Music Mania

No Music No Life

キッス名古屋公演

2015年02月28日 | 音楽
2月23日、名古屋ガイシホールで行われたキッスの来日公演を見てきたのでレポートしよう。

僕がキッスのライブを見るのは9年ぶり、4回目になる。
全て名古屋のガイシホール(レインボーホール)だ。
不思議なことに、キッスのライブを見るたびに、「今までのキッスで一番いい」と感じてしまうのだが、今回もやはりそう思った。
今、例えば2001年のライブ映像を見ると、今よりも声が出てるし、動きも激しく機敏なのだが、それでも今回のライブ
を見終わったあと、「今までのキッスで一番いい」と感じてしまったのだから仕方がない。

今回はド定番の「Detroit Rock City 」からスタート。
2013年のツアーで好評だった巨大なスパイダーセットで来るかと思ったら、今回は巨大モニターが両サイドはもちろん、
後ろ側、さらに天井までつづくという、ハイテク満載のセットだった。
ただし、火薬の量は少なめ。
並のバンドと比べたら、充分ド派手なのだが、キッスにしてはちょっと地味だったかもしれない。
ポールが歌い出す。
まず喉の調子の良さにガッツポーズ。
ここ数年かなり苦しそうだったけど、ようやく復活したようだ。



間髪をいれずに2曲目「Creatures of the Night」 に移る。
80年代にはオープニングの定番曲だったが、その後長い間演奏されていなかったものの、昨年あたりからセット入りした。
僕の大好きな曲で、今回初めて生で聴くことが出来てよかった。

さらに連続して「Psycho Circus」。
これもしばしオープニングに使われる曲で、3曲連続オープニングといった感じだ。
比較的新しい曲だが、今や70年代、80年代の曲と比べても浮いた感じがしない。
僕がライブで聴くのは2回目だ。

ここで初めてMC。
ポールが「次はファーストアルバムからだ」と言ったのに、演奏されたのはセカンドから「Parasite」。
そんなにしょっちゅうライブで演奏される曲ではないと思うが、僕がこれを聴くのは3回目。
初期の曲にしてはメタリックな雰囲気のある曲で、ライブ映えする。

続いて「War Machine」、ジーンの火吹き曲だ。
この火吹きパフォーマンスの曲は、「Firehouse」のパターンと「War Machine」のパターンがある。
どちらも好きな曲なので、どちらで火を吹いてくれてもいいのだが、やはりエンディングにタイマツを持って現れると
「よっ!待ってました!」という気分になる。

「Do You Love Me」、「Deuce」とキッスクラシックが続き、最新アルバムから「Hell or Hallelujah 」。
こうやって聴くと、キッスの本質は70年代から何も変わっていないことがわかる。
そのときそのときの流行に合わせてブレブレだったような印象もあるが、今じゃそれも全部消化されて、
キッスミュージックという形になっている。

80年代のアルバムから「I Love It Loud 」「Lick It Up」というライブ常連曲のあとは、ジーンの血吐き曲「God of Thunder 」。
これも定番となった天井近くの空中ステージに移動してヘヴィに決める。
そして今回のレア曲、「Hide Your Heart 」。
これは地味でちょっとマニア向けだが、素敵な曲だと思う。
こういう曲は盛り下がってしまう可能性が高いのだが、そこはキッス、覚えやすいサビを会場みんなで合唱させて
テンションを維持する。



「Love Gun 」はお馴染みのサブステージに移動して難なく決めたあと、ラストの「Black Diamond 」。
イントロの途中でさらりと「天国の階段」を弾いたり、「上を向いて歩こう」を歌いかけてやめたりして笑いをとる。
そういえば、どこかの曲の間で「上を向いて歩こう」を会場みんなで合唱したが、ポールも僕らもすっかり歌詞を覚えてし
まったようだ。
ラストはドラムライドがグングンせり上がり、大盛り上がりで一旦終了する。

アンコールの1曲目は「Shout It Out Loud 」。
リユニオン以降のライブでは必ず演奏される曲だ。
こういうメジャーキーのロックンロールはとてもキッスらしい。
続いて、これも必ず演奏される「I Was Made for Lovin' You」。
この曲が発表された当時は、「こんなのキッスじゃない」と言われたようだが、今じゃそんなこという人は一人もいない。
おそらく日本では一番有名なキッスの曲だろう。

そして、ももいろクローバーZとのコラボで話題の「Samurai Son 」。
昨晩、Mステで披露された「夢の浮世に咲いてみな」と違い、こちらはキッスバージョンだ。
ももくろのコーラス「イチ!ニィ!」「サン!シィ!」をジーン、エリック、トミー、そして会場のみんなで歌いあげる。
この楽しさを体験したら、異色のコラボに反対してた人も納得するだろう。

大ラストはもちろん「Rock and Roll All Nite 」。
猛烈な紙吹雪、舞い上がる炎、炸裂するパイロ、せり上がるステージ。
そしてポールのギター叩き壊し。
やはりライブはキッスだ。
キッスはライブ、なのではなく、ライブはキッスだ。

たぶん、あと2回くらいは来日すると思うので、まだの人は是非体験しよう。

Samurai Son Rock and Roll All Night


1,Detroit Rock City
2,Creatures of the Night
3,Psycho Circus
4,Parasite
5,War Machine
6,Do You Love Me
7,Deuce
8.Hell or Hallelujah
9,I Love It Loud
10,Lick It Up
11,God of Thunder
12,Hide Your Heart
13,Love Gun
14,Black Diamond

Encore
15,Shout It Out Loud
16,I Was Made for Lovin' You
17,Samurai Son
18,Rock and Roll All Nite


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肉とタマゴとチーズと私

2015年02月22日 | 食べ物
あれは水曜日だったか木曜日だったか、朝の通勤時間いつものFMラジオを聴いていた。
そこで、人間は一日何回食事をとるのが一番いいか、みたいな話題があり、それについて専門家の人の意見をきくことが
できた。
専門家は2人で、最初の人の意見は当たり障りのない内容だったので、何をしゃべってたのか忘れた。
問題は2人目の人だ。
たしか沖縄の医師だったか教授だったかで、実にインパクトのある内容だったので、あとでネットで調べてみた。

その番組で意見をいってたのは、沖縄県那覇市の「こくらクリニック」渡辺信幸院長という人物だった。

一日の食事は一回、夜に食べるのがいい、という。
しかも、食べるものは、肉、タマゴ、チーズを食べなさい、という。

もう一度言おう。

一日一回、夜に肉、タマゴ、チーズを食べなさい。
これが人間にとって、もっとも健康的で長生きの出来る食事方法なのだ。
それ以外の、例えばご飯とか野菜とか、そういうのは不必要。

スゴイね。
極論だね。

これだけインパクトのある持論をお持ちの先生なので、とうぜん本も出していて、マスコミの取材も受けている。

「野菜中心」をやめなさい ~肉・卵・チーズのMEC食が健康をつくる
日本人だからこそ「ご飯」を食べるな 肉・卵・チーズが健康長寿をつくる
日刊ゲンダイより
肉、卵、チーズで長寿…目からウロコ「沖縄式健康法」とは?

上の日刊ゲンダイの記事によると、元々長寿だった沖縄の平均寿命が下がってきているのは、和食化が浸透してきたから
で、逆に本土の寿命が延びてきたのは、肉、タマゴ、チーズの摂取量が増えてきたからだという。
そして米や野菜、果物に含まれる糖質は肥満や糖尿病の原因に、食物繊維は便秘の原因になるという。

それまでの常識を覆す意見に驚きだ。
朝はしっかり食べましょうとか、野菜中心の食事をしましょうとか、食物繊維は便秘解消にいいとか、それらの真逆を言って
いる。
そして、サラリーマンにはコンビニ食がオススメで、レジ横の唐揚げやフランフルトを食べるのがいいそうだ。

マジか?

実際、この先生はこの食生活を実践していて、夜はチーズを乗せたステーキとか、タマゴとかを食べ、もし昼間に小腹が空い
たのなら、コンビニでチキンとかスティックチーズなんかを買って食べるらしい。

僕は専門家ではないので、この先生の意見が正しいのかそうでないのかはわからない。
でもこれだけは言える。
多くの健康本やダイエット本がはびこる中、この極端な意見は、マーケティング的には正しい。
実際、この本はそれなり売れているようだし、世間の注目を浴びている時点で、先生の勝ちかも。

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あなたに選ぶ1万円選書

2015年02月21日 | 読書
最近ネットで見つけた記事で、興味深いものがあった。

【なぜ?】小さな田舎町の、全国から注文が殺到する本屋さん『いわた書店』

いわた書店という、北海道の小さな本屋さんなのだが、ここの店主がユーザーの好みに合わせて本を選んでくれるという。
その人の職業、経歴、最近読んだ本など、簡単なアンケート結果をもとに、1万円分の本をセレクトしてくれるのだが、現在
予約殺到中で、まだ2月なのに今年の受付は終了らしい。

ここで面白いのが本の選び方だ。

あえてアンケートの答えと同じ系列の本は選ばず、本人は選ばないけど読めば満足してもらえそうな本を選んでいるそうだ。
店主の岩田さんいわく、
「こうくるか、という変化球を投げて読書の幅を広げてほしいんです」

これはいい、すごい、さすがだ。
自分で選ぶと、どうしても目に見えない枠から出られなかったりする。
あえて他人にまかせることで、幅が広がるのだ。

これは決して、他人に流されるとか、我がない、とかではない。
1万円選書を依頼するような人は、すでに好きな作家が何人もいて、それらの作品の大半を読破して、さらに読書の幅を広げ
たい人なのだろう。
いわば読書上級者なんだと思う。
司馬史観者とかハルキストみたいな、特定の作家にだけディープなマニアには向かない。
偏見やこだわりといった色メガネがなく、頭が柔軟で、どんな本でもいいものはいい、と受け入れられる素直さがある人向け
なのだ。

こういうのを音楽の分野でやってみても面白いと思う。
スコーピオンズやジューダス・プリーストが好きな人に、八代亜紀やアルバート・キング(古いブルースマン)をセレクトしたり、
いきものがかりが好きな人にモーツァルトのピアノ協奏曲やチアー・チェン(台湾の歌手)をセレクトしてみたり。
真に音楽が好きな人なら受け入れられるだろう。

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バレンタイン小話

2015年02月14日 | 日常
今日はバレンタインデーだ。

僕は甘いもの好きなので、出来ればチョコレートはたくさんもらえると嬉しい。
しかしここ数年、僕にチョコレートをプレゼントしてくれるのは妻だけである。
そのかわり、妻は一人で何個もチョコをくれる。
毎年、3つか4つ、多いときだと6個くらいもらったこともあった。
どうしてこんなことをしてるかというと、彼女は自分が食べたいからだろう。
形式的には僕がもらうことになるのだが、結局は二人で食べるのだ。
一粒300円とか400円とかの高級チョコレートなんかは、こういう機会でないと食べられない。
濃厚で、透き通った湖に小石をゆっくり沈めたような深い味わい。
コーヒーを飲みながらじっくり賞味したいものだ。

もう20年以上前だが、知り合いでこんなことをいう人がいた。
「自分の虫歯が多いのは、オレがモテすぎるからだ。」
そいつは、自称モテモテで、バレンタインには大量のチョコをもらうから虫歯になるのだという。
僕にはその男がモテてるようには見えなかったし、そんなにたくさんチョコをもらってたようには思えないのだが、自分でそう
いうからには、そうなのだろう。
しかし、自分でそれを言うのはカッコ悪い。
例えば、歯医者なんかでお医者さんが、
「ちょっと虫歯がありますねぇ、さては、バレンタインでチョコを食べすぎたかな?」
なんていうのはいいと思うけど。
ついでに、知り合いの自称モテ男は、自分が女好きであることを「やっぱ、英雄、色を好むっていうしな」とも言ってた。
え、英雄ですか?
それ、自分で言っちゃうんですか?
彼は現在も独身だ。
今年も大量のチョコをもらって虫歯を悪化させているのだろうか。

バレンタインのエピソードで、かつて光GENJIの諸星和己が4トントラックで30台分のチョコレートをもらったという伝説がある。
これは都市伝説の類なのか、事実なのか、よく知らないが、いちおう事実だとしよう。
2月14日の朝、怪訝な顔の男が、諸星家にやってくる。
「あのう、荷物が届いてるんですけど」
玄関を開けて見てみると、家の前に4トントラックがズラリと並んでいる。
その数30台。
おかげで、近くの国道は大渋滞だ。
怪訝な顔の宅配業者は言う。
「これ、全部チョコレートなんすけど、どこへ降ろせばいいっすか?」
贈ったファンの気持とは裏腹に、贈られたた方としては、とんでもない最大級の迷惑だ。
このことがあったからかどうなのか知らないが、今現在、ジャニーズにチョコを贈っても、そのまま焼却処分らしい。

ところで、バレンタインというと、悲劇のヒーローはいつも1個ももらえない男と相場が決まっている。
学校や職場で、自分以外の男はチョコをもらっている。
たとえそれが義理でも嬉しいものだ。
憎たらしいアイツなんか、なぜか女の子が群がって両手に持てないほどもらってたりする。
腹たつな~、フン、オレは仏教徒だし、関係ないし。
と、普段ロクに墓参りもしないクセに、突然熱心な宗教家になったりする。
だが、もっと悲惨なのは、「1個ももらってもらえない女子」かもしれない。
1個もあげない女子はいい。
それはその人の勝手だ。
しかし、本命の彼に勇気を振り絞ってチョコを渡したとしても、
「ゴメン、受け取れないよ」
とか言われちゃう。
そこで泣きそうな顔をするならまだしも、「ハハハ、ウソ、冗談よ、冗談」なんて笑ってゴマカシちゃう健気な女子も、かなり
悲しい。
これで一遍の悲しい歌が出来そうだ。
岡村孝子ならグサっと心に刺さる歌、中島みゆきだったら恨み節全開かな。

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そして父になる、を見て

2015年02月08日 | 日常
昨日の夜、テレビで映画「そして父になる」を見た。
福山雅治主演の日本映画で、6年間育てた我が息子が実は他人の子だった、というもの。
実にいい映画だった。



福山は一流企業に勤め、将来も有望視されているエリートサラリーマン。
都内の高層マンションに、妻と息子の3人で暮らしている。
家庭のことはほとんど妻にまかせっきりで、家の中でも仕事のことが頭から離れられないタイプ。
クルマはレクサス、息子はピアノを習い、私立の小学校への受験を控えている。

一方、本当の福山の息子が暮らしている家庭の父をリリー・フランキーが演じている。
地方の寂れた電気店、妻は弁当屋でバイト、子供は3人、基本的に暇なので、親子一緒にいる時間が長い。
積極的に子供と遊び、お金はないけど幸せな家庭を築いている。
クルマは店のロゴが入った軽バン、休日はショッピングモールのフードコートで家族みんなで食事している。

この福山家が育てた息子とリリー家が育てた息子は、生まれた直後にすり替わっていたのだ。
病院からこの事実を知らされた二家族は、苦渋の選択をしなければならない。

実の子をとるのか、育ての子をとるのか。
エリート家庭と下町庶民の階級差、教育レベル、将来への不安。

福山家で育つと、私立の学校へ入りそのままエリートコースを進むことになるが、その分、子供はあらゆる競争の矢面に立たされ、
のんきに遊んでいる暇などないだろう。

リリー家で育つと、のびのびとたくましく育つだろうけど、大学進学は厳しく、それどころか電気店が倒産すると高校進学すら危うい。
そうなると、将来性がひどく不安定になる。

いろいろ考えさせられる映画だ。

ところで、映画のストーリーとは関係ないけど、福山のマンションの書斎にはCDが詰まったラックと、オベーションと思われる
ギターが置かれている。
クラシックギターではなく、オベーションというところから、いちおうロックファンという設定だろうか(笑)

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