10・11日で”山の会”のメンバK藤さんとN川さんとで
甲斐駒ヶ岳へ日本三大急登の一つ黒戸尾根を登って行ってきました
山行者:(CL)K藤さん、(SL)N川さん、僕の3人
山行日:10~11日
天気:10日 朝のうちまで雨、くもりのち晴れ
11日 晴れ
CT:
10日 ”山の会”駐車場(P)4:50=大垣IC=小渕沢IC=尾白渓谷P8:15…
休憩9:08~9:15…笹ノ平分岐点10:04~10:10…
刃渡り11:35~11:40…刃利天狗(昼休憩)11:56~12:17…
五合目小屋跡12:50~12:55…七丈第一小屋13:40(小屋泊)
11日 七丈第一小屋3:30起床/4:29…休憩5:10~5:16…八合目5:17~5:22…
山頂6:16~6:51…八合目7:35~7:42…七丈第一小屋8:10~8:39…
五合目小屋跡9:15~9:25…刃利天狗9:58…休憩10:42~10:52…
尾白渓谷P12:06=蔦木宿温泉=小渕沢IC=大垣IC= ”山の会”P18:00
≪一日目≫
3連休一日目は雨であったが晴れ男3人のパワーなのか
出発の朝は曇っていたが徐々に天候は回復に向かう。
連休中の中の日であったが渋滞にはまることなく高速を通過、
小渕沢ICで降り登山口の尾白渓谷駐車場へと向かう。
車中から見る甲斐駒ヶ岳は上半分は雲の中、晴れ男の登攀ともに雲は消え去るであろう。
今回は日本三大急登の一つ黒戸尾根を登って甲斐駒ヶ岳頂に登り詰める。
駐車場にはすでに車が数台、
前日からか、それとも僕らと同じ今日からか物好きさんの車が数台停めてあった。
僕らも準備を整え出発する。
周りにはどう見ても山ガールは居ない、
居るのは物好きさんか変態さんか…
いえいえ、勿論敬意を表して言っているわけですが。
巨大なコケシっぽい“甲斐駒ケ岳登山口”と書かれた標柱を過ぎ去ると暫く舗装路、
(コケシ?サル?ナニ?)
比較的新しい社のある竹宇駒ヶ岳神社で安全登山祈願してから
尾白川に掛かる吊橋を渡り神蛇滝への道を分け七丈小屋の案内板を見て登山道へ。
(いきなり難関)
ここから暫くは十二曲がりというところ。緩やかなジグザグの道を登っていきます。
足元にはゴロゴロとした石と栗のイガがいっぱい落ちていました。
イガだけが落ちているのかと思ったら、栗の実も落ちていましたので、拾いながら登っていきます。
(無我夢中で栗拾いするK藤さん)
七丈小屋に着いたら炒って食べようか
α米に混ぜて栗ご飯にしようかと話をしていましたが、
小屋番さんに森の生き物の大事な食べ物だからと言われて没収されてしまいました。
栗を拾ったのは僕らだけではなく他の登山者もいたようで
没収した栗が入ったビニール袋にはそこそこ栗が溜まっていました。
小屋番さん、下界へ下りるときに森へ返すのでしょうかね?
栗がいっぱい落ちている登山道ですから、周りは広葉樹林に覆われています。
奥美濃は植林されたところが多いので昼間でも薄暗いところがありますがここは明るいです。
道の脇には古い祠などがあり、歴史を感じさせてくれます。
尾白渓谷駐車場から2時間弱で笹の平分岐点、横手登山口からの道と合流する。
笹の平からは暫く緩やかな道となり、
まだまだ紅葉のはじまってない緑の葉と低い笹の原が目を癒してくれる。
(いいねぇ~)
そんな癒しもいつまでも続くわけではなく、八丁坂からは急登となる。
一気に250m程標高を稼ぐ、ゆっくりゆっくり登ったのでまだまだ余裕があった。
(八丁坂を越えた辺り、幻想的だ)
長い急登が終わると一旦平坦地となり、暫く行くとナイフリッジの上を行く”刃渡り”だ。
(コケて刃が股に刺さっちゃたらどーしよーかとびくびくしてました・・・行くまでは)
刃渡りはインターネットやガイドブックなどでかなり危ない様に書かれているが、
鎖がちゃんと付いており登山靴のグリップを利かしてゆっくりいけばそれほど問題ないように感じられた。
しかし、全く危険が無いわけではないのでそれくらいに脅しておいて
緊張感を持って進むのがちょうどよいかもしれない。
刃渡りは特に南側がすぱっと切れ落ちている。
往路はやや雲がかっていて見にくかったが、復路(12日)は天気が良く、下まで見えた。
覗き込むとかなりの高度差が分かり、足元がすくむ。
(踏み出せばかなり下まで落ちます)
どんなところでもそうだが登りよりも下りの方が高度差を感じるものだ。
刃渡りを過ぎると、ハシゴや鎖の連続。
これを過ぎれば刃利天狗というところに着く。
(ブレブレ)
ちょっと平らな所で祠やベンチがあり、休憩するにはちょうどいい。
昼食をとるため休憩に入った。
(晴れてきました)
刃利天狗からは初め黒戸山の北尾根を登っていくが、
途中から向きを変え左に山を見ながらトラバースする。
地面は苔蒸しているところが多く、湿っぽい感じがする。
中には岩を覆い尽くしたうえに生えている木など面白いものがあった。
黒戸山のトラバース路からやや標高を下げて五合目小屋跡、
ここには大きな岩にぽっかりと穴のあいた岩小屋とレリーフが取り付けられていた。
(岩小屋とK藤さんとレリーフ)
(五合目から七合目を望む)
ここも平らな場所があり休憩するにはもってこいだ。
祠の脇を通り長い梯子と短い梯子を登って木の桟橋へ。
(長ーい梯子)
ここを通過すれば険しい岩壁の連続となり、ハシゴ、鎖が続く。
(怖くてあんまり撮れませんでした)
一日目の行程の中では一番の難所であった。
一つピークを越えてから時計回りに山を回り込むとトンガリ屋根の七丈小屋が見えた。
南アルプスによくある感じのこぢんまりとした小屋。
(違う角度から)
(色付いたナナカマド)
(小屋前から富士山と鳳凰三山)
やや重たい引き戸を開けると真ん中に廊下、両側に寝床がある。
(小屋内のギャラリー”南アルプスのおいしそうな動物たち(嘘)”)
階段を上がるとそこにも寝床があるようだがよほど客が来ない限り使わないそうだ。
泊まりの受付をする。
素泊まり寝具無しは¥3500、素泊まり寝具ありは¥4500、
今年は訳あってヘリが飛ばないそうなので食事はなし、
缶ビールや軽食の類は置いてあった(歩荷で運び上げている?)ので缶ビールとおつまみだけ買う。
(プレミアムがいっぱい)
消灯時間に解ったのだが寝具あり無しの差額¥1000は掛け布団のあり無しだけだった。
マットレスに敷き毛布は寝具あり無しに関わらず全員分敷く。
小屋内はストーブが夜通し焚かれており室内温度計は22℃を示していた。
シュラフで寝る予定であったが暑くて枕だけで寝ることが出来た。
受付を済ましたら後はやること無しでのんびり。
午後2時に七丈小屋に着いたので夕飯にするには早すぎるので、
缶ビールを飲みつつおつまみを食べつつ
K藤さんの梅酒をもらい、N川さんにも焼酎をもらってまったりとした。
5時頃になって夕食の準備、ストーブに大きなやかんが掛けてあるので使わしてもらう。
今回は自炊であったが、この小屋の食事はなかなか良いと評判である、
今度黒戸尾根を登る機会がったらぜひ小屋の食事を頂きたい(ヘリでの荷揚げ再開が絶対条件だが)。
夕食も終わって後はもう寝るだけ、まだ時間は6時を回ったところなので下界だったらかなり早い。
歯磨きのついでに星空でも見ることにする。
小屋前の水場と登山道脇トイレのちょうど中間あたりからは甲府市だろうか?綺麗な夜景が見える。
空に目をやると綺麗な星空が見える。
夕方頃に月入りしているので、月の明かりの影響が無くて天の川まで見える。
しかし、雲がよく流れてきて空を覆いいつまでも見ることが出来ない。
当然風も強く、じっとしていると寒いのでそそくさと小屋へ戻った。
小屋に戻ると登山者グループの一つが明日は3時か3時半起きですが…どうこう言っている。
僕らはもう少し遅い予定だあったが、ガサゴソやられると起きてしまうし、
まあ早く行動すれば早く下山できるので僕らも3時半に起きることにしようということになった。
(消灯前の小屋内)
(自分の寝床スペース、シュラフは頼りない抱き枕になった)
(小屋内の電球傘は”日清ラ王”、ちなみ電球はLEDタイプ)
≪二日目≫
イビキやらなんやらに何度か起こされたのだが2時半頃にトイレに起きた。
夜通しストーブが掛かっているせいか空気が悪く、目や鼻が乾燥気味で痛い。
トイレを済まして小屋玄関から数段上がったところにある高台に上がり空を見上げる。
昨晩の雲は完全に消えていて満天の星空が広がっている。
目が慣れてくるとうっすらだが天の川が見える。
南の空にはオリオンがありすっかり冬の星空だ。
星空を十分堪能し小屋へ戻った。小屋の中は物凄く暖かい。一瞬でメガネが曇った。
一時間程して暗闇の中、K藤さんに強引に起こされる。
星!星!とか言っている。
K藤さんは星を見るために山を始めたらしく、やたら星に詳しい。
どうやら星空を僕に見せたくて起こしたらしいが(暗闇の中足を叩かれたのでかなりびっくりした)
一時間程前に見ましたので…と断ってから起きることにした。
N川さんも起きて外に出て行った。星を見に行ったのかな?
周りの人ももそもそと起きだして朝飯の準備をしている。
(まだ3時半だよ??全員起床!!)
僕も頭を起こして朝飯の準備をした。ほどなくK藤さんとN川さんは小屋に戻ってきた。
朝飯も個々で準備だが、僕は今回カップ麺にした。
汁物で麺は喉を通りやすい、
南アルプス縦走で朝は汁物だが雑炊を食べたがなぜか喉を通らなかった。
麺はつるつると入っていくのでよい。
下界だったら朝からカップ麺なんて有り得ないが。
朝食の片付けをしている最中、甲斐駒ヶ岳へ目指す人が続々と小屋を出て出発する。
僕も朝食後パッキングしなおして準備万端、
テント泊縦走じゃないから起きてから出発までがかなり楽だ。
4時半に出発、当然真っ暗なのでヘッドライトを付けて進む。
(4時半の小屋前、当然真っ暗)
七丈第一小屋と第二小屋の間の梯子を登りチョイチョイと進んでいくと
テント場、3、4張りあったが明かりを付けてガサゴソとやっている。
テント場を過ぎるといよいよ急登のはじまり、朝一番にこの登りは辛い。
暫く登っていってふと振り返ると地平線が赤く染まっている。
地平線の赤いところから空のまだ黒く暗いところまでの
グラデーションがとても素晴らしい。N川さんお気に入りだそうだ。
八合目からは雲海が浮かぶ諏訪の町、八ヶ岳やまだ眠りについている甲府の町、
(八合目、前方に甲斐駒頂)
(夜明け前の富士と鳳凰三山)
鳳凰三山の左手から顔をのぞかせている富士山を見えることが出来る。ホント素晴らしい。
巨岩に2本の鉄剣が突き刺さるちょっと下で、御来光。
(真ん中に2本刺さってるのは避雷針じゃなくて鉄剣、どうやって刺したのだろう??)
(雲海が浮かぶのは諏訪湖あたり)
(すんごい岩)
(朝日に焼ける岩)
東京あたりには雲があるが太陽が出る地平線には全く雲が無く、
素晴らしい御来光を望むことが出来た。
八合目から頂上までは鎖場もあったりする難所の連続。
ほぼ垂直に登ったりするところもありかなり緊張した。
七丈小屋から2時間も掛からず頂上に到着。
(鳳凰三山のバックに富士山、地蔵岳のオベリスク(突起)も見える)
頂上には七丈小屋から上がってきた人が数人、仙水峠から登ってきた人は全くいなかった。
記念撮影し、喜びを分かち合う。山頂には30分ほど滞在。
山頂でとんでもないアクシデント発生。
撮ってもらえばいいのに、何を思ったのか>自分、標柱にカメラを載せて自分撮り。
シャッターが降りた後、ビューンと風が吹いてデジカメが地面にたたきつけられた。
プロテクター付けてあるから大丈夫だもんねと思って拾ってみたら、
な、な、なんとレンズが割れている。
(やっちまったなー)
山頂は岩がぼこぼこ地面から出ているので、うまいこと?レンズ部分が岩に当ったようだ。
超ショックである。撮ってもらえばこんな事起こるはずもないのに。
なんであんな行動に出てしまったのか自分でも不思議である。
下りはもちろん何も写真は残せないまま。自業自得だから仕方がないか。
七丈小屋までは1時間半もかからず到着、コーヒーを飲んで一息入れてから下山に掛かった。
登りはそれ程悪く思わなかった。ハシゴ・鎖場・急登だったが、
下りは足元竦むは膝に負担が掛かるわでかなりキツかった。
若いもんが…とはK藤さんの弁だが、
K藤さん下る程に足取りがどんどん軽くなっていく、
最後の下り、十二曲がりではかなり早足で下って行った。
山頂から登山口まで休憩時間を除くとなんと4時間半弱で降り立った。
帰りに日帰り温泉施設で汗を流し、食事をしてから岐路に就いたが、
今日は3連休の最後、中央道で長―い渋滞にはまってしまった。
行きは3時間程、帰りは4時間程、渋滞で1時間程余計にかかった計算である。
大垣には18時頃に到着し、自宅には何とか夕食前に就くことが出来た。
黒戸尾根、なかなか手強いです。
登りはゆっくりいけば何とかなりますが、
山頂から2200m一気下りはかなり足にきます。
山行翌日、朝から脹脛、膝、膝の上の筋、腰、背中が痛いです。
普段の山行なら翌日なんともないのですがね…。
山行二日目に黒戸尾根で甲斐駒ヶ岳を日帰り往復される方に
何人か会いましたが、機会があればチャレンジしたいですね。
往復で12時間程だと思いますので、登山口3~4時出発といったところでしょう。
今回お流れとなってしまった早月尾根往復で剱岳も来年チャレンジしてみたいと思います。
甲斐駒ヶ岳へ日本三大急登の一つ黒戸尾根を登って行ってきました
山行者:(CL)K藤さん、(SL)N川さん、僕の3人
山行日:10~11日
天気:10日 朝のうちまで雨、くもりのち晴れ
11日 晴れ
CT:
10日 ”山の会”駐車場(P)4:50=大垣IC=小渕沢IC=尾白渓谷P8:15…
休憩9:08~9:15…笹ノ平分岐点10:04~10:10…
刃渡り11:35~11:40…刃利天狗(昼休憩)11:56~12:17…
五合目小屋跡12:50~12:55…七丈第一小屋13:40(小屋泊)
11日 七丈第一小屋3:30起床/4:29…休憩5:10~5:16…八合目5:17~5:22…
山頂6:16~6:51…八合目7:35~7:42…七丈第一小屋8:10~8:39…
五合目小屋跡9:15~9:25…刃利天狗9:58…休憩10:42~10:52…
尾白渓谷P12:06=蔦木宿温泉=小渕沢IC=大垣IC= ”山の会”P18:00
≪一日目≫
3連休一日目は雨であったが晴れ男3人のパワーなのか
出発の朝は曇っていたが徐々に天候は回復に向かう。
連休中の中の日であったが渋滞にはまることなく高速を通過、
小渕沢ICで降り登山口の尾白渓谷駐車場へと向かう。
車中から見る甲斐駒ヶ岳は上半分は雲の中、晴れ男の登攀ともに雲は消え去るであろう。
今回は日本三大急登の一つ黒戸尾根を登って甲斐駒ヶ岳頂に登り詰める。
駐車場にはすでに車が数台、
前日からか、それとも僕らと同じ今日からか物好きさんの車が数台停めてあった。
僕らも準備を整え出発する。
周りにはどう見ても山ガールは居ない、
居るのは物好きさんか変態さんか…
いえいえ、勿論敬意を表して言っているわけですが。
巨大なコケシっぽい“甲斐駒ケ岳登山口”と書かれた標柱を過ぎ去ると暫く舗装路、
(コケシ?サル?ナニ?)
比較的新しい社のある竹宇駒ヶ岳神社で安全登山祈願してから
尾白川に掛かる吊橋を渡り神蛇滝への道を分け七丈小屋の案内板を見て登山道へ。
(いきなり難関)
ここから暫くは十二曲がりというところ。緩やかなジグザグの道を登っていきます。
足元にはゴロゴロとした石と栗のイガがいっぱい落ちていました。
イガだけが落ちているのかと思ったら、栗の実も落ちていましたので、拾いながら登っていきます。
(無我夢中で栗拾いするK藤さん)
七丈小屋に着いたら炒って食べようか
α米に混ぜて栗ご飯にしようかと話をしていましたが、
小屋番さんに森の生き物の大事な食べ物だからと言われて没収されてしまいました。
栗を拾ったのは僕らだけではなく他の登山者もいたようで
没収した栗が入ったビニール袋にはそこそこ栗が溜まっていました。
小屋番さん、下界へ下りるときに森へ返すのでしょうかね?
栗がいっぱい落ちている登山道ですから、周りは広葉樹林に覆われています。
奥美濃は植林されたところが多いので昼間でも薄暗いところがありますがここは明るいです。
道の脇には古い祠などがあり、歴史を感じさせてくれます。
尾白渓谷駐車場から2時間弱で笹の平分岐点、横手登山口からの道と合流する。
笹の平からは暫く緩やかな道となり、
まだまだ紅葉のはじまってない緑の葉と低い笹の原が目を癒してくれる。
(いいねぇ~)
そんな癒しもいつまでも続くわけではなく、八丁坂からは急登となる。
一気に250m程標高を稼ぐ、ゆっくりゆっくり登ったのでまだまだ余裕があった。
(八丁坂を越えた辺り、幻想的だ)
長い急登が終わると一旦平坦地となり、暫く行くとナイフリッジの上を行く”刃渡り”だ。
(コケて刃が股に刺さっちゃたらどーしよーかとびくびくしてました・・・行くまでは)
刃渡りはインターネットやガイドブックなどでかなり危ない様に書かれているが、
鎖がちゃんと付いており登山靴のグリップを利かしてゆっくりいけばそれほど問題ないように感じられた。
しかし、全く危険が無いわけではないのでそれくらいに脅しておいて
緊張感を持って進むのがちょうどよいかもしれない。
刃渡りは特に南側がすぱっと切れ落ちている。
往路はやや雲がかっていて見にくかったが、復路(12日)は天気が良く、下まで見えた。
覗き込むとかなりの高度差が分かり、足元がすくむ。
(踏み出せばかなり下まで落ちます)
どんなところでもそうだが登りよりも下りの方が高度差を感じるものだ。
刃渡りを過ぎると、ハシゴや鎖の連続。
これを過ぎれば刃利天狗というところに着く。
(ブレブレ)
ちょっと平らな所で祠やベンチがあり、休憩するにはちょうどいい。
昼食をとるため休憩に入った。
(晴れてきました)
刃利天狗からは初め黒戸山の北尾根を登っていくが、
途中から向きを変え左に山を見ながらトラバースする。
地面は苔蒸しているところが多く、湿っぽい感じがする。
中には岩を覆い尽くしたうえに生えている木など面白いものがあった。
黒戸山のトラバース路からやや標高を下げて五合目小屋跡、
ここには大きな岩にぽっかりと穴のあいた岩小屋とレリーフが取り付けられていた。
(岩小屋とK藤さんとレリーフ)
(五合目から七合目を望む)
ここも平らな場所があり休憩するにはもってこいだ。
祠の脇を通り長い梯子と短い梯子を登って木の桟橋へ。
(長ーい梯子)
ここを通過すれば険しい岩壁の連続となり、ハシゴ、鎖が続く。
(怖くてあんまり撮れませんでした)
一日目の行程の中では一番の難所であった。
一つピークを越えてから時計回りに山を回り込むとトンガリ屋根の七丈小屋が見えた。
南アルプスによくある感じのこぢんまりとした小屋。
(違う角度から)
(色付いたナナカマド)
(小屋前から富士山と鳳凰三山)
やや重たい引き戸を開けると真ん中に廊下、両側に寝床がある。
(小屋内のギャラリー”南アルプスのおいしそうな動物たち(嘘)”)
階段を上がるとそこにも寝床があるようだがよほど客が来ない限り使わないそうだ。
泊まりの受付をする。
素泊まり寝具無しは¥3500、素泊まり寝具ありは¥4500、
今年は訳あってヘリが飛ばないそうなので食事はなし、
缶ビールや軽食の類は置いてあった(歩荷で運び上げている?)ので缶ビールとおつまみだけ買う。
(プレミアムがいっぱい)
消灯時間に解ったのだが寝具あり無しの差額¥1000は掛け布団のあり無しだけだった。
マットレスに敷き毛布は寝具あり無しに関わらず全員分敷く。
小屋内はストーブが夜通し焚かれており室内温度計は22℃を示していた。
シュラフで寝る予定であったが暑くて枕だけで寝ることが出来た。
受付を済ましたら後はやること無しでのんびり。
午後2時に七丈小屋に着いたので夕飯にするには早すぎるので、
缶ビールを飲みつつおつまみを食べつつ
K藤さんの梅酒をもらい、N川さんにも焼酎をもらってまったりとした。
5時頃になって夕食の準備、ストーブに大きなやかんが掛けてあるので使わしてもらう。
今回は自炊であったが、この小屋の食事はなかなか良いと評判である、
今度黒戸尾根を登る機会がったらぜひ小屋の食事を頂きたい(ヘリでの荷揚げ再開が絶対条件だが)。
夕食も終わって後はもう寝るだけ、まだ時間は6時を回ったところなので下界だったらかなり早い。
歯磨きのついでに星空でも見ることにする。
小屋前の水場と登山道脇トイレのちょうど中間あたりからは甲府市だろうか?綺麗な夜景が見える。
空に目をやると綺麗な星空が見える。
夕方頃に月入りしているので、月の明かりの影響が無くて天の川まで見える。
しかし、雲がよく流れてきて空を覆いいつまでも見ることが出来ない。
当然風も強く、じっとしていると寒いのでそそくさと小屋へ戻った。
小屋に戻ると登山者グループの一つが明日は3時か3時半起きですが…どうこう言っている。
僕らはもう少し遅い予定だあったが、ガサゴソやられると起きてしまうし、
まあ早く行動すれば早く下山できるので僕らも3時半に起きることにしようということになった。
(消灯前の小屋内)
(自分の寝床スペース、シュラフは頼りない抱き枕になった)
(小屋内の電球傘は”日清ラ王”、ちなみ電球はLEDタイプ)
≪二日目≫
イビキやらなんやらに何度か起こされたのだが2時半頃にトイレに起きた。
夜通しストーブが掛かっているせいか空気が悪く、目や鼻が乾燥気味で痛い。
トイレを済まして小屋玄関から数段上がったところにある高台に上がり空を見上げる。
昨晩の雲は完全に消えていて満天の星空が広がっている。
目が慣れてくるとうっすらだが天の川が見える。
南の空にはオリオンがありすっかり冬の星空だ。
星空を十分堪能し小屋へ戻った。小屋の中は物凄く暖かい。一瞬でメガネが曇った。
一時間程して暗闇の中、K藤さんに強引に起こされる。
星!星!とか言っている。
K藤さんは星を見るために山を始めたらしく、やたら星に詳しい。
どうやら星空を僕に見せたくて起こしたらしいが(暗闇の中足を叩かれたのでかなりびっくりした)
一時間程前に見ましたので…と断ってから起きることにした。
N川さんも起きて外に出て行った。星を見に行ったのかな?
周りの人ももそもそと起きだして朝飯の準備をしている。
(まだ3時半だよ??全員起床!!)
僕も頭を起こして朝飯の準備をした。ほどなくK藤さんとN川さんは小屋に戻ってきた。
朝飯も個々で準備だが、僕は今回カップ麺にした。
汁物で麺は喉を通りやすい、
南アルプス縦走で朝は汁物だが雑炊を食べたがなぜか喉を通らなかった。
麺はつるつると入っていくのでよい。
下界だったら朝からカップ麺なんて有り得ないが。
朝食の片付けをしている最中、甲斐駒ヶ岳へ目指す人が続々と小屋を出て出発する。
僕も朝食後パッキングしなおして準備万端、
テント泊縦走じゃないから起きてから出発までがかなり楽だ。
4時半に出発、当然真っ暗なのでヘッドライトを付けて進む。
(4時半の小屋前、当然真っ暗)
七丈第一小屋と第二小屋の間の梯子を登りチョイチョイと進んでいくと
テント場、3、4張りあったが明かりを付けてガサゴソとやっている。
テント場を過ぎるといよいよ急登のはじまり、朝一番にこの登りは辛い。
暫く登っていってふと振り返ると地平線が赤く染まっている。
地平線の赤いところから空のまだ黒く暗いところまでの
グラデーションがとても素晴らしい。N川さんお気に入りだそうだ。
八合目からは雲海が浮かぶ諏訪の町、八ヶ岳やまだ眠りについている甲府の町、
(八合目、前方に甲斐駒頂)
(夜明け前の富士と鳳凰三山)
鳳凰三山の左手から顔をのぞかせている富士山を見えることが出来る。ホント素晴らしい。
巨岩に2本の鉄剣が突き刺さるちょっと下で、御来光。
(真ん中に2本刺さってるのは避雷針じゃなくて鉄剣、どうやって刺したのだろう??)
(雲海が浮かぶのは諏訪湖あたり)
(すんごい岩)
(朝日に焼ける岩)
東京あたりには雲があるが太陽が出る地平線には全く雲が無く、
素晴らしい御来光を望むことが出来た。
八合目から頂上までは鎖場もあったりする難所の連続。
ほぼ垂直に登ったりするところもありかなり緊張した。
七丈小屋から2時間も掛からず頂上に到着。
(鳳凰三山のバックに富士山、地蔵岳のオベリスク(突起)も見える)
頂上には七丈小屋から上がってきた人が数人、仙水峠から登ってきた人は全くいなかった。
記念撮影し、喜びを分かち合う。山頂には30分ほど滞在。
山頂でとんでもないアクシデント発生。
撮ってもらえばいいのに、何を思ったのか>自分、標柱にカメラを載せて自分撮り。
シャッターが降りた後、ビューンと風が吹いてデジカメが地面にたたきつけられた。
プロテクター付けてあるから大丈夫だもんねと思って拾ってみたら、
な、な、なんとレンズが割れている。
(やっちまったなー)
山頂は岩がぼこぼこ地面から出ているので、うまいこと?レンズ部分が岩に当ったようだ。
超ショックである。撮ってもらえばこんな事起こるはずもないのに。
なんであんな行動に出てしまったのか自分でも不思議である。
下りはもちろん何も写真は残せないまま。自業自得だから仕方がないか。
七丈小屋までは1時間半もかからず到着、コーヒーを飲んで一息入れてから下山に掛かった。
登りはそれ程悪く思わなかった。ハシゴ・鎖場・急登だったが、
下りは足元竦むは膝に負担が掛かるわでかなりキツかった。
若いもんが…とはK藤さんの弁だが、
K藤さん下る程に足取りがどんどん軽くなっていく、
最後の下り、十二曲がりではかなり早足で下って行った。
山頂から登山口まで休憩時間を除くとなんと4時間半弱で降り立った。
帰りに日帰り温泉施設で汗を流し、食事をしてから岐路に就いたが、
今日は3連休の最後、中央道で長―い渋滞にはまってしまった。
行きは3時間程、帰りは4時間程、渋滞で1時間程余計にかかった計算である。
大垣には18時頃に到着し、自宅には何とか夕食前に就くことが出来た。
黒戸尾根、なかなか手強いです。
登りはゆっくりいけば何とかなりますが、
山頂から2200m一気下りはかなり足にきます。
山行翌日、朝から脹脛、膝、膝の上の筋、腰、背中が痛いです。
普段の山行なら翌日なんともないのですがね…。
山行二日目に黒戸尾根で甲斐駒ヶ岳を日帰り往復される方に
何人か会いましたが、機会があればチャレンジしたいですね。
往復で12時間程だと思いますので、登山口3~4時出発といったところでしょう。
今回お流れとなってしまった早月尾根往復で剱岳も来年チャレンジしてみたいと思います。
隣はイビキの大きいオヤジでしょう
カメラはご愁傷様でした
カメラは早速修理に出しました。
こういう破損は保証期間内でも有償なんだってね。
わかっちゃいたけど。
暫くは水場はオプティオw60使います。