山里ひぐらしの小径

木曽路の入り口、岐阜県中津川市から
人と自然とのかかわりをテーマに、山里、植物、離島など。

カツオ木 餅花をつける木

2010-02-05 | 植物利用
恵那の北部の山里で「カツオ木」と呼ばれているものが何の木なのか、分からなかった。
地元の、多少なりとも詳しそうな人に
「カツオ木って何の木?」と聞くと、みんな
「カツオ木はー、カツオ木」という。

カツオ木は、その地域で、餅花をつける木の枝になる。
全国的にはミズキを使うことが多い。
枝が赤い、というのが必要条件のようだ。
カツオ木も枝が赤いという。

今日やっと分かった。ネジキだった。
木を伐って山を拓いたばかりのところに萌芽してくる低木で、枝が赤いというと
どうしてもネジキが思い浮かぶのだけれど
ネジキは毒がある、と思っていたので、ほかの木を一生懸命探していた。

枝には毒がないのだろうか。そもそも葉を食べてみたわけではないので、本当に毒があるのかもわからない。でもネジキはツツジ科の木で、ツツジ科には毒のあるものがちょくちょくあるから、ネジキに毒があってもおかしくない。

ネジキがない場合には、ハナノキを使うこともあるという人もいた。
確かにハナノキはカエデだから枝が赤そうだし(冬のハナノキをじっと見たことないけど)、幹の肌はネジキにちょっと似ている。


今日分かったのは、坂折の直さんが、その木の幹の断片を持っていて、見せてくれたから。
直さん何でももってる!
根元の方のこぶが面白い形になるので、地元の人はとってきては飾ったりしているみたいです。

2年越しの謎がとけてうれしい。

明日は大雪のようです。

とりもちを作っていた人の話~九州山地の山奥・91歳

2010-02-05 | 植物利用
昔はねえ、とりもちのいい値がしよったですよ。
ツゲの皮を夏はいで、池に入れて腐らかすわけ。春先になって、気候がよくなってから上げて、ついて、洗って、皮をすてて、洗って出しよった。
ねばるねばる。きれーな桶へ詰めて。もったいねーよーな桶へ詰めて。
皮で買う人もおって、村に。
みんなはやらんとよね。じきじきで、金がないときはそれせんとその日その日の生活ができだったっちゃ。この田舎じゃあねえ。