Music Mania

No Music No Life

ディスカバービートルズ その20

2020年10月30日 | ビートルズ


10月25日放送のディスカバービートルズは、「ゾーンに入ったポール・マッカートニー」ということで、ノリに乗ってる時期のポールの凄さを味わおうというものだった。
案内の和田唱によると、ポールがゾーンに入り出すのは、アルバム「ヘルプ!」あたりからだという。
そう、名曲「イエスタデイ」を作った時期なのだ。
それまでのポールはジョンの影に隠れていて、いい曲は作ってるものの、まだ自分を確立出来てない状態なのだ。
和田唱が言ってたことで、僕がすごく納得したのは、初期のポールのボーカルは、どこか自分を作っているというか、誰かのモノマネとまでは言わないけど、模範とするボーカルスタイルを追いかけてるようなところがあること。
例として「Like Dreamers Do」をあげてたけど、そうなのだ、これを聴くのが一番早い。
この歌い方って、後のポールと違うでしょ?

The Beatles Like Dreamers Do (Rare Promo)


「ヘルプ!」からゾーンに入り始めて、それが爆発するのが「リボルバー」からである。
おそらくビートルズ解散までゾーンに入っていたのではないだろうか。
この時期のポールの作曲家としての力量は、完全にプロの、それも一流のプロフェッショナルの仕事をしていて、とても独学で成り上がったロックンローラーのそれではない。
ジョンの天才的な発想とはまた違う、職業作曲家のような曲作りを自然と身につけた才能だ。

今年はジョンが亡くなって40年だという。
40年前、40歳で亡くなった。
亡くなってからジョンが生きた年数分経ってしまったのだ。
生きてたら80歳。
さすがに現役で活躍するのは厳しい年齢だけど、ポールならまだやってそうだ。
ジョンが生きてたら、今の世界の状況についてどういう意見を言ってるだろう。
ジョンなら強烈な皮肉で、コロナのことや、トランプ政権のことや、黒人差別なんかについて語ってそうだけど。

ギャビー・バレット

2020年10月25日 | 音楽
今週のビルボードチャートは、1位が「サヴェージ・ラヴ」という曲。
ジョーシュ685とジェイソン・デルーロによる曲で、全世界で10億回の再生数だという。
ヒップホップにしては聴きやすい曲で、最近ではBTSも取り上げてるようだ。
そんなBTSは、「ダイナマイト」が今週2位。
来月にはニューアルバムが発売されるようだけど「ダイナマイト」も収録されることだろう。
今の日本にビルボードチャートを狙えるアーティストがいない以上、韓国勢にがんばってもらうしかない。

今週の注目アーティストは、先々月くらいからチャートインしているギャビー・バレットだ。
カントリー系のアーティストでここまでチャートインしているのは、同じくカントリー系だったテイラー・スイフト人気の影響もあるのだろうか。
あるいは、DNA的にアメリカ人の根っこにはカントリー音楽が染み付いているのかもしれない。
彼女の新作アルバムである「ゴールドマイン」も聴きやすい曲が満載である。
カントリーとはいっても「どカントリー」ではなく、ほとんどポップスかロックで、カントリーテイストのある曲のほうが少ない。
おかげで、ヒップホップやダンスポップが苦手な人の受け皿になってるような気がする。
今のカントリー音楽が、ギャビー・バレットみたいなのをカントリーとして受け入れているとすれば、それは素晴らしいことだ。
たいてい、こういう伝統的なジャンルって、少しでも現代的なアプロートをしようものなら「こんなものはカントリーじゃない」とか言いそうだから。
実際、少し前まではそうだったらしい。
僕は時代の変化にあわせて、ジャンルも変化すべきだと思う。

Gabby Barrett - Goldmine (From The Goldmine)





ディスカバービートルズ その19

2020年10月24日 | ビートルズ


10月18日放送のディスカバービートルズはサージェントペパーズからB面だった。
1曲目はジョージの「ウィズイン・ユー・ウィズアウト・ユー」。
前作リボルバーの「ラブ・ユー・トゥー」に続くインド音楽ナンバーで、昔から賛否分かれる曲である。
僕も初めて聴いた中学生の頃は、今ひとつ理解出来ない曲、というより、若者が聴く音楽ではないような気がしてあまり聴いてなかった。
今あらためて聴くと、この曲はワンコードで出来ていて、それでもメロディラインが美しくて、よく出来た音楽だと思う。
それでもサージェントペパーの中では浮いた作品であるように思う。
当初の予定では、「オンリー・ア・ノーザン・ソング」(後にアルバム、イエローサブマリンに収録)される予定だったけど、却下されたという。
僕には、「ウィズイン・ユー・ウィズアウト・ユー」より「オンリー・ア・ノーザン・ソング」の方がこのアルバムのコンセプトに合ってるような気がするけど。

B面の最後を飾るのは「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」で、その前に表題曲のリプライズがはいっている。
いかにもコンセプトアルバムらしいやり方で、これは単なる曲の寄せ集めではないことを強調している。
この曲が終わると同時に「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」が始まる。
このアルバムのラストを飾るに相応しい曲だと思う。
とくに最後のピアノのコード音は堂々としていて感動的だ。

ビッグダディというアーティストが1992年に発表した「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」というアルバムがある。
一枚まるごとサージェントペパーのカバーなのだが、アレンジが全てオールディーズナンバーを下敷きにしたものになっている。
これがなかなか面白くて、原曲のイメージから相当離れた曲もあり、言われなければわからないのもある。
例えば、この「ルーシー・イン・ザ・スカイ・ウィズ・ザ・ダイヤモンズ」なんて、完全にフィフティーズのロックンロールにアレンジされていて、原曲がわからなくなっている。

Lucy In The Sky With Diamonds

なぜか上海

2020年10月18日 | 邦楽
先日の岸谷香のラジオ番組で、聴者からのメールとリクエストがあったのだが、それが井上陽水の「なぜか上海」という曲だった。
リクエストした人は、子供の頃この曲が大好きでレコードを何度も繰り返して聴いてたそうだが、歌詞を読んでもなぜ「上海」なのかわからなかったという。
大人に尋ねてもよくわからない感じで、きっと井上陽水という人は歌詞を適当に書いてるんだろうと思ったという。
番組で井上陽水の「なぜか上海」がフルで流れた。
岸谷香の見解では、きっと「シャンハイ」という言葉の響きがメロディに合うと思ったからではないかとのこと。
これが「ホンコン」とか「タイペイ」だったらちょっと変だよね、と。
僕もあとでこの曲の歌詞をじっくり読んでみたけど、上海につながるストーリーはなく、言葉の響きだけか、あるいは適当につけただけだったかもしれない。

この曲が発表されたのは1979年だ。
この頃はテレビドラマの西遊記や主題歌のゴダイゴ「ガンダーラ」の大ヒット、それにジャッキー・チェンの映画など、ちょっとした中国ブームがあったと思う。
翌年にはシルクロードがピックアップされ、さだまさしは映画「長江」の撮影に入る。
さらにいえば、その頃は曲の歌詞や題名に外国の都市名を入れるのも流行っていたのではないだろうか。
庄野真代「飛んでイスタンブール」とか。
そういった背景もあって、井上陽水は上海という言葉を使いたかったのかもしれない。

ちなみに僕は「なぜか上海」という曲を知らなかった。
イントロのギターがとても印象的で、バッキングもセンスがある。
エンディングのギターソロも控えめながらカッコいい。
誰が弾いてるのか調べてみると、なんと高中正義だった。
そう言われてみると、たしかにこれは高中のギターで、特徴がよく出ている。
井上陽水と高中正義のいい部分がミックスされている名曲だ。

なぜか上海 井上陽水

ディスカバービートルズ その18

2020年10月17日 | ビートルズ


10月11日放送のディスカバービートルズは、サージェントペパーからA面だった。
つい最近、サージェントペパーのモノラル盤特集があったばかりだけど、今回の放送はステレオ盤だ。
僕は、モノラルの良さはわかるものの、やはりステレオ版の方が聴きやすいと感じる。
今回初めて知ったことだけど、6曲目の「シーズ・リービング・ホーム」はステレオとモノラルではキーが違うのだった。
モノラルの方が半音高い。

知っての通りこのアルバムは、ペパー軍曹のロンリーハーツクラブバンドという架空のバンドによるロックショーというコンセプトになっている。
ライブ活動を停止したビートルズだが、このような架空の形でライブを行なっているというのは、ちょっと面白い。
当時のライブ環境というのは現在と違ってかなり劣悪な状況であり、ステージでも客席でもまともに音楽が聴こえていなかったと言われる。
もし、当時から現在のような強力なPAシステムとモニターがあれば、ビートルズはライブ活動をやめなかったかもしれず、そうなるとサージェントペパーは生まれてなかったかもしれない。

言われて初めて気がつくことかある。
例えば「ルーシー・イン・ザ・スカイ・ウィズ・ダイヤモンズ」は、AメロとBメロは3拍子でサビは4拍子と言われて、なるほどたしかにそうだと思った。
前からサビだけノリが違うと思ってたけど、そういうことだったんだなと、今回のディスカバービートルズで知ったのだった。

ローリングストーン誌が発表した「偉大なアルバム500」の最新版では、サージェントペパーが大きく順位を落として24位になっている。
広い心で見れば、世界で発売されている膨大なアルバムの中から上位500枚に選ばれてるだけでものすごいんだけど、やはりビートルズはポップ音楽の最高峰という固定観念があるせいで、その中でも金字塔であるサージェントペパーはもっと上位にあるべきじゃないの?という声が多いらしい。
僕としては、50年以上も前のアルバムがいつまでも上位にいるのってどうなの?とも思う。
偉大なアーティストとしてビートルズが上位にくるのはいいとして、本当に公平な目でアルバムを選んだ場合、今現在の視点からみて、24位というのはメチャクチャすごいことだと思う。