした。
そして「地獄からの脱出(Dynasty)」は大ヒットした。
しかし、同じ路線を突き進んだ「仮面の正体」はセールス的に大失敗とまではいかないものの、成功ではなかったようだ。
そして、売れ線狙いすぎるなどの誹りを受けることになる。
それと、それまでのアルバムには必ずあったピーターボーカル曲がないのも痛い。
というか、実際にはピーターはアルバム制作に一切関わっていないのに、ピーターがいることになってるというのもマイナスだ。
というわけでこのアルバムは、キッスの進むべき道から外れた駄作という位置づけに収まることになった。
しかし、インターネットの時代になると、実は「仮面の正体」好きなんだよという人がたくさん出てくる。
それに、アメリカや日本では不評だったものの、オーストラリア辺りでは大ヒットしてたという事実もわかってくる。
各曲の質は高く、とくにポールとエースの活躍が目覚ましい。
僕の感覚では、前作よりもキッスらしさが戻っているように感じる。
元々キッスはポップなロックンロールが得意だし、過去にはベスやハードラックウーマンみたいな曲もある。
キッスという器内に収まる曲ばかりではないだろうか。
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コロナ

2020年03月15日 | 日常
1987年頃の話である。
バンドのボーカルT氏のクルマは「コロナ」だった。
当時このクルマは人気車種で、街中では新旧合わせるとかなりコロナが蔓延していたのだ。
僕らはコロナに乗ってあちこちに行った。
当時のセダンというのは、今のミニバンほど広くはなく、閉鎖された空間で濃厚接触しながらドライブしていた。
N市に新しく出来たライブハウスにも行ったことがある。
そのせいかどうかは知らないが、僕の父親まで感染してコロナを買ったのだった。
コロナ恐るべし。

このコロナ蔓延が終息したのは、2001年頃だ。
後継車種はプレミオというクルマである。

ちなみにボーカルT氏のコロナはFR(後輪駆動)で、とても太いタイヤを履かせてあった。
おまけに車高も下げていたのだろう、5人乗るとタイヤがボディに擦っていた。
道路の段差があるたびにザザッ、ザザザッと不快なノイズが出てたけど、とくに気にもしてなかった。
それよりも問題だったのは、見た目は速そうに見えるのにエンジンが1800のディーゼルで、恐ろしく非力で信じられないくらい遅かった。
5人も乗ると、冗談ではなく登り坂が走れないくらいパワーがなく、マニュアルミッションを1速に入れなければならないくらいだった。

同じモデルのコロナには、GTTRという日本初のツインカムターボがあり、そっちはスポーツカーみたいな走りだったらしい。
いわゆる「羊の皮をかぶった狼」という位置づけモデルだったけれど、T氏のコロナはまるで「羊の皮をかぶった亀」どころか、山坂道になると「羊の皮をかぶったナメクジ」くらい走らなかった。
よくこんなんで5人乗り乗用車として販売されていたものだと思う。
それも懐かしい昭和の風景ということで。



クレイジーな夜には。。。

2020年03月14日 | 音楽
先週は「カーニバル・オブ・ソウル」についてだったが、今週は「クレイジーナイト」から。
第一印象がよくなかったため、ほとんど聴いてなかったアルバムだけれど、今回はきちんと聴いた。
通しで3回くらい聴いたと思う。
結論から言えば、やはり僕はこれよりもカーニバルの方が好みだ。
だけど、クレイジーナイトにはクレイジーナイトの良さがあることがわかった。

なによりもポールのボーカルが活き活きとしてる。
これがいつものポールで、カーニバルでのポールがある意味別物なんだけど、そっちを繰り返し聴いたあとにこっちを聴くと、やっぱりポールはこうでなきゃって感じる。
それと、ブルースのギターも、これまた活き活きとしてる。
もう弾きまくりである。
速弾きありーの、タッピングありーの、アームありーので、改めてすごいギタリストであることがよくわかる。

ただ、この路線のアルバムなら、僕は「リック・イット・アップ」「アニマライズ」「アサイラム」の方が好きだ。
とくに「リック・イット・アップ」は捨て曲無しの素晴らしいアルバムだと思う。

このノーメイク期のキッスは、ライブがすごい。
ものすごい運動量で、こんなに動いて演奏して歌って、それでも息が切れない。

今日の動画はそんなノーメイクライブから、この1曲。
曲前のエロMCにも注目。

KISS - Animalize Live Uncensored - Love Gun
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