Music Mania

No Music No Life

沈黙の町で

2016年01月31日 | 読書
奥田英朗「沈黙の町で」読了。
今回のテーマは中学生のイジメ。

ネタバレにならない程度にザッと内容を書くと、ある地方都市の中学校で一人の生徒が死んだ。
どうもその生徒はイジメられてたらしい。
被害者家族と複数の加害者家族、生徒、教師、警察、検事、マスコミそれぞれの視点から真相に迫る。

それにしても奥田英朗という人、地方の普通の人を書かせたら天下一品だ。
おそらく読者の大半は中学生以上だと思うけど、それは即ち中学生経験者ということで、誰もがそのリアリティーに驚くに違いない。
とくに男子生徒の、いわゆる「男子界」の空気が見事に描かれていて、思わず自分の中学生時代を思い出してしまった。
宮部みゆきの小説に出てくる非現実的なスーパー少年ではなく、どこにでもいる普通の男子ばかりなのだ。

この小説の凄いところは、イジメられるほうも悪い、というイジメ問題最大のタブーにメスを入れてるところである。
もちろん、だからといってイジメていい、にはならないのだけど、中学生にそんな分別は困難なのだ。
それと、ここに出てくるイジメは、壮絶なものではなく、悪ふざけの延長線上にあるレベルである。
イジメられてる本人すら、イジメられてる実感がないようなもので、だからこそ非常に微妙でかえって問題を難しくしている。

物語の後半になってくると、被害少年より加害少年の方に肩を持つような展開になっていく。
そして衝撃のラスト。
良い意味で後味が悪すぎる。

奥田群像劇としては、「最悪」「邪魔」「オリンピックの身代金」と並ぶ傑作だと思う。

(おまけ)
「ナオミとカナコ」

同じく奥田英朗作品でとっくに新刊は発売されていて、文庫待ちをしてたんだけど、先にドラマ化されてしまった。
というわけで、今回珍しく民放ドラマを見ることにした。
主演は広末涼子と内田有紀。
こちらのテーマはDV夫と完全犯罪の目論見。
とりあえず先に実写版をみて、文庫化されたらまた読みたいと思う。
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ギター弾きとしての自分を構成する9枚

2016年01月30日 | ギター
最近SNSで「私を構成する9枚」というのが流行ってるようだ。
というわけで僕もやってみた。

ギター弾きとしての自分を構成する9枚




まず左上から。
KISS「ALIVE!」
僕と同世代の人は、だいたい1枚はKISSが入ってる。
もちろん僕も入れる。
何を入れるかだけど、エース・フレイリーらしい音色、フレーズが満載ということでコレ。
エースのギターはジミー・ペイジ直系というか、基本的なロックギターなんだけど、それでもしっかりエース節を聴かせるのは
大したもんだと思う。

次、上段真ん中。
THE BEATLES「PLEASE PLEASE ME」
ギター弾き始めのころ、コードを学んだのはビートルズで、コード進行なんかも勉強になったと思う。
このアルバムはビートルズのデビュー盤で、荒削りながら最高にロックしてる作品だ。
僕が初めて自分のおこずかいで買ったレコードがコレで、猿のように聴きまくったものだ。

次、右上
RED WARRIORS「CASINO DRIVE」
いきなりの邦楽だけど、僕は日本人ギタリストなら木暮武彦が好きなんだから仕方がない。
このアルバムで聴けるシャケサウンドはすごくいい。
ちょっとしか歪んでいない、いわゆるクランチな音だけど、ガッツリとパンチのある音色だと思う。
今、僕はこういう音作りをしたいと目指している。

次、中段左
TOTO「TURN BACK」
いうまでもなくスティーブ・ルカサーはいいギタリストだ。
どんなジャンルの音楽もサラリと弾きこなす彼だけど、たぶんこのアルバムみたいな音楽が一番魅力を発揮できるんだと思う。
今の感覚で聴くと、むやみやたらと弾きまくってるわけではなく、ツボを押さえたプレイで、懐の深さを感じる。
エフェクトの強い音色は賛否あるけど、僕はカッコいいと思う。

次はど真ん中
UFO「Strangers In The Night」
マイケル・シェンカーの名演がびっちり詰まったアルバム。
僕が30代後半頃、突如エレキギターを再開したとき、このアルバムは教科書だった。
なかでも「Lights Out」は名演中の名演で、僕の中では名ギターソロベスト5に入る。

次、中段右
LED ZEPPELIN「I」
僕はクラプトンよりもベックよりも、ジミー・ペイジが好きだ。
こんなにカッコいい人は滅多にいない。
今さらペイジについてアレコレ書かないけど、上手いとか下手とかでなく、カッコいいのだ。
ロッカーにとってカッコいいというのは重要なことなのだ。

次、下段左
高中正義「T-WAVE」
アルバムジャケのセンスの悪さはさておき、中身は活きのいいポップフュージョンだ。
ギター弾き始めの本当に始めの頃はビートルズばかり弾いてたけど、ある程度弾けるようになってからは高中をよく弾いた。
このアルバムのA面ラストに「クリスタル・メモリーズ」という曲があり、これをコピーしてカセットに録音したことがある。
後で聴いてみて、ヘタクソすぎて落ち込んだのも今や楽しい思い出だ。

次、下段真ん中
レベッカ「レベッカ4」
レベッカのコピーバンドをやってる身として、あげておかねばなるまい。
この時期、ギターを弾いてるのは古賀森男で、こういうクリアなコードカッティングをかっこよく決めるのは
僕にとってはかなり困難なことだ。
また、この人のギターソロは、速弾きとかぜんぜんないのに異様に難しい。

最後は下段右
YES「海洋地形学の物語」
なぜか「危機」とか「こわれもの」とかはここ10年くらい聴いてないし、あまり聴きたいとも思わないけど、このアルバムだけは
ときどき聴きたくなる。
スティーブ・ハウによるスティーブ・ハウにしか弾けない、スティーブ・ハウらしいプレイが満載だ。


今回選んだのは、ギター弾きとして影響を受けたアルバムということで選んでいる。
だってさ、自分の好きなアルバム9枚なんて選べないし。
他の人のを見てると、9枚全部ツェッペリンとか、9枚全部メタルみたいな好みにブレがない人から、
ジャズ、ロック、洋楽、邦楽と多岐にわたる人、その人のイメージに合わない意外な1枚を入れてる人とか、けっこう面白い。
皆さんならどの9枚ですか?

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デビッド・ボウイとグレン・フライ

2016年01月23日 | 音楽
ここのところ世間のニュースといえばベッキーだのSMAPだのが多いが、僕の周り(ネット)ではもっぱらデビッド・ボウイと
グレン・フライの訃報だった。

僕がまだ詰襟の学生服を着ていた頃、デビッド・ボウイは「デビッド・ボウイー」だった。
当時の新作「レッツ・ダンス」は残念ながら僕の好みではなかったけど、好きな人は多かったと思う。
その後来日コンサートの模様がテレビ放送されたけど、あまりピンとこなかったので、僕にとってデビッド・ボウイは
肌にあわないんだなと思うことにした。
やがて台風が過ぎ去るように20世紀が終わり、当たり前のように21世紀を迎えたころ、僕のデビッド・ボウイへの考えが変わった。
アルバム「ジギー・スターダスト」を聴いて、これはいいぞ、と思ったのだ。
何がよかったって、単純に曲がよかった。
不思議なことに一旦いいと思うと、苦手だった「レッツ・ダンス」もいいと思えるようになった。
今もときどき思い出したようにデビッド・ボウイを聴くことがある。
全部の曲が好きなわけではないけど、いいアーティストだったと思う。
最近ニューアルバムを出したばかりらしいので、ファンだった人は相当なショックだっただろう。




グレン・フライといえばイーグルス。
僕がイーグルスと出会ったのは13歳くらいのときで、ラジオから流れてきた「ハートエイク・トゥナイト」という曲だった。
グレン・フライがボーカルで、かっこいい歌だと思い、これが本場のロックなのかと中学生の僕は感心した。
イーグルスといえば、「ホテル・カリフォルニア」」や「ならず者」などでボーカルをとるドン・ヘンリーのイメージが強いが、
僕はグレン・フライのちょっと青いボーカルのほうが好きだった。
ロック聴き始めの頃に好きになったバンドは思い入れが強い。
イーグルスも例外ではなく、LPレコードを何枚も買った。
そのせいか、実はCDはベストしかもっていない。
というわけで、この機会に前から気になっていたイーグルスの5枚組ボックスセットを注文したのだった。
グレン・フライのボーカルで代表曲といえばやはりこれだろう。
デビュー曲でもある「テイク・イット・イージー」。



ここのところ、ロックの歴史を刻んできたレジェンドたちの訃報が続いている。
仕方のないこととはいえ、さびしいものだ。

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レモンオイル

2016年01月17日 | ギター
僕はかなり前からギターの弦を全部張り替えるときに、ネックの指板をレモンオイルで拭いている。
愛用しているのは、定番中の定番、フェルナンデスのレモンオイルだ。
トーカイ・ストラトもどきは30年くらいこれを使ってるけど(途中10年以上放置してたけど)、とくに問題はない。
もちろん昨年買ったFJストラトでも使っている。

さてこのレモンオイル、賛否両論あって必要ないという意見も多い。
あと、ローズ指板は必要だけど、メイプル指板は必要ない、という意見もある。
ちなみに、ネックが明るい木の色なのがメイプルで、黒っぽいのがローズね。
余談だけど、僕はギターを買うときはローズ指板にこだわる。
メイプル指板の感触が好きになれないんです。

僕の感覚では、それは素人意見なんだけど、ローズ指板は木材むき出しなので、とくに冬場は過度に乾燥するのを防ぐため、
少量のレモンオイルを塗ったほうがいい気がする。
逆にメイプル指板は、クリア塗装されてるので、レモンオイルを塗ってもそれが吸収されず意味がないと思う。
メイプルでも、自分で指板をえぐってスキャロップ使用にした人だと、レモンオイルは有効かもしれない。

たぶん気持ちの問題だと思うけど、自分の愛用のギターをシコシコ磨いたりメンテするのって、ちょっと楽しいし、
いかにも大事にしてるって気がする。
やってもやらなくても同じなら、僕なら汚れ落としも含めてやるほうが愛着がわく。
磨いた指板に新品の弦が張られてるのって見た目もいいしね。

 

 

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交通事故はこわい

2016年01月16日 | クルマ
皆さんもご存じのように、軽井沢付近でスキーバスが事故を起こし、多くの人が亡くなった。
僕は若い頃、しょっちゅう夜行スキーバスに乗ってスキーに行っていて、事故を起こしたバスの行き先である斑尾高原スキー場
にも行ったことがある。
交通被害というのは、ある日突然襲い掛かる通り魔みたいなもので、防ぎようのないものが多い。

僕の3つ年下の妹も、先月初めに大きな交通事故に巻き込まれ入院していた。
年末までに退院したようだが、まだ会社には行ってないらしい。
一つ間違えると命を落とすほどの大事故だったようだが、今はいちおう普通に生活出来るくらいには回復したようで、
ホッとするものの、少々後遺症が残るとのこと。
乗っていたクルマは廃車で、相手側の保険とプラスアルファで、もうすぐ次のマイカーが納車されるという。

僕も2年ほど前に追突事故にあった。
もっと前には事故、というより理不尽な事件もあった。

交通被害というのは、当たり屋でもないかぎり一方的に損をする。
かといって有効な防ぎかたもない。
家から一歩も外に出ないのが一番だが、そんなわけにはいかないし、毎日クルマにも乗る。

ほとんどの場合、加害者も悪気がなく、気をつけていても事故を起こしてしまう。
クルマは便利だけど凶器にもなりうるし、せめて加害者にならないように気をつけたい。

もし、クルマを運転していて眠たくなったらどうしますか?

一番いいのは、どこかにクルマをとめて仮眠することだと思う。
でも、眠くなったとき、すぐにクルマをとめられるとは限らない。
ガムをかむ、窓を開けて冷たい空気をいれる、大声で叫ぶ、手をつねって痛みに耐える、コーヒーを飲む、炭酸を飲む
どれも、その場しのぎにはなりそうだけど、決定的ではない。
よくPAなんかで売ってる、眠気覚ましのドリンクも、眠くなってから飲んでもダメらしい。
どんなに眠くても、これを飲めば1時間は有効、みたいなものがあればいいんだけどね。

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