浦安中年期外伝

カミさんを師匠に修行中の週末の料理やポタリング、読み散らしてている本の事など

ようこそ、おいでいただきました。

歳をとると日々が過ぎて行くのがどんどん早くなっていきます。ブログの更新がやや散漫になりつつありますが、しっかり元気でやっております。
いろいろなジャンルの本を読み漁り書き散らしてきたウェブサイトは今年で20年を迎えました。これからもどうぞよろしくお願いいたします。 浦安中年期外伝(読書編)
最近新設したページ
2024年度第4クォーターのレビューのページを追加しました。

コンドル

2008-10-07 00:03:15 | 出来事
やや雲行きが怪しかったが八丁堀を目指して歩きました。途中i-PODが不調になる。どうやらバッテリー切れらしいのだが曲の途切れ方がこれまでにない嫌な感じだ。
加えてやっぱり雨も降りだした。もう、ついてない日は嫌なことが重なってくるな。

一方、今日はジェィムズ・グレイディの「コンドルの六日間」を読了。期待していた以上におもしろかった。
これって34年も前の本だ。この本が日本で出版されたのはロバート・レッドフォードの主演で映画化された「コンドル」が公開になった1975年だ。僕は11歳だ。

1975年はサイゴンが陥落しベトナム戦争が終結。沖縄国際海洋博覧会が開催され、テレビでは「フランダースの犬」が放送された年でもあった。
「フランダースの犬」を観て日本中の純粋無垢な少年少女が涙にくれていた頃、僕は「コンドル」みたいな映画にハマっていたという事だ。
随分と変わったマセたガキであった訳だ。

この本を読むのは今回が初めてなのだが、要所要所は映画と被っており初めて読んだ気がしない。そして読んでいて思い出したのがこの主人公の仕事だ。
この主人公はCAIの末端の末端にある小さな部署に所属しているのだが、その仕事と云うのが、出版されているミステリー小説を読み分析して報告する事なのだ。
一日中本を読んでいて給料がもらえるなんて。なんてうらやまい生活。そんな仕事があるのならぜひともなりたいと思ったものだ。

今でも、そんな仕事があるよと言われたら、一も二もなく飛びつくんだけどな~。


ところで、会社で今日は今自分が34年前のミステリ小説を読んでいると言ったら、周囲のメンバー全員の生まれる前の本だった。
僕にしてみればつい先日。「マジですか。」やや呆然としていると。返す刀で

「入社した頃って、ポケベルってありました?」と云う質問を受けた。

僕が入社したのは22年前。その頃に、ポケベルなんてなかったよ。気配すら。

なんせパソコンではなく端末と呼ばれるコンピューターが部署に一台漸く配備されたばかりでした。
端末は専用線で本社の汎用機と接続され、正に業務系の処理をする為だけに存在してる感じでした。当時はFAXが一台百五十万円くらいだったんじゃないだろうか。

端末の画面は、黒字にグリーンの文字と罫線と云う素っ気ないものでフロッピィデスクは8インチ、容量は確か1MB。
ついでに申し添えればマウスは取り付ける為のI/Oも含めて存在しない。

そしておまけのように付いていた表計算ソフトは256行しかなかったと思う。256行でも最初は全く問題がなかったのだ。なんて言ったって表計算ソフトってどうやって使うか誰も知らなかったのだから。


当然インターネットもヤフーもウィキピディアも概念も影も形もなかった頃の話しだ。
後々繋がりだしても何ができるのかどんな役に立つのか、さっぱりわからない状態だったのだ。それが今やあって当たり前、なかった頃の事が思い浮かばない位に激変している。これはやっぱり凄い進歩をしてきたんだね。

ドラえもんの漫画のように未来はもう少し大きな驚きを含んだ世界なのだとおもっていたけど、過去からやって来たのびた君がびっくりするよりも寧ろ、未来の人たちが過去の僕たちの生活ぶりを見てあっと驚くような感じで、これもやはり予想を超えたものであったと思う。

今後、10年20年後、僕たちの世界は更にどんな風に変わっていくのかな。

だいぶ遅くなってしまったけれど、高エネルギー加速器研究機構の小林誠名誉教授(64)と益川敏英京都大名誉教授(68)そして米シカゴ大の南部陽一郎(87)のノーベル賞受賞おめでとうございます。当時の僕の好奇心の扉を正に開いてくれた方達だと思います。宇宙論や科学読み物に自分の嗜好が向いたのもこの方達の活躍があったからこそだと思います。