私は東京郊外の調布市に住む年金生活の66歳の身であるが、
特にこの時節になると、夜のひととき主庭のテラス、玄関の軒下に下り立ち、
ぼんやりと月を眺めることが多い。
『十三夜(じゅうさんや)』を誉めたり、昨夜も中秋の名月と称されている満月の『十五夜(じゅうごや)』を
見惚〈みと〉れたりしていた。
この後は、待ちわびた『十六夜(いざよい)』かしら、と微笑んだりしている。
私は幼年期の頃から月を眺めたりしてきたが、齢を重ねるたびに圧倒的に深く魅了されるのは、
なぜかしら『十六夜(いざよい)』である。
もとより『いざよい』は、「いざよう」の語源からであり、
ためらい、ためらう、ことなど意味しているが、
『十五夜』よりしばらく遅れて昇ることから『 いざよい』と称されてきた。
私は月を眺め、自分のその時の思いを託〈たく〉したりしているが、
十六夜の月は格別である。
古人の時代から、満月よりやや遅れてためらうように昇って来る、と伝承されてきているが、
つたない私の人生の軌跡と同様に、心持ちをためらいながら歩んできたので、
何かしら共感を深めている。
私は東京オリンピックが開催された1964〈昭和39)年の秋に大学を中退し、
アルバイトなどをしながら映画・文学青年の真似事をして、奮闘したが、やがて敗退し、
やむなくコンピュータの専門学校で一年学んだ後、
遅ればせながら1970(昭和45)年の春に、ある大手民間会社に何とか中途入社ができた。
そして、遅ればせながら社会人のひとりとなった。
この民間会社は映像・音響メーカーであり、この中の一部に音楽事業本部があり、
数多くの大手のレーベルを傘下に収め、
まもなく、この中の大手レーベルが外資の要請でレコード専門会社として独立し、
私はこのレコード専門会社に転籍させられた。
そして、このレコード専門会社の情報畑、管理畑など35年近く奮戦して、
2004〈平成16〉年の秋に、定年退職となった。
私は農家の三男坊として生を受けたが、何かと多くの方よりも人生の歩みが遅い、
と感じることが多かった。
たとえば、小・中学校は劣等生で、高校になってから初めて授業が楽しくなったり、
読書に魅了されて、物狂いのように乱読したりした。
そして、5年早く目覚めれば、私の人生は大幅に変貌した、
と苦笑する時もある。
50代の頃から、『十六夜(いざよい)』を眺めたりすると、
ためらうように月が昇る情景を観ると、
この人生のはかなさの中で、余情を感じたりし、圧倒的に魅了されている。
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ぼんやりと月を眺めることが多い。
『十三夜(じゅうさんや)』を誉めたり、昨夜も中秋の名月と称されている満月の『十五夜(じゅうごや)』を
見惚〈みと〉れたりしていた。
この後は、待ちわびた『十六夜(いざよい)』かしら、と微笑んだりしている。
私は幼年期の頃から月を眺めたりしてきたが、齢を重ねるたびに圧倒的に深く魅了されるのは、
なぜかしら『十六夜(いざよい)』である。
もとより『いざよい』は、「いざよう」の語源からであり、
ためらい、ためらう、ことなど意味しているが、
『十五夜』よりしばらく遅れて昇ることから『 いざよい』と称されてきた。
私は月を眺め、自分のその時の思いを託〈たく〉したりしているが、
十六夜の月は格別である。
古人の時代から、満月よりやや遅れてためらうように昇って来る、と伝承されてきているが、
つたない私の人生の軌跡と同様に、心持ちをためらいながら歩んできたので、
何かしら共感を深めている。
私は東京オリンピックが開催された1964〈昭和39)年の秋に大学を中退し、
アルバイトなどをしながら映画・文学青年の真似事をして、奮闘したが、やがて敗退し、
やむなくコンピュータの専門学校で一年学んだ後、
遅ればせながら1970(昭和45)年の春に、ある大手民間会社に何とか中途入社ができた。
そして、遅ればせながら社会人のひとりとなった。
この民間会社は映像・音響メーカーであり、この中の一部に音楽事業本部があり、
数多くの大手のレーベルを傘下に収め、
まもなく、この中の大手レーベルが外資の要請でレコード専門会社として独立し、
私はこのレコード専門会社に転籍させられた。
そして、このレコード専門会社の情報畑、管理畑など35年近く奮戦して、
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私は農家の三男坊として生を受けたが、何かと多くの方よりも人生の歩みが遅い、
と感じることが多かった。
たとえば、小・中学校は劣等生で、高校になってから初めて授業が楽しくなったり、
読書に魅了されて、物狂いのように乱読したりした。
そして、5年早く目覚めれば、私の人生は大幅に変貌した、
と苦笑する時もある。
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