山里ひぐらしの小径

木曽路の入り口、岐阜県中津川市から
人と自然とのかかわりをテーマに、山里、植物、離島など。

かわクジラと山里 椎葉村でもインドネシアでも

2010-02-04 | 山里
椎葉村の人は、昔、皮クジラをよく食べていた。
かわくじら、と聞いたとき、一瞬、川のクジラか?と思ったのだけど。
クジラの皮のところを塩漬けにした保存食。

椎葉村の中の嶽之枝尾という集落には背の高い人が多くて
それはなぜかというと、皮クジラとじゃがいもをよく食べるからだ、というのが村の人々が酒の肴に話すこと。
でも嶽之枝尾の人だけじゃなくて、ほかのところの人も食べている。

それどころか、私の住むあたり、恵那地方でも、結構食べていたってことが、今作っている聞き書き集から分かる。

以下、椎葉の90歳近いおばあちゃんの話。
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田植えですよ、米植え。あん時ゃクジラがないと田植えがでけんぐらいに喜びよったわね。クジラが、あこんた大きかったね、そこんた小さかったねー言うて。
(田植えの手伝いに行くとお昼のごちそうに皮くじらが出る)
お煮付けにしてね。
クジラはね、お金の都合のええとこはしょっちゅう使いよった。買うて食べよったよ。今のごと、魚があがってくるじゃなし。あっこのクジラが硬かった、そこのクジラが柔かったって言うとってねー、食べよった。
売りにきたり買いにいたりしよったよ。
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1、2年前にNHKのドキュメンタリーで、インドネシアの漁師がクジラ漁に行って、それを塊に切って干して、奥さんが山里に売りに行って代わりにコーンとか穀物を手に入れるってのをやっていた。
いずこも同じですね。