Music Mania

No Music No Life

ジュースワールドとマシュメロ、そしてオーティス

2020年07月26日 | 音楽
今週のアメリカン・ヒットチャートはまたしてもダベイビーのロックスターが1位である。
黒人のロックスターを見たことがあるか?と歌う曲だけど、ダベイビーは間違いなくスターである。
曲のスタイルとしてはロックではないけれど、精神性でいえばロックだと思う。
さて、今週の2位には初登場ジュースワールド&マシュメロの「Come &Go」が入った。
ヒップホップでありながらすごくロックな響きをもつ曲で、ロックファンにもアピールしている。
PVはジュースワールドと女性パートナーがアニメ化して、ゾンビみたいな化け物と戦うというもの。
そのゾンビの親玉がマッチョな白人というのは、今の時世を表しているようだ。

Juice WRLD & Marshmello - Come & Go (Official Music Video)


ブラックミュージックをアレコレ聴いていると、どうしても外せない人が何人も出てくる。
オーティス・レディングもその一人だ。
僕は『ドッグ・オブ・ザ・ベイ」しか知らないので、ベストCDと「Otis Blue」の他、いくつか聴いてみた。

日本のシンガーにも大きな影響を与え、中でも忌野清志郎と矢沢永吉はいろいろな曲でそれが現れている。
この辺は世代の問題だと思うけど、僕の世代だとオーティスを知らない人が多い。
若くして亡くなってることもあり、せいぜい「ドッグ・オブ・ザ・ベイ」しか知られていない気がする。
それも、矢沢永吉の「チャイナタウン」の歌詞『流れてる 俺たちの好きだった ドッグ・オブ・ザ・ベイ」で知ったのが最初だったりする。

オーティスを聴く。
まず曲がいい。
どれを聴いても捨て曲がなく、心地よいグループがとてもいい。
オリジナル曲だけでなく、ベン・E・キングやB Bキングに、ローリングストーンズのカバーもある。
どれも元曲の良さを損なわず、それでいてオーティスの色で聴くことが出来る。
オーティスのボーカルは、メロディーを歌うというよりリズムに歌詞を乗せるような感じで、実にグルーヴィーである。
いつまでも聴いていたくなる。

オーティスはラップの原型の一つだと思う。
例えばビートルズの「デイ・トリッパー」もオーティスが歌うとすごくファンキーで、ボーカルスタイルは今のラップにつながる。
そう考えるとものすごい影響力ということになるのだった。

Otis Redding - Day Tripper (HQ)

ディスカバー・ビートルズ その6

2020年07月25日 | ビートルズ


7月19日のディスカバー・ビートルズは、進行をつとめる杉真理氏と和田唱氏の対談だった。
二人とも大のビートルズマニアということで、ビートルズとの出会いや好きなエピソードなどを話してくれた。
大のビートルズマニアともなれば、ビートルズについて詳しすぎるため、逆に話題がなかったりすることがあるけど、ラジオ番組だけあってお互いストーリーを考えてあったと思われる。
二人とも小学生高学年のときにビートルズに出会ってハマっていったとのこと。
前にも書いたけど、今の時代にビートルズにハマろうとすると、それは小学校高学年から中学生くらいでなければならない。
音楽に対する理解力と無垢さが同時に備わってるのはこの時期しかなく、遅くとも高校生くらいには出会っていないといけないと思う。
いろいろな音楽を聴き漁って、さあいよいよビートルズに入ろうかと思っても、時すでに遅しなのだ。

18年くらい前のことだけど、ブートレグ専門誌「ゴールドワックス」で「ビートルズをケチョンケチョンにけなそう」という企画があった。
60年代後半頃から洋楽ロックを聴き始めた世代だと、ジミヘンにジャニス、ツェッペリンにパープル、それにフロイドやクリムゾンが登場してきて、そんな新しいロックにシビレまくった人間からすると、ビートルズは前世代でダサかったらしい。
それなのに同世代のアルフィー坂崎幸之助なんかはビートルズビートルズって言うわけで、それがたまらなくイヤだという。
それで、いろいろビートルズなんて大したことがないということを探して切りまくろうとするんだけど、調べれば調べるほど逆にビートルズの凄さがわかってきて、結局はビートルズって偉大だったんだね、というオチだったと思う。
僕は60年代後半というと、生まれてまだ物心つく前なのでホントのところはわからないんだけど、その頃に登場してきた新しいロックはかなり刺激的で、一気にビートルズを古くさせたと思う。
その時期にロック入門した人からすると、世間のビートルズ愛がちょっと気に入らないんだろうなという想像は出来る。
僕がビートルズを聞き出した80年代前半だとパンク以降の世代なので、ちょうど一周回って再評価の時期だったと思う。
80年のジョンの死、82年のデビュー20周年というタイミングもよかった。
僕より若い世代だとビートルズは殿堂入りしてしまって、好きとか嫌いとかを超えてしまったように感じる。

リル・モジーとボヘミアンラプソディー

2020年07月18日 | 音楽
7月18日付のUSAビルボードチャートは、先週に引き続きダベイビーの「ロックスター」が1位だ。
何週間連続になるのかわからないが、ダベイビーの大ヒット曲、ヒップホップの大ヒット曲として歴史に刻まれることは間違いない。
僕も毎週この曲を聴いてるけど、なかなか悪くないと思うようになった。

先々週くらいからトップテン入りしているリル・モジーの「ブルーベリー・フェイゴ」が今週は8位。
4月に発表してからずっとチャートインしてるらしいので、こちらもすごい大ヒット曲といえる。
僕としてはなかなかいいと思ってる曲で、リル・モジーという人はずいぶん若いなと思ったらまだ18歳だという。
ラッパーのPVによくある夜の街、分不相応な高級車、クスリの臭いがしそうなナイトクラブというダークな雰囲気ではなく、昼間のプールサイドが舞台になってるのもいい。

Lil Mosey - Blueberry Faygo (Dir. by @_ColeBennett_)


話は変わる。



最近になってようやく映画「ボヘミアンラプソディー」のサントラを聴いた。
基本的にはクイーンのベストアルバムみたいな内容で、曲によってはライブバージョンが収録されている。
とくに後半のライブエイドのシーンはそのままノーカットで入っていて、もちろん「エーオ」も入ってる。
これを聴いてると映画のシーンを思い出す。
ただクイーン入門としては、これよりもグレイテストヒッツかジュエルズの方がいいと思うけど。
それとこれは個人的な好みの問題だけど、スタジオ録音の中に所々ライブ録画が入ってるのは統一性がなくて好きじゃない。
コメント (2)

ディスカバー・ビートルズ その5

2020年07月17日 | ビートルズ


7月12日のディスカバー・ビートルズは4枚目「ビートルズ・フォー・セール」からのB面である。
1曲目は「エイト・デイズ・ア・ウィーク」でシングルに相応しい明るいナンバーだ。
何故か当時ライブでは演奏されなかったようで、公の前で生演奏されるのは2013年のポールのソロツアーまで待たなければならない。
続いてカバー曲が2曲。
どちらも元曲をそのままコピーしているらしい。
4曲目はポール作でジョンボーカルの「エヴリー・リトル・シング」。
この曲のポイントはサビに入ってくるティンパニーだけど、こういうアイデアというか閃きというか、センスの良さが窺える。
余談だがJ-POPのユニット、Every Little Thingが登場したとき、僕はてっきりビートルズの影響の濃い音楽をやるのかと思ったけど、ぜんぜん違っていてがっかりしたことがある。
嫌いではないけどね。
続いて「パーティーはそのままに」「ホワット・ユー・アー・ドゥーイング」とちょっと影の薄い曲。
とくに『ホワット・ユー・アー・ドゥーイング」は不人気らしい。
なんとなくそうなんだろうな、という気はするけど、個人的にはちょっと好きな曲だ。
でも、途中でコーラスの歌詞が間違っててポールのボーカルとあってないのに、なぜ録音しなおさなかったのだろう?
最後はジョージボーカルのカバー曲。
昔からの定番曲だけに一発録音ワンテイクだという。
番組でも言ってたけど、ジョージとリンゴのぴったり息のあった演奏が素晴らしい。

今回のもう一つの特集はビリー・プレストンである。
ビートルズ後期にエレキピアノで参加するようになった人で、「ゲット・バック」や「ドント・レット・ミー・ダウン」の素敵なキーボードソロはビリー・プレストンの演奏だ。
有名なアップルビル屋上でのライブ演奏動画にも登場している。
僕はビリー・プレストンってセッションミュージシャンだと思ってたけど、歌も歌っていて、何枚もソロアルバムを出してるらしい。
それなら聴かねば、ということでレット・イット・ビーと同時期のアルバム「Encouraging Words」を全曲聴いてみた。
これがなかなかソウルフルな素敵なアルバムで、かなりよろしい。

Billy Preston - Encouraging Words - 1970 - Full Album


ジョージ作の「マイ・スイート・ロード」もやってる。
それもいいんだけど、ビートルズの「アイブ・ガッタ・フィーリング」もやっていて、これがすごくファンキーに味付されていてまるでスライ・アンド・ファミリーストーンのようだ。
これはビートルズ版よりこっちが好きって人も多いと思う。

Billy Preston - I've Got a Feeling

リナ・サワヤマ

2020年07月12日 | 音楽
今週のアメリカン・ヒット・チャートは、先週1位のシックスナイン & ニッキー・ミナージュがランク外となり、ダベイビーの「ロックスター」が再び1位に返り咲いている。
今週のランクでハリー・スタイルズの「ウォーターメロン・シュガー」が7位に入ってる。
聴きやすいポップロックで、こういうのがランクインするとホッとする。

Harry Styles - Watermelon Sugar (Official Video)


今日はイギリスで頑張ってる日本人アーティスト、リナ・サワヤマの話。
まだ20代の日本生まれイギリス育ちで、宇多田ヒカルと椎名林檎の影響を受けたという。
聞いてみると、たしかにデビュー当時の宇多田ヒカルの歌唱法と椎名林檎の過激さが感じられて、なかなかいいと思う。
とくに気に入ったのはこの曲。
テレビショッピングみたいな番組で謎の液体を売り込むリナ。
やがてその液体は怪しさ満点であることかバレてリナは壊れ始める。
実はその液体はリナそのものであり、最後はボロ切れのように捨てられるというオチ。
多分日本では受け入れられないと思うけど、海外で戦うにはこれくらいでいいと思う。


Rina Sawayama - XS (Official Video)