Music Mania

No Music No Life

桶狭間の戦い

2020年05月31日 | 日常
「麒麟がくる」いよいよ来週は桶狭間の戦いとなるようだ。
桶迫間の戦いはこれまで数多くのドラマや映画で合戦シーンの撮影が行われたが、僕がとても印象に残っているのは「徳川家康」という古い映画である。
徳川家康という名の映画なのに、クライマックスは桶狭間の戦いで、織田信長が今川義元を討ち取って終了だった。
つまり、徳川家康という名の映画なのに、ぜんぜん徳川家康が活躍することなく終わるという話。
あまりにも変なので、僕は何か勘違いしてるのだろうか?徳川家康という題名ではなく、正しくは織田信長だったのではないのか?と本気で思った。
それを見たのが中学生か高校生の時なので、きっと徳川家康と織田信長を間違えてたのだろう。
が、そうではなかった。
ウィキで調べたところ、その映画は間違いなく「徳川家康」で、桶狭間の戦いで終わるという謎のストーリーだったのだ。
なんでそんなことになってるのかもわかった。
元々は第5作まで続く壮大な映画の予定だったらしく、僕が見たのはそれの第一部だったのだ。
しかし、その後続編が作られることはなく、中途半端なまま終わってしまったのだった。
さて、この映画最大の見どころとなる桶狭間の戦いシーンだけど、非常に殺気迫るもので、雨降る中織田軍が今川軍の中心部に襲いかかるのである。
逃げ惑う今川義元を切り付けた時、口からドバーっと血が吐き出されたのが印象的だった。
本当はこの後、三方ヶ原の戦いとか姉川の戦いとか小牧長久手の戦いとかがあり、第4部あたりで関ヶ原の戦い、第5部は大阪の陣と続いたと思うけど、打ち切りとなる。
第一部のクオリティで全部映画化してたら、ものすごい作品が出来たと想像出来るだけにとても惜しいことだ。
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色彩のブルース

2020年05月30日 | 邦楽
エゴラッピンの曲で「色彩のブルース」というのがある。
あまり一般的ではないものの、カバーしてる人も多く、アマチュアバンドからの人気も高い。
すでにスタンダード化してるとも言えるこの曲、花魁ROCKERでも取り上げることになった。

EGO-WRAPPIN'色彩のブルース(北野天満宮)


この曲のブルースというのは、黒人音楽のブルースではなく、日本特有の歌謡ブルースである。
戦中戦後くらいの「別れのブルース」とか「君忘れじのブルース」の流れを組む歌謡ブルースだ。
その間にジャズや演歌の影響を受けながら、昭和50年代くらいまではヒット曲があったものの、演歌やムード歌謡の衰退とともに消えていったように思う。
2000年になって突如現れた「色彩のブルース」は、デジタル世代からすると、そのアナログなサウンドや昔のナイトクラブみたいな雰囲気が珍しかったのかもしれない。

さて、本題からちょっとそれるのだが、岡林信康の「三谷ブルース」という曲がある。
これも日本語のブルースと名のつく歌だけど、これは歌謡ブルースとはちょっと違う。
音楽的にはフォークソングに近いけれど、歌詞の内容は完全にブルースである。
底辺、肉体労働、貧困、差別など、超ブルースな歌詞で、ブルースの本場の空気が流れてる。
この三谷ブルースもまた多くの人にカバーされているが、中でもダウンタウンブギウギバンドのカバーはピカイチである。
なんとジェフ・ベック・グループの「シチュエーション」のアレンジで三谷ブルースをやっている。
さすが宇崎竜童、ロックをわかってる人間だ。

「山谷ブルース」ダウン・タウン・ブギウギ・バンド from album "脱・どん底" 1974年
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罪の轍

2020年05月24日 | 読書


奥田英朗の新刊「罪の轍」を読んだ。
さすがの奥田ミステリーで間違いなく傑作だった。
舞台となるのは昭和38年、東京オリンピックの前年である。
ちょうど同じ奥田ミステリーである「オリンピックの身代金」と同じ時代背景だ。
僕は知らなかったのだけど、この頃吉展ちゃん誘拐事件というのがあって、それがモデルになってるという。
調べてみると、いろいろ似ている部分があって、この事件をよく知ってる人ならとっつきやすいと思う。

奥田作品は基本的には現代物の作家で、エリート層を題材にした作品も多いけど、この人が本領を発揮するのは底辺層の描き方だと思う。
ここでも物語の中心となるのは、社会の最下層に位置する人たちで、リアリティをもって生き生きと活躍している。
こういう人たちを書かせると本当に上手いと思う。
また、昭和38年という50数年前の話でありながら、オリンピックの前年ということのほか、幼児虐待、匿名の嫌がらせ電話、社会格差など現代にも通じる背景もあって、読みやすさに繋がってると思う。
後半のスピード感のある展開は、以前ドラマ化もされた「ナオミとカナコ」を彷彿させ、一気にラストまで突っ走る。
こういうところも奥田ミステリーらしい。
ミステリー好きの人、昭和の犯罪に興味ある人、おすすめです。

歴史考証

2020年05月23日 | 日常
NHK大河ドラマ「麒麟がくる」は、6月初めくらいに一時中断するという。
かなり好評なドラマだけに、これまでの流れが中断するのはもったいないけれど、このご時世なので仕方ないだろう。
5月末時点でまだ桶狭間の戦いまで来てないのは、ちょっとペースが遅い気はするけど、これがさらに遅れるとなると年内に全て放送するには無理があるのではないだろうか。

さて、今回のドラマもそうだけど、おそらく2014年の『軍師官兵衛」あたりから、戦国時代の城がある程度正しく考証されるようになってきたように思う。
城に天守が建てられるようになったのは、織田信長の安土城以降で(天守っぽい建物があったと思われる城はいくつか確認されてるようだけど)、それまでは基本的に土の城である。
空堀と土塁に囲まれて、いくつかの郭(くるわ)があり、主郭に住居があったりする。
大河ドラマに出てくる主郭内の住居は、あきらかに大きすぎるけど、その辺はセットの関係で仕方ない。
昔のドラマだと戦国時代半ばであっても、近世城郭みたいに立派な石垣と天守が建ってたものだが、今はだいぶ史実に近くなったと思う。
こういうのは、あまり細かいことは言ってはいけないのはわかってるつもりだけど。

3年ほど前、天正伊賀の乱を題材にした映画「忍びの国」を見に行ったけど、映画の冒頭で下山甲斐守城が出てくる。
これがこの手の映画にしてはとてもよく出来ていて、戦国時代の伊賀によくある単郭方形城が再現されていた。
実際の下山甲斐守城はもっと山にあって、主郭以外の郭もあるんだけど、そこまでの再現を望むのは贅沢だろう。

たかがドラマや映画なんだけど、きちんと考証されてお金がかけられてるというのは、わかる人にはわかるのである。

ジェイムス・ブラウン「ラブ・パワー・ピース」

2020年05月16日 | 音楽


ジェイムス・ブラウンが72年に発表したライブアルバム「ラブ・パワー・ピース」の完全盤というのを買った。
これは1971年パリのオリンピア劇場で録音されたもので、名ライブ盤として知られていたものの、当時は収録されていなかったカバー曲や、ジェイムス・ブラウン以外の人(いわゆるJBファミリー)の歌も含まれたフル収録ものだ。
すごく濃厚で熱いパフォーマンスが収録されていて、たしかにこれをフルで聴くとちょっと疲れる気はする。
なので、実際に当時のジェイムス・ブラウンのショーを生で体験した人は、燃えつきるような心地よい疲労感があったのではないだろうか。
また、音質がいかにもアナログな感じで、オリンピア劇場という古いホール特有のリバーブ感がそのまま録音されていて臨場感がすごい。
デジタル録音ではないので、ベースラインなんかがぼやけてしまってるんだけど、実際の当時のライブってこんな感じなんだろうと思う。

このライブ時のバックバンドは、ベースにブーツィー・コリンズ、そしてギターはブーツィーの兄、フェルプス・コリンズという人。
とくにブーツィー・コリンズはファンク界では有名な人で、後にパーラメントやファンカデリックでも活躍している。
このライブ盤の熱さというのは、ブーツィーのベースが効いてるようで、下からブンブンと揺さぶるようなパワーが感じられる。

この完全盤によってようやく日の目を見るようになったJBファミリーのパートも、これまた熱いパフォーマンスで聞き応えたっぷりだ。
ボビー・バードとヴィッキー・アンダーソンが2曲づつ歌ってるけど、どちらも聴かなきゃ損なくらいである。

ジェームス・ブラウン パリ 1971 最強のLIVE!
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