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2024年NHK紅白の感想を語ろう!

2025年01月11日 | 邦楽
【解説】2024年NHK紅白の感想を語ろう!ベストアクト3組はこれ!


僕がよく見ているYouTubeチャンネル「てけしゅん音楽情報」の昨年末のNHK紅白歌合戦の感想動画をみて思ったこと。
彼らは音楽メディアで仕事をしている、いわばプロの人たちなので、当然ものすごく音楽に詳しい。
日、韓、米、英の最新はもちろん、けっこう古い音楽も押さえるべきところはしっかり押さえていてさすがだ。
そんな若い世代の専門家は、昨年の紅白をどう見たのだろうか?

で、その前に僕自身はどう思ったのかについて。
どこから話せばいいかわからないので、とりあえず良かったアーティストをベスト3をあげよう。
1位 B’z
2位 アルフィー
3位 Vaundy
紅白見た人のほとんどの人が感じたように僕もB’zが素晴らしかった。
僕はB’zのファンではないけれど、すごく良かったし、すごくロックしてた。
稲葉はもう還暦くらいだと思うけど衰え知らずで凄かったし、松本のギターも安定感抜群だった。

アルフィーはさらに歳上だけど、歌もコーラスも演奏も素晴らしかった。
ずっと現役を続けてきただけはある。
高見沢は相変わらず奇妙なギターだけど、エンディングの派手なギターソロは凄みがあった。

Vaundyは曲そのものがとても良かった。
米津も藤井も良かったけど、僕の好みからするとこっちの方が良かった。

その他、氷川きよしの歌は圧倒的だったし、Omoinotake、ILLITは楽曲の良さが光ってたし、郷ひろみのパフォーマンスも面白かった。

で、てけしゅん音楽情報だけど、やはりというか、さすがというか、若い人ならではの感性だ。
とくに昨年活躍した若手アーティストに関してはいろいろ勉強になるし、彼らの解説を聞いたあとあらためて曲を聴いてみると新たな発見もあった。
共感出来たのは、GLAYのサウンドがとても良かったことで、とくにヒサシのタルボギターの響きが際立っていたと思う。
てけしゅん的には、Vaundy、number I、藤井風、米津玄師の評価がものすごく高く、いかにも若い彼ららしい。
いわゆるベテラン勢への忖度はなく、いい意味で若者世代の代表という感じかいい。

コメント欄も面白い。
てけしゅん音楽情報を見てる人は、若い世代のマニアックな音楽好きだと思うけど、如実なそれが反映されている。
中でもnumber Iの評価がとても高いのは、てけしゅん視聴者らしい。

最後に、紅白はオワコンだとか、時代遅れとかいろいろ言われてるけど、視聴者が若者中心のてけしゅん音楽情報のコンテンツのなかでは、この紅白動画がダントツで再生回数が多い。
それに対し、僕の周りの僕と同世代の人で、紅白見てる人は一人もいない。
会社の人も、昔からの友人にも紅白見る、見てるって人は皆無なのだ。
なんだかんだいって、世代交代しているのかもしれない。

最近の邦楽はレベルが高い、のか?

2024年09月07日 | 邦楽
最近、音楽系ユーチューバーやそのコメント欄などで散見されるのが、「最近の邦楽のレベルは高い」という意見だ。
なかには、昭和、平成と比べて令和の音楽は比較にならないほど高くなったという人もいる。

僕はあまり最近の邦楽を聴いてなかったので、それならと代表的なアーティストを1ヶ月以上聴いてみた。
で僕の感想としては、「今も昔と変わらず、邦楽のレベルは高い」である。

何を聴いたかというと、参考にしたのが、「グラミー賞が選ぶ新世代のJポップ10組」というもの。
この選択がJポップに詳しい人いわく、「実に相応しい人たち」とのこと。
だったら、この10組を聴けば今現在の新しいJポップのレベルがわかるはずだ。
その10組とは

Ado
藤井風
King Gnu
米津玄師
YOASOBI
Vaundy
羊文学
MAISONdes
あたらしい学校のリーダーズ
Creepy Nuts

この10組にOfficial髭男dismとMrs. GREEN APPLEを加えれば、現代の邦楽の代表と言っていいだろう。

これら10組➕2組だが、あとから加えたOfficial髭男dismとMrs. GREEN APPLEは典型的なJポップという印象。
いちおうバンド形態ではあるもののバンド感は皆無。
可能な限り音を重ねて分厚くするのはJポップのセオリー通りで、ドラマやアニメとのタイアップもしている。
曲は高度にポップで、多彩なメロディーと複雑な音構成など、聴きどころは多い。

逆にこれぞバンドサウンドだと感じさせるのは羊文学で、少年ナイフ以来の日本のお家芸である女性トリオバンドだ。
今までもチャットモンチーやSHISHAMOなど一定数の支持を得られているが、このバンドもなかなかセンスがよく曲もいい。

ソロアーティストでは藤井風がいい。
とにかく楽曲の質が高く、その優しい歌声はいかにも若者に人気が高そうだ。
もう一人、Vaundyもなかなかよろしい。
昨年京都でVauundyのコピバンを見て気に入ったのだけど、多彩な曲作りはピアノポップからギターロックまで幅広く飽きさせない。
で、この手のアーティストの一押しは米津玄師なのだが、個人的には米津より藤井風やVaundyの方が良かった。

今やトップアーティストといえるのはYOASOBIで、弾けるようなポップサウンドが心地よい。
曲はメロディーが多彩で、一曲の中にこれでもかと言わんばかりに詰め込まれている。
けっこう複雑で、驚くほど楽曲のレベルか高い。
ボーカルはアニメ系?好き嫌いが分かれると思うけど、曲によく合っていると思う。

今回新しい発見だったのがCreepy Nutsで、ラップなんだけどヒップホップ感があまりなく、あくまでもポップスをベースに歌だけラップといった印象だ。
歌詞も面白いし、曲もいい、若者に支持されるのも理解できる。

今回の中で最も攻めてるのが、あたらしい学校のリーダーズで、彼女たちの目線の先には海外がある。
どうしても歌謡曲風のオトナブルーのイメージが強いけど、再生回数の上位に並ぶのはハードなラップ曲だ。
とにかくライブパフォーマンスが素晴らしいので、YouTubeなどで動画を見たほうがいい。

AdoとKing Gnuは言わずもがな知れた日本を代表するアーティストだけど、実のところこういう曲がヒットしてるのは世界の中で日本だけである。
これはスゴイことなのだ。
日本人の感性が優れているといってもいい。
誇らしいことなのである。

若者の洋楽離れ

2024年07月06日 | 邦楽
日本人が洋楽を聴かなくなったと言われて久しい。
近年それが益々歯車をかけて進んでおり、とくに若者は「誰も洋楽を聴いていない」に等しい状況だという。
若者が聴いているのは日本と韓国の音楽で、米英の音楽はごくわずからしい。
これについて、いろいろな音楽ジャーナリストや音楽ファンが原因を探っていて、なるほどと思うものから、そんなはずはないと思うものまで自由な意見が交わされている。

僕がちょっと違うと思うのは、昔は邦楽と洋楽は同じくらい聴いている人がいた、という意見。
僕の知る80年代初頭からでいうと、今よりはるかに洋楽を聴く人は多かったけど、決して邦楽と同じくらいではなかった。
せいぜい全体の20パーセントから30パーセントくらいで、当たり前に邦楽のほうが強かった。
もしかすると70年代だともう少し多かったかも知れないし、ビートルズ旋風巻き起こる60年代だともっともっと多かったのかも知れないけど、それを知ってるような高齢者が意見を書いているようには思えない。
たぶん、その人の周りの人だけ洋楽を聴いてる人が多かったのだろう。

それと多いのが、外国の曲は歌詞がわからないからだ、という意見。
たしかにそうだろう。
世の中、とくに日本人は歌詞を重用する人は多いと言われてる。
ただ、そういうタイプの人は、K-POPも聴かないだろうし、米英の音楽がいかに日本人好み風になったとしても聴くことはない。
つまり最初から邦楽しか聴かないので、洋楽離れとはまた違うと思う。

で、原因として多いのがこの2つの意見。
一つは邦楽のレベルがかつてないほど高くなったこと。
もう一つは、今の洋楽のヒットチャートはヒップホップ中心で日本人に合わないから、というもの。
おそらくこの2つが大きな原因であることは間違いないが、僕としては邦楽のレベルが高くなったのではなく、レベルの高い音楽が注目されるようになったと感じている。
僕はもう15年も前から言ってるが、昔から邦楽のレベルは高い。
それこそ昭和の時代から、同時期の洋楽と比べても決してクオリティが劣っていたわけではないのだ。
ではなぜ、ここ数年で邦楽のレベルが高くなったと感じるのかだが、ジャニーズや秋本系、エグザイル系が衰退して、それまで影に隠れていたまともなアーティストが浮上してきたからである。
そこへ、米英で主流の音楽が日本人の肌に合わないという現象と重なった。
例えば、ちょっと洋楽も聴いてみようかと、普段邦楽しか聴いてない人が、ミセスやヒゲダンやヨアソビみたいな曲を期待してビルボードチャートを聴いたとしても、そんなものアメリカのどこにも存在しない。
そりゃ、誰も洋楽なんて聴きませんわ。

で、どうすれば日本人がもっと洋楽を聴くようになるのか?
僕の答えは、聴かなくていい、である。
J-POPやK-POPが肌にあう、米英の音楽は肌に合わない、だったら無理しなくていい。
どうしても日本人に洋楽を聴かせたいなら、向こうが日本人向けの趣向にならなくてはならない。
もし、この先音楽のトレンドが変わって、日本人にも受け入れやすい音楽が主流になれば、かつてのように2割くらいの人は洋楽を聴くようになるかもしれない。

ロックンロール黄金狂時代

2024年06月29日 | 邦楽
ダイヤモンドユカイと木暮シャケのユニット、Diamond Shakeのセカンドアルバムが出た。
その名も「ロックンロール黄金狂時代」、中身はなんと洋楽ロックンロールのカバーアルバムだ。
彼らが10代初め頃に聴きまくってた名曲が8つ入っている。

01. Jumpinʼ Jack Flash
02. Jet
03. Hot Legs
04. Born To Be Wild
05. Have You Ever Seen The Rain
06. Come Together
07. Mama Kin
08. Sympathy For The Devil

選曲は王道中の王道で、いかにも僕より少し上の世代のロックファンが好きそうな曲が並んでいる。
とくにJet 、Hot Legs、Mama Kin あたりは、いかにも現在還暦すぎくらいのロックファンが選びそうな感じだ。
それらを原曲の良さはそのままに、Diamond Shakeの曲として上手くアレンジされている。

このアルバムを聴いて、久しぶりにロッド・スチュアートのアルバム「明日へのキックオフ」が聴きたくなった。
いいものは古くてもいい。
ロックンロールな旧A面もいいが、バラード中心の旧B面もジワジワくる良さがある。
こういう「普通のロックアルバム」は80年代には少なくなってしまう。
それはそれで、進化とはそういうものなのだが。

コロンブス

2024年06月23日 | 邦楽
Mrs. GREEN APPLEの新曲「コロンブス」のPVが炎上して廃止になったというニュースがあった。
けっこうネットで話題になってたので知ってる人も多いと思う。
僕がこのことを知ったときはすでに動画は削除されてたけど、なんとか探して見てみた。
やっぱり、今の時代これはアカンでしょ、というものだった。

僕が小学生のとき、コロンブスはアメリカ大陸を発見した偉い人という位置付けだった。
まだ地球が丸いということが実証されていない時代、もしかしたら海の果ては大きな滝になって船ごとどこかに落ちてしまうのではないか、という不安と戦いながら勇気をもって航海し、ついに陸地を発見したコロンブス。
その後、大航海時代になりヨーロッパに大きな富をもたらすきっかけとなったコロンブスの大冒険は、まさに英雄的な行為だった。

しかし近年、コロンブスの評価は大きく変わる。
侵略と虐殺、奴隷貿易の人として、世界史の中の大きな負の象徴となったのだ。
またコロンブス隊と原住民との接触により病原菌が広まったという事実もある。
後者については、コロンブスがいなくてもいずれはなんらかの形でヨーロッパ人との接触はあっただろうから、仕方がないともいえるけど。

話はMrs. GREEN APPLEに戻る。
彼らの新曲「コロンブス」は、PVはともかく、歌詞を読むと、とくに問題はないように感じられる。
とはいえ、PVにメンバーも登場して嬉しそうに撮影している時点で、メンバーは悪くないとはいえない。
もちろん悪意はないんだろうけど、無知は悪となるのだ。

コロンブスはコロンブスでも、信念を持って勇気のある行いをした結果、大きな発見があった、ということを強調していれば良かったと思う。