自宅の階段で転倒しかけるなど、60歳を過ぎたころから、
日常のさまざまな場面で、身体の衰えを実感するようになるもの。
☆冬に増える自宅事故
「個人差はありますが、加齢による筋力や視力、聴力などの低下により、
65歳以上のシニア世代は、自宅事故のリスクが高まります。
一度のケガで、寝たきりになることもあるので、注意が必要です」
と話すのは、防災対策に詳しい、防災介助士インストラクターの冨樫正義さん。
厚生労働省のある調査によると、
不慮の事故(交通事故、自然災害を除く)での死亡者数は、
65歳以上が全体の約8割を占め、そのうちの多くの事故が、自宅で起きているのだ。
「自宅事故で多いのは、『転倒』、『誤嚥(ごえん)』、『入浴事故』の3つです。
ただ、これらの事故は、加齢による身体能力の低下以外にも、
住まいや習慣の中に原因があることがほとんどなので、
50代、60代前半のうちから、よくある事例を知ることで対策ができます」
また、寒い冬は、自宅事故のリスクが増すという。
「冬場は、暖房器具の使用による火災やヤケド、
石油ストーブの使用による一酸化炭素中毒も考えられます。
一番注意が必要なのは、ヒートショックによる入浴事故。
実は夏場の家の中での熱中症による死亡者数より、
浴槽内でのヒートショックでの死亡者数のほうが、16倍近く多いというデータも」

☆【転倒事故】一度のケガで一生寝たきりに
厚生労働省の調べによると、
65歳以上が介護を必要とすることになった原因の13%にあたるのが、
「転倒による骨折」だという。
「骨粗しょう症が進み骨がもろくなっている、特に70代以上は、
大腿骨など歩行に関わる骨を折ってしまうと、
治るまでの間に、筋力や活力がどんどん衰えて、寝たきりになってしまうことも。
50代、60代でも運動習慣がない人は、
それだけで筋力が、平均よりも落ちていますから、転倒による骨折で筋力が衰えてしまうと、
外出などがおっくうになり、心身に不調を来す可能性も」
転倒事故を防ぐには、自宅を物理的に安全な場所にするのが大事だ。
「床に物を置かない、滑りやすいスリッパは捨てるなど、
少しでも転倒の原因になりうるものは排除してください。
また、意外と多いのが、床と布団のわずかな段差に、つまずいてしまうケースなので、
布団は、毎朝きちんと畳むか収納を。
視力の低下により、段差や階段が見えにくくもなっているので、
部屋の明るさも重要。
古い電気はLEDに取り換えてもいいかもしれません」
家電などのコードに、つまずいてしまうことも多い。
冬場は、電気ストーブなどの暖房器具を設置する家庭も多いが、
転倒事故だけでなく、火災の原因にもなるので要注意。
「コード類は、動線上に置かない、養生テープなどで、
床に貼りつけて固定するなど、工夫をしてください」
☆【誤嚥事故】「ながら食べ」が命の危険に
「弾力のあるものや、かたいものがうまく飲み込めずに、
食道ではなく、気管へ入り込んでしまうことを、誤嚥といいます。
65歳以上の誤嚥による窒息での死亡者数は、転倒事故に次いで多い。
シニア世代で誤嚥による事故が増える原因は、
噛む力や気管に入ったものを吐き出す嚥下機能の低下、
また、歯の機能の衰えなどが、考えられます」
身体の衰えのほかに、「ながら食べ」も要因となる。
「テレビに集中したり、新聞を読みながら食事をすることで、
食べ物をよく噛まずに、飲み込んでしまうのも、窒息事故の原因に。
以前よりも自分の身体は、食べ物を飲み込む力が、弱くなっていると受け入れて、
食事に集中することが大事です」
誤嚥は、窒息だけでなく、肺炎の原因になることも。
「肺炎は、肺の細胞に炎症が起こる感染症ですが、
誤嚥をきっかけに起こる誤嚥性肺炎もあります。
食べ物や唾液が気管に入ることで、
口の中の細菌が、肺にまで入り込んでしまうのが原因です」
誤嚥を防ぐには、食べることに集中しつつ、急いで食べないことが鉄則。
お正月に買ったお餅の残りを消費している家庭では、
食べやすいように、ひと口大にカットする、
冷めた餅は、かたくなり詰まりやすくなるので、熱いうちに食べきるなどを意識しよう。
☆【入浴事故】冬は溺死リスクが増す!
寒い冬、自宅事故でのリスクが格段に上がるのが、入浴事故だ。
「前述したとおり、冬はヒートショックで、亡くなる人がとても多い。
ヒートショックは、気温の急激な変動により、血圧が上下に大きく変化することで、
脳卒中や心筋梗塞を引き起こしてしまう健康被害のこと。
冬の寒い脱衣所から、熱い湯船にいきなりつかってしまうと、
寒暖差が激しいため、起こりやすくなります。
お風呂場で倒れると助けが呼びにくく、発見も遅れてしまう。
また、気絶したまま浴槽で、溺死してしまうことも」
浴槽と、脱衣所や浴室の温度差をなくすことが対策に。
湯を張る時には、浴槽のフタをせずに、湯気を利用して浴室ごと暖めたり、
脱衣所に簡易ヒーターを設置しよう。
「また、実感はないかもしれませんが、
入浴中の身体は、浴槽のお湯による水圧を受けています。
その状態から急に立ち上がることで、起立性低血圧が起こり、
卒倒することもあります。
浴槽から出る時は、急には立ち上がらず、
手すりなどにつかまりながら、ゆっくり立ち上がってください」
家族と同居している場合は、入浴前にひと言声がけを。
溺れたり心筋梗塞で呼吸が止まった場合、一刻も早い治療が予後を左右するため、
「今日は、いつもより入浴時間が長い」と感じたら声をかけることも大切だ。
教えてくれたのは・・・冨樫正義さん
●防災介助士インストラクター。サービス介助士、防災介助士(略)
注)記事の原文に、あえて改行など多くした。
今回、防災対策に精通している防災介助士インストラクターの冨樫正義さん、
《・・シニア世代、冬に増える自宅事故“死亡リスク”を減らす3か条・・》、
80歳の私は、具体的にアドバイスを学びながら、多々教示させられたりした・・。
自宅の転倒に関しては、二階建ての我が家は、私が70歳を過ぎた頃より、
寝室など、一階に移動し、日常生活の中で、階段の上下を出来る限り、
減らしたりしてきた。
こうした根底のひとつには、この当時、家内が誤って、
二階の階段から一階に滑り落ち、私たち夫婦はお互いに震撼させられたりした。
そして大学病院で脳検査を受けたが、幸運にも異常箇所はなく、
今日に至っている。
誤嚥に関しては、私は朝食、夕食の時、家内と共に頂いているが、
私は亡き母の遺伝を素直に受け継いだ為か、男の癖におしゃべりが好きで、
何かと家内と談笑したりしている。
そして私は、食べながら家内に話したりしていると、1か月に1度ぐらい、
食物が食道へ入るべきものが、気管に入ってしまうらしく、
一分ぐらい、むせたり咳き込んだりすることがある。
こうした時、家内は
『高齢者になると誤嚥(ごえん)になる人が多いから、気を付けてねぇ・・』
と私は言われたりしている。
私は70歳のなる前の頃までは、こうした体験がなく、
やはり高齢者になると、食べ物がのみ込む力の嚥下(えんげ)の力が衰えたのかしら、
と戸惑いながら不安を秘めたりしている。
と私に微苦笑しながら言ったりしてきた。
少しばかり体験をしてきたので、やはり注意1秒で食べる時、お茶を飲む時は、
ゆっくりと頂くことが肝要だなぁ・・と思い深めてきた・・。
一歩間違えると死のリスクがあるので、注意している・・。

冬場の入浴事故に関しては、我が家のお風呂場は、
洗面所と脱衣所の隣接し、近くにはトイレもある。
洗面所と脱衣所、近くにはトイレまで、電気ストーブで暖めている。
私は原則として、毎日、夕食前に必ず入浴している。
浴室を湯気で温められているので、
そして洗面所で、高齢者は清潔感が大切ょ、と家内から日頃から叱咤されている私は、
髭(ヒゲ)剃り後のクリーム、そして髪の毛にはヘアートニック、わずかなヘアークリームで整髪した後、
下着そしてパジャマを着たりしている。
この後、私は『お先に・・』と居間にいる家内に大きな声で伝え、
まもなく家内の入浴タイムとなるのが、年金生活を始めた当初より、
ここ20年過ぎた年金生活の中で、我が家の習(なら)わしとなっている。

このように今回の《・・・冬に増える自宅事故“死亡リスク”を減らす3か条・・》、
私たち夫婦は80歳、75歳の後期高齢者夫婦なので、
もとより健康でなければ、自身の日頃のささやかな願いも叶わないので、
注意一秒・・ケガ一生だよねぇ・・、お互いに過ごしたりしている・・。