今回は今年初夏に歩いた“高島トレイル”愛発越~水坂峠の続きである。
正確には武奈ヶ嶽~水坂峠間は道を間違えてトレイルを外れてしまったので、
続いてはいない。
今回計画では水坂峠から三国岳までトレイルを歩き朽木桑原へと下山する予定であったが、
途中で左膝が痛みだしたのでナベクボ峠から朽木生杉へエスケープした。
ナベクボ峠~三国岳間も水坂峠~武奈ヶ嶽間同様またの機会のチャレンジしたい。
山行者:単独
山行日:2010年10月23日(土)~24日(日)
天気:23日(土)晴れ時々くもり 24日(日)くもりのち雨
CT:
23日(土) 自宅3:30=近江今津駅(東口無料P)5:38/6:35=JR線若江バス=
保坂バス停6:55/6:58…水坂峠7:15…二の谷山8:15…桜峠9:00…
搦谷越9:15…休憩9:45~9:55…行者山10:32…横谷峠11:10~11:25…
池12:40~12:50…駒ヶ越13:15…駒ヶ岳13:24~13:44…池河内越14:18…
休憩14:47~14:57…桜谷山15:03…木地山峠15:16(テント泊)
24日(日) 木地山峠(起床)4:30/5:55…百里ヶ岳6:35~6:45…根来坂峠7:21~7:25…
おにゅう峠7:36~7:39…休憩7:53~7:58…P809 8:53…分岐8:54~9:05…
(ナベクボ峠⇒左膝に痛みがあったため生杉へエスケープ)
ナベクボ峠9:50~9:55…三国峠登山口(林道)10:19…生杉バス停10:36…
西小学校バス停11:01/12:40=高島市コミュニティバス針畑線=
朽木学校前13:28/14:37=若江交通朽木線=
JR安曇川駅15:05/15:26-JR湖西線-JR近江今津駅15:34=自宅18:00
≪一日目≫
JR近江今津駅発のJR小浜駅行きのバスに乗るため、
JR近江今津駅東側にある一時利用者用無料駐車場に車を停める。
朝5時半頃に着いたが結構車で埋まっている。
長時間利用者は有料駐車場を使って下さいとのことだが
長時間どころか長期間使ってそうな車(利用者)が多い気がする。
自分も長時間利用者なのだが、まあ確実に2日間だけだし(遭難したら別だが)、
有料駐車場がどこで幾ら掛かるか解らないし…と、甘えさせてもらうことにした。
バス出発15分前にバス停へ移動、朝一番のバスに乗り込む。
乗客は僕一人だけ、バスの大きさを考えると凄くもったいない気がする。
混雑期はどれほど客が増えるのだろうか?
20分ほどで保坂バス停に到着、結局ここまで客は僕一人だった。
保坂バス停からはR367を暫く歩き、交番のところから水坂峠への道へ入る。
保坂バス停から20分程で水坂峠に到着。
二ノ谷山登山口と書かれた標柱を見て、登山道に入っていく。
(道路を挟んで反対・武奈ヶ嶽側にある水坂峠T=高島T=トレイル標柱)
左手に真新しい砂防堰堤が2基、水はとても飲めそうな感じではない。
可愛らしい大きさの鉄塔真下に出ると眺望が開ける、
若狭街道を挟んだ向こう側には武奈ヶ嶽が見える。
鉄塔を過ぎると急登の連続である、尾根をほぼ直登するように道が付けられていている。
のっけからこれはキツイ、P486に出るまで標高差200mの重労働をさせられる。
P486から南に延びる尾根道で一旦緩やかになる。
東へ目を向けると木々の間から朝日にきらめく琵琶湖と霊仙山が見えた。
ゆったりとした歩きもつかの間で、二ノ谷山への登りで再び標高差100m程の急登を登らされる。
長細い頂に上がるとスグに分岐、桜峠と頂上へ別れている。
1・2分の歩きで二ノ谷山頂上、“高島トレイル 二の谷山”の標柱と三角点がある。
展望はなし、最高点は離れていて北西にちょっと行ったところにある。
分岐まで戻って桜峠まで下りる。
桜峠までのみちもこれまた急登(坂)、どちらから登っても苦労させられそうだ。
木々の間から大きな採石場を右手に見ながら下りていく。
やがて車の音が聞こえて下にR367見え、真ん前に白い建物の環境センターが姿を現す。
杉林の中から交通量の多い鯖街道R367に出た。真ん前にスピード注意の看板。
R367に出たら車道脇を朽木方面へ歩く、暫く行くと椋川⇒の標識がある丁字路を右折。
10分程歩くと左手に廃墟のような別荘地が見えてくる。
別荘地内へ直接入っていく道には入らないで過ぎ去ると“行者山登山口”の標柱。
休耕田?を右に見て100m程歩くと“行者山 約3キロ ご安全に”の看板、ココから入っていく。
道はすぐに右に折れ少しトラバースしてUターンし尾根を登っていく。
ここから暫くは植林地内のやや薄暗い道を行く。
途中で2か所ほどアンテナを見つけた。
中継局とかそういう類ではないように見える。
熊や鹿に発信器を付けて行動を調査するためのものであろうか?
行者山登山口から1時間15分程で行者山頂上に到着、
ここも二の谷山と同じく縦走路から外れているので頂上手前に三ツ俣分岐がある。
植林地内の頂上、全く展望なし、しかも薄暗い。
三角点を埋設した時はまだ植林はしてなかったのであろうか?
その時はここから眺めも良かったのであろう。分岐に戻り、トレイルを進む。
500m台のピークを2つ越えると横谷峠に出る。
横谷峠は林道が横切っており、車で難なく上がれそうだ。
林道を西へちょっと進んだ山側に駒ヶ岳登山口はある。
パッと見、ちょろちょろと水が流れているし小さな谷か何かと思ったが、
脇の木の幹に“駒ヶ岳登山口”と書かれた木の板が掛けられ、
高島トレイルを示す黄色いテープも木の幹に巻かれていたので登山口と認識できた。
ここも尾根をほぼ直登する。
P744を過ぎると比較的なだらかな登ったり下ったりの稜線歩き。
始めのうちは植林地であったが、ブナの原生林に変わる。
(ブナ林の中の名もない池)
あいにく紅葉には早過ぎたようだが(紅葉を通り過ぎて散っているのもある)、
ずーっと薄暗い、パッとしない植林地を歩いてきたので
明るい緑のシャワー注ぐブナ林を歩くのはいい気分である。
(駒ケ岳手前の駒ガ越TT標識)
横谷峠から2時間程で駒ヶ岳、主稜線からやや外れていて完全に福井の山である。
山頂の東側は開けていて眺望がよい。
ここで今日初めての登山者を発見!!女性2人と単独らしい男性の3人。
今日はこのまま誰にも会わないかと思っていたのだが。
女性2人に話しかけたら大阪からやってきたようだ、
麓の朽木麻生に車を停め登ってきたそうだ。
自分と同じ、トレイルの詳細マップを持っており、
いつかツエルト泊でトレイルを歩きたいと言っていた。
麓からのピストンもよいが、
折角トレイルという名の縦走路があるのだからぜひ縦走をやってもらいたいと思った。
駒ヶ岳からはトレイルを西へ、今夜の幕営地となる木地山峠と向かう。
暫くはブナ林が続く、カメラを持った男性登山者にも3人会った。
まだ紅葉は早いみたいだけど、色付いてこれば駒ヶ岳周辺を散策する登山者も増えるだろう。
与助谷山・桜谷山越え急登を下っていくとお地蔵さんのある木地山峠に出る。
(与助谷山頂とTT標識)
(桜谷山頂から奥の方に見える比良山系とTT標識)
(木地山峠のお地蔵さん)
峠から西は小浜市上根来へと東は朽木麻生へと道が続いている。
お地蔵さんから南へ20m程行ったところ、
トレイルの西側にテントが張れそうな平らな場所があったのでそこに張る。
ふかふかの土の上に落ち葉が被さっていて寝心地は良さそうだ。
飲み水は自宅から5L担ぎあげているが、
飲まない水(レトルト暖めたり、歯磨きに使う)は
沢から取りたいので峠から朽木麻生への道を下る。
地図には小浜・朽木側どちらにも水場ありと表記があったが、
小浜側には水の気配がなかったが朽木側からは沢の音がかすかに聞こえたので朽木側へ下った。
2・3分程下ると小沢を見つけた。
近くには昔炭焼きをしていたのであろう苔蒸した石積みを見つけた。
顔を洗ってサッパリする。1Lの水筒を満タンにしてから、
水をひと掬いして飲んでみる、適度な冷たさがあっておいしかった。
テントに戻り夕食の準備、遠くで鹿がピーッピーッと鳴く。
人の声はしない、今日のテント場は僕一人のようだ。
食事を済ませ、歯磨きを済ませたらシュラフに潜りこむ。
辺りは鹿の鳴き声と鈴の音…鈴の音!?
暗くなってきているのに木地山峠にようやくやってきた登山者かと思ったが、
人が近づいてくる感じはない。
チリンチリンという音がかすかに聞こえて…そのまま気が遠くなって眠りに着いた。
4時間程して夜10時頃目が覚めた。
外はゴーゴーと風が凄い。
木々に囲まれているのでテントはそれ程風の影響を受けないが、
周りの木々は風に音をたてる。
まるで台風が接近しているような感じだ。
天気予報では土・日曜日は良さそうなこと言っていたが…。
結局朝までに風の音で何度か起こされた。
≪二日目≫
朝4時半に起床、昨晩ほどではないが依然風は強い。
撤収は風でテントやグランドシートがなびいてやりにくかった。
しかし、一晩風が吹いていたせいだろうか?フライの内側に結露は全くなかった。
6時前に撤収完了、ヘッドライトを点け百里ヶ岳へ向かう。
木地山峠は良いテント場であった。
頭上は雲で覆われている、
前日の天気予報では曇り一時晴れの予報であったが、風も含めて下り坂のような感じだ。
東の空が明るくなった。
一時、地平線あたりの雲が赤く燃え綺麗であったが、太陽は姿を見せずを朝を迎えたようだ。
徐々に明るくなってはいるが、どんより雲、風が冷たい。
木地山峠から40分程で百里ヶ岳、一等三角点のある山だ。
北側に眺望があり、遠く若狭の海が見える。
(写真では見難いですが…)
百里ヶ岳からは一旦南へ向かうが途中、百里新道と道を分け西へ。
白石山を越えると根来坂峠だ。
根来坂峠には小さな小屋、中にお地蔵さんがある。
横殴りの雨には耐えれそうにないがちょっとした雨を避け休憩するには良さそうだ。
峠からP871を越えると、広場を通って林道へ、道なりに西へ進むとおにゅう峠。
(高島TT協議会主催のスルーツアーでテント場として使われたこともあるようです。)
(無風晴天時は好いテン場、悪天候時は最悪になりそう)
ちょうど林道がヘアピンカーブになっていて、
一方は朽木生杉へ、もう一方は小浜市上根来へと続いている。
この林道も未舗装であるがとても綺麗で通行には問題なさそう、
2WD乗用車でも峠まで上がってこれそうだ。
峠には大きな石碑とお地蔵さんが祀られた大きめの小屋がある。
お地蔵さんにトレイルを無事に歩いてこれたことを感謝して先に進む。
小屋の裏からちょっとした斜面をを登りトレイルを進む。
途中にあった標識、ナベクボ峠5km・おにゅう峠0.2km。
10分程進んであった標識、ナベクボ峠5.2km・おにゅう峠1km。
ここら辺は時空が歪んでいるのかな?(笑)
おにゅう峠から暫く歩いて左膝の異変に気付いた。
登りはなんともないのだが下りにさしかかると痛いのである。
小休憩を入れて膝に湿布を貼って再出発。
湿布で痛みは和らぐと考えていたが大甘、どんどん痛くなる。
P803を過ぎたあたりで、下るのちょっと辛くなる。
(よくあんな高い所に取り付けたなと思いました)
今日の行程は残り2/3、時間にして6時間程。
登りの時はなんでもないのだが、下りは痛くて、相当小幅でないと下りられない。
このまま歩き続けても痛みが気になって楽しくないのではないか?
暫く考えて、ナベクボ峠から朽木生杉にエスケープすることに決めた。
(惜しいけどここまでです…次回の出発点ですね)
ナベクボ峠から林道・三国峠登山口までは40分程、
それからさらに林道を30分ほど歩けば朽木生杉集落のバス停だ。
登山を止めて、エスケープするのは惜しいが、
歩くことが困難になってしまって下山できなくなるよりはましだ。
ナベクボ峠から三国岳まではまたの機会にすることにした。
ナベクボ峠からは植林地内の谷川沿いを下っていく。
谷川の水はチョロチョロだが、増水した爪跡をみると2m水が上昇することもありえそうだ。
やはり杉やヒノキ生い茂る植林地は水捌けがよ過ぎて、大雨⇒増水、普段はチョロチョロのようだ。
30分弱で林道・登山口に到着、さらに20分程林道歩きで生杉バス停に着いた。
次のバスまでは2時間待ち、平坦なところを歩く分には膝は痛くないのでもうちょっと歩くことにした。
バス停を2つ過ぎて小学校前のバス停で腰を下ろした。
(休校日の学校前のバス停で一人バスを待つ男…。)
バス停は立派な小屋、台風が来てもこのバス停小屋に入れば大丈夫そうだ。
木のベンチには座布団が置いてあって、長時間座っていてもお尻が痛くならなさそうだ。
歩いた時間も相殺して、1時間半待ち。
暖かいコーヒーを飲みながらザックの中を整理してバスを待った。
今日は前日までの天気予報では晴れ一時雨、
今日の天気予報を仕入れてないので分からないが降りそうな感じである。
降るかな?降るかな?と思ってきたらパラッときた。
もしバス待ちをしている今でもトレイルを歩いていたら雨具を着て濡れなきゃいけないな。
降水確率0%でも雨具はもちろんザックに入れるが、やっぱり雨具なんて着たくないのである。
雨降る山歩きも楽しいと聞いたことあるが、
自分は今まで雨に降られて楽しい山歩きをしたことが無い。
雨に降られて、汗だか染みてきた雨水に濡れ、
スパッツを着けても(もちろん雨水が雨具を伝って靴の中に入り込まないように
雨具の下に着けて)靴の中までグッショグショ。そんな経験しかしたことがない。
膝が痛くなって下山せざるを得なくなったのはガッカリだが、
おかげで!?雨に濡れずに済んだのは不幸中の幸いだったのかも?
5分ほど遅れて10人乗り位のバンのようなバスがやってきた。
乗客は僕と同じ登山者、男女2人だ。
話を盗み聞き…というか(車内が狭くて)聞こえてきたので
聞いていたらこの付近の山には詳しいらしい、トレイル上にはない朽木の山も知ってみえるようだ。
よくよく見るとお二人のザックは50~60Lくらいありそうだ。
日帰りでこの大きさはあり得ない、ひょっとしてテント泊??
朽木学校前バス停でバスを乗り換えるために1時間程待たされたのだが、
そこでお二人とお話してみたらやはりトレイルをテント泊縦走したそうだ。
歩いた区間は僕とずれており、昨晩泊ったのはおにゅう峠のお地蔵さんの裏で、
地蔵峠まで歩いて雨が降りそうな感じだったので先へ進まず、生杉へ下りたそうだ。
色々山の話をするうちに同じ労山系の山の会(兵庫県の垂水労山)に所属していることが分かった。
膝に痛みを感じ早く下山してきたわけだが、もし順調に歩いていたらこの出会いもなく…
出会いとは面白いものである。
六甲山縦走の話をしてみたら、毎年六甲全山縦走の催しが3月にあるので来てくださいと言われた。
六甲山縦走は縦走登山をするようになってから興味を持った縦走路である。
この3月の催しでは40kmほどある六甲全山を一日で歩き通すのだという(分割コースもあり)
さすがに40kmは未知の領域、ちょっと気後れしたが
毎年かなりの数の方が参加されるようで“機会があれば参加します”と伝えた。
朽木学校前バス停は3つ程バス会社が乗り入れていて待合室も大きい、トイレも完備している。
比良山系やらトレイルから続々登山者が降りてきて、待合室は登山者で一杯になった。
1時間程してJR安曇川駅経由のバスが滑り込んできた。
空のバスだったが、登山者がなだれ込みほぼ満席となった。
安曇川駅に到着すると自分を含めほぼ全ての客が下りていく。
兵庫のお二人とお別れのあいさつをし自分は近江今津方面のホームに立った。
向こう側の京都方面のホームは老若男女登山者らしい人が一杯。
関西方面から比良山系や高島トレイルに登りに来る人がいるのだろう。
先に網干行きの電車が来て向こう側の人は居なくなり、
こちらも10数分待って電車がやってきたので乗った。
近江今津駅でおり、ホームから階段を下る。
やっぱり左膝が痛い!!
エスケープして正解だったが、これは暫く山は控えた方がいいかもしれない。
骨は折れてないと思うのだが…。
三国岳まで歩いていたら夜10時か11時に帰宅予定だったが、
早く下山したおかげで夕飯前に帰ることが出来た。
正確には武奈ヶ嶽~水坂峠間は道を間違えてトレイルを外れてしまったので、
続いてはいない。
今回計画では水坂峠から三国岳までトレイルを歩き朽木桑原へと下山する予定であったが、
途中で左膝が痛みだしたのでナベクボ峠から朽木生杉へエスケープした。
ナベクボ峠~三国岳間も水坂峠~武奈ヶ嶽間同様またの機会のチャレンジしたい。
山行者:単独
山行日:2010年10月23日(土)~24日(日)
天気:23日(土)晴れ時々くもり 24日(日)くもりのち雨
CT:
23日(土) 自宅3:30=近江今津駅(東口無料P)5:38/6:35=JR線若江バス=
保坂バス停6:55/6:58…水坂峠7:15…二の谷山8:15…桜峠9:00…
搦谷越9:15…休憩9:45~9:55…行者山10:32…横谷峠11:10~11:25…
池12:40~12:50…駒ヶ越13:15…駒ヶ岳13:24~13:44…池河内越14:18…
休憩14:47~14:57…桜谷山15:03…木地山峠15:16(テント泊)
24日(日) 木地山峠(起床)4:30/5:55…百里ヶ岳6:35~6:45…根来坂峠7:21~7:25…
おにゅう峠7:36~7:39…休憩7:53~7:58…P809 8:53…分岐8:54~9:05…
(ナベクボ峠⇒左膝に痛みがあったため生杉へエスケープ)
ナベクボ峠9:50~9:55…三国峠登山口(林道)10:19…生杉バス停10:36…
西小学校バス停11:01/12:40=高島市コミュニティバス針畑線=
朽木学校前13:28/14:37=若江交通朽木線=
JR安曇川駅15:05/15:26-JR湖西線-JR近江今津駅15:34=自宅18:00
≪一日目≫
JR近江今津駅発のJR小浜駅行きのバスに乗るため、
JR近江今津駅東側にある一時利用者用無料駐車場に車を停める。
朝5時半頃に着いたが結構車で埋まっている。
長時間利用者は有料駐車場を使って下さいとのことだが
長時間どころか長期間使ってそうな車(利用者)が多い気がする。
自分も長時間利用者なのだが、まあ確実に2日間だけだし(遭難したら別だが)、
有料駐車場がどこで幾ら掛かるか解らないし…と、甘えさせてもらうことにした。
バス出発15分前にバス停へ移動、朝一番のバスに乗り込む。
乗客は僕一人だけ、バスの大きさを考えると凄くもったいない気がする。
混雑期はどれほど客が増えるのだろうか?
20分ほどで保坂バス停に到着、結局ここまで客は僕一人だった。
保坂バス停からはR367を暫く歩き、交番のところから水坂峠への道へ入る。
保坂バス停から20分程で水坂峠に到着。
二ノ谷山登山口と書かれた標柱を見て、登山道に入っていく。
(道路を挟んで反対・武奈ヶ嶽側にある水坂峠T=高島T=トレイル標柱)
左手に真新しい砂防堰堤が2基、水はとても飲めそうな感じではない。
可愛らしい大きさの鉄塔真下に出ると眺望が開ける、
若狭街道を挟んだ向こう側には武奈ヶ嶽が見える。
鉄塔を過ぎると急登の連続である、尾根をほぼ直登するように道が付けられていている。
のっけからこれはキツイ、P486に出るまで標高差200mの重労働をさせられる。
P486から南に延びる尾根道で一旦緩やかになる。
東へ目を向けると木々の間から朝日にきらめく琵琶湖と霊仙山が見えた。
ゆったりとした歩きもつかの間で、二ノ谷山への登りで再び標高差100m程の急登を登らされる。
長細い頂に上がるとスグに分岐、桜峠と頂上へ別れている。
1・2分の歩きで二ノ谷山頂上、“高島トレイル 二の谷山”の標柱と三角点がある。
展望はなし、最高点は離れていて北西にちょっと行ったところにある。
分岐まで戻って桜峠まで下りる。
桜峠までのみちもこれまた急登(坂)、どちらから登っても苦労させられそうだ。
木々の間から大きな採石場を右手に見ながら下りていく。
やがて車の音が聞こえて下にR367見え、真ん前に白い建物の環境センターが姿を現す。
杉林の中から交通量の多い鯖街道R367に出た。真ん前にスピード注意の看板。
R367に出たら車道脇を朽木方面へ歩く、暫く行くと椋川⇒の標識がある丁字路を右折。
10分程歩くと左手に廃墟のような別荘地が見えてくる。
別荘地内へ直接入っていく道には入らないで過ぎ去ると“行者山登山口”の標柱。
休耕田?を右に見て100m程歩くと“行者山 約3キロ ご安全に”の看板、ココから入っていく。
道はすぐに右に折れ少しトラバースしてUターンし尾根を登っていく。
ここから暫くは植林地内のやや薄暗い道を行く。
途中で2か所ほどアンテナを見つけた。
中継局とかそういう類ではないように見える。
熊や鹿に発信器を付けて行動を調査するためのものであろうか?
行者山登山口から1時間15分程で行者山頂上に到着、
ここも二の谷山と同じく縦走路から外れているので頂上手前に三ツ俣分岐がある。
植林地内の頂上、全く展望なし、しかも薄暗い。
三角点を埋設した時はまだ植林はしてなかったのであろうか?
その時はここから眺めも良かったのであろう。分岐に戻り、トレイルを進む。
500m台のピークを2つ越えると横谷峠に出る。
横谷峠は林道が横切っており、車で難なく上がれそうだ。
林道を西へちょっと進んだ山側に駒ヶ岳登山口はある。
パッと見、ちょろちょろと水が流れているし小さな谷か何かと思ったが、
脇の木の幹に“駒ヶ岳登山口”と書かれた木の板が掛けられ、
高島トレイルを示す黄色いテープも木の幹に巻かれていたので登山口と認識できた。
ここも尾根をほぼ直登する。
P744を過ぎると比較的なだらかな登ったり下ったりの稜線歩き。
始めのうちは植林地であったが、ブナの原生林に変わる。
(ブナ林の中の名もない池)
あいにく紅葉には早過ぎたようだが(紅葉を通り過ぎて散っているのもある)、
ずーっと薄暗い、パッとしない植林地を歩いてきたので
明るい緑のシャワー注ぐブナ林を歩くのはいい気分である。
(駒ケ岳手前の駒ガ越TT標識)
横谷峠から2時間程で駒ヶ岳、主稜線からやや外れていて完全に福井の山である。
山頂の東側は開けていて眺望がよい。
ここで今日初めての登山者を発見!!女性2人と単独らしい男性の3人。
今日はこのまま誰にも会わないかと思っていたのだが。
女性2人に話しかけたら大阪からやってきたようだ、
麓の朽木麻生に車を停め登ってきたそうだ。
自分と同じ、トレイルの詳細マップを持っており、
いつかツエルト泊でトレイルを歩きたいと言っていた。
麓からのピストンもよいが、
折角トレイルという名の縦走路があるのだからぜひ縦走をやってもらいたいと思った。
駒ヶ岳からはトレイルを西へ、今夜の幕営地となる木地山峠と向かう。
暫くはブナ林が続く、カメラを持った男性登山者にも3人会った。
まだ紅葉は早いみたいだけど、色付いてこれば駒ヶ岳周辺を散策する登山者も増えるだろう。
与助谷山・桜谷山越え急登を下っていくとお地蔵さんのある木地山峠に出る。
(与助谷山頂とTT標識)
(桜谷山頂から奥の方に見える比良山系とTT標識)
(木地山峠のお地蔵さん)
峠から西は小浜市上根来へと東は朽木麻生へと道が続いている。
お地蔵さんから南へ20m程行ったところ、
トレイルの西側にテントが張れそうな平らな場所があったのでそこに張る。
ふかふかの土の上に落ち葉が被さっていて寝心地は良さそうだ。
飲み水は自宅から5L担ぎあげているが、
飲まない水(レトルト暖めたり、歯磨きに使う)は
沢から取りたいので峠から朽木麻生への道を下る。
地図には小浜・朽木側どちらにも水場ありと表記があったが、
小浜側には水の気配がなかったが朽木側からは沢の音がかすかに聞こえたので朽木側へ下った。
2・3分程下ると小沢を見つけた。
近くには昔炭焼きをしていたのであろう苔蒸した石積みを見つけた。
顔を洗ってサッパリする。1Lの水筒を満タンにしてから、
水をひと掬いして飲んでみる、適度な冷たさがあっておいしかった。
テントに戻り夕食の準備、遠くで鹿がピーッピーッと鳴く。
人の声はしない、今日のテント場は僕一人のようだ。
食事を済ませ、歯磨きを済ませたらシュラフに潜りこむ。
辺りは鹿の鳴き声と鈴の音…鈴の音!?
暗くなってきているのに木地山峠にようやくやってきた登山者かと思ったが、
人が近づいてくる感じはない。
チリンチリンという音がかすかに聞こえて…そのまま気が遠くなって眠りに着いた。
4時間程して夜10時頃目が覚めた。
外はゴーゴーと風が凄い。
木々に囲まれているのでテントはそれ程風の影響を受けないが、
周りの木々は風に音をたてる。
まるで台風が接近しているような感じだ。
天気予報では土・日曜日は良さそうなこと言っていたが…。
結局朝までに風の音で何度か起こされた。
≪二日目≫
朝4時半に起床、昨晩ほどではないが依然風は強い。
撤収は風でテントやグランドシートがなびいてやりにくかった。
しかし、一晩風が吹いていたせいだろうか?フライの内側に結露は全くなかった。
6時前に撤収完了、ヘッドライトを点け百里ヶ岳へ向かう。
木地山峠は良いテント場であった。
頭上は雲で覆われている、
前日の天気予報では曇り一時晴れの予報であったが、風も含めて下り坂のような感じだ。
東の空が明るくなった。
一時、地平線あたりの雲が赤く燃え綺麗であったが、太陽は姿を見せずを朝を迎えたようだ。
徐々に明るくなってはいるが、どんより雲、風が冷たい。
木地山峠から40分程で百里ヶ岳、一等三角点のある山だ。
北側に眺望があり、遠く若狭の海が見える。
(写真では見難いですが…)
百里ヶ岳からは一旦南へ向かうが途中、百里新道と道を分け西へ。
白石山を越えると根来坂峠だ。
根来坂峠には小さな小屋、中にお地蔵さんがある。
横殴りの雨には耐えれそうにないがちょっとした雨を避け休憩するには良さそうだ。
峠からP871を越えると、広場を通って林道へ、道なりに西へ進むとおにゅう峠。
(高島TT協議会主催のスルーツアーでテント場として使われたこともあるようです。)
(無風晴天時は好いテン場、悪天候時は最悪になりそう)
ちょうど林道がヘアピンカーブになっていて、
一方は朽木生杉へ、もう一方は小浜市上根来へと続いている。
この林道も未舗装であるがとても綺麗で通行には問題なさそう、
2WD乗用車でも峠まで上がってこれそうだ。
峠には大きな石碑とお地蔵さんが祀られた大きめの小屋がある。
お地蔵さんにトレイルを無事に歩いてこれたことを感謝して先に進む。
小屋の裏からちょっとした斜面をを登りトレイルを進む。
途中にあった標識、ナベクボ峠5km・おにゅう峠0.2km。
10分程進んであった標識、ナベクボ峠5.2km・おにゅう峠1km。
ここら辺は時空が歪んでいるのかな?(笑)
おにゅう峠から暫く歩いて左膝の異変に気付いた。
登りはなんともないのだが下りにさしかかると痛いのである。
小休憩を入れて膝に湿布を貼って再出発。
湿布で痛みは和らぐと考えていたが大甘、どんどん痛くなる。
P803を過ぎたあたりで、下るのちょっと辛くなる。
(よくあんな高い所に取り付けたなと思いました)
今日の行程は残り2/3、時間にして6時間程。
登りの時はなんでもないのだが、下りは痛くて、相当小幅でないと下りられない。
このまま歩き続けても痛みが気になって楽しくないのではないか?
暫く考えて、ナベクボ峠から朽木生杉にエスケープすることに決めた。
(惜しいけどここまでです…次回の出発点ですね)
ナベクボ峠から林道・三国峠登山口までは40分程、
それからさらに林道を30分ほど歩けば朽木生杉集落のバス停だ。
登山を止めて、エスケープするのは惜しいが、
歩くことが困難になってしまって下山できなくなるよりはましだ。
ナベクボ峠から三国岳まではまたの機会にすることにした。
ナベクボ峠からは植林地内の谷川沿いを下っていく。
谷川の水はチョロチョロだが、増水した爪跡をみると2m水が上昇することもありえそうだ。
やはり杉やヒノキ生い茂る植林地は水捌けがよ過ぎて、大雨⇒増水、普段はチョロチョロのようだ。
30分弱で林道・登山口に到着、さらに20分程林道歩きで生杉バス停に着いた。
次のバスまでは2時間待ち、平坦なところを歩く分には膝は痛くないのでもうちょっと歩くことにした。
バス停を2つ過ぎて小学校前のバス停で腰を下ろした。
(休校日の学校前のバス停で一人バスを待つ男…。)
バス停は立派な小屋、台風が来てもこのバス停小屋に入れば大丈夫そうだ。
木のベンチには座布団が置いてあって、長時間座っていてもお尻が痛くならなさそうだ。
歩いた時間も相殺して、1時間半待ち。
暖かいコーヒーを飲みながらザックの中を整理してバスを待った。
今日は前日までの天気予報では晴れ一時雨、
今日の天気予報を仕入れてないので分からないが降りそうな感じである。
降るかな?降るかな?と思ってきたらパラッときた。
もしバス待ちをしている今でもトレイルを歩いていたら雨具を着て濡れなきゃいけないな。
降水確率0%でも雨具はもちろんザックに入れるが、やっぱり雨具なんて着たくないのである。
雨降る山歩きも楽しいと聞いたことあるが、
自分は今まで雨に降られて楽しい山歩きをしたことが無い。
雨に降られて、汗だか染みてきた雨水に濡れ、
スパッツを着けても(もちろん雨水が雨具を伝って靴の中に入り込まないように
雨具の下に着けて)靴の中までグッショグショ。そんな経験しかしたことがない。
膝が痛くなって下山せざるを得なくなったのはガッカリだが、
おかげで!?雨に濡れずに済んだのは不幸中の幸いだったのかも?
5分ほど遅れて10人乗り位のバンのようなバスがやってきた。
乗客は僕と同じ登山者、男女2人だ。
話を盗み聞き…というか(車内が狭くて)聞こえてきたので
聞いていたらこの付近の山には詳しいらしい、トレイル上にはない朽木の山も知ってみえるようだ。
よくよく見るとお二人のザックは50~60Lくらいありそうだ。
日帰りでこの大きさはあり得ない、ひょっとしてテント泊??
朽木学校前バス停でバスを乗り換えるために1時間程待たされたのだが、
そこでお二人とお話してみたらやはりトレイルをテント泊縦走したそうだ。
歩いた区間は僕とずれており、昨晩泊ったのはおにゅう峠のお地蔵さんの裏で、
地蔵峠まで歩いて雨が降りそうな感じだったので先へ進まず、生杉へ下りたそうだ。
色々山の話をするうちに同じ労山系の山の会(兵庫県の垂水労山)に所属していることが分かった。
膝に痛みを感じ早く下山してきたわけだが、もし順調に歩いていたらこの出会いもなく…
出会いとは面白いものである。
六甲山縦走の話をしてみたら、毎年六甲全山縦走の催しが3月にあるので来てくださいと言われた。
六甲山縦走は縦走登山をするようになってから興味を持った縦走路である。
この3月の催しでは40kmほどある六甲全山を一日で歩き通すのだという(分割コースもあり)
さすがに40kmは未知の領域、ちょっと気後れしたが
毎年かなりの数の方が参加されるようで“機会があれば参加します”と伝えた。
朽木学校前バス停は3つ程バス会社が乗り入れていて待合室も大きい、トイレも完備している。
比良山系やらトレイルから続々登山者が降りてきて、待合室は登山者で一杯になった。
1時間程してJR安曇川駅経由のバスが滑り込んできた。
空のバスだったが、登山者がなだれ込みほぼ満席となった。
安曇川駅に到着すると自分を含めほぼ全ての客が下りていく。
兵庫のお二人とお別れのあいさつをし自分は近江今津方面のホームに立った。
向こう側の京都方面のホームは老若男女登山者らしい人が一杯。
関西方面から比良山系や高島トレイルに登りに来る人がいるのだろう。
先に網干行きの電車が来て向こう側の人は居なくなり、
こちらも10数分待って電車がやってきたので乗った。
近江今津駅でおり、ホームから階段を下る。
やっぱり左膝が痛い!!
エスケープして正解だったが、これは暫く山は控えた方がいいかもしれない。
骨は折れてないと思うのだが…。
三国岳まで歩いていたら夜10時か11時に帰宅予定だったが、
早く下山したおかげで夕飯前に帰ることが出来た。
膝は無理をしない事が一番です
お大事に
そーいえば、バス停まで歩いている途中、「高島トレイル」の登山者を乗せた観光バスとすれ違いました。
個人的にはアクセスの良いマキノ高原から登れる三国山~大谷山、ブナ原生林がよい駒ケ岳あたりがおススメです。
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http://www.takashima-trail.jp/index.shtml
京都や兵庫には谷中分水もあるし。
分水フェチの私も行ってみたい!!
夜の鈴の音は何だったんでしょうねぇ。
浮遊霊が来たのかな?
標高の低いブナ原生林としても有名らしいです。
まめなWILDCATさんなら分水嶺の線がすべて繋がっちゃうのも時間の問題ですねっ!!
夜の鈴の音>霊感はないと思うのですが…
一人きりだったのでちょっと怖かったっす(><)