誰が本当のことを言い、誰が嘘をついているか? それを知るには正しい情報を手にしていないといけない。では、正しい情報はどうつかめば良いのか。基本的には、人づてに聞くのでなく、オリジナルの情報をつかむことだ。
だから、今回の新型コロナウィルスの問題が騒がれ始めて検査がどうも滞っていてオカシイ。検査数を誰かが抑えようとしているのではないかと疑いを持った時、私は政府が出している統計の情報を手に入れようと考えた。そして、このブログで、素人ながら手探りで分かったところから公表もしてきた。
今日、NHKのNewsWebをみていたら、素晴らしい情報が2つ記事になっていて感心した。まさに、私が手探りで探して感じてきた情報が、さらに現場に足を入れてしっかり取材され、私が疑問に思っていたところが痒いところに手が届くように公開されていた!
「新型コロナウイルス PCR検査の「陽性率」 全国的に上昇か」という記事と「PCR検査 必要と判断しても実施まで「5日程度かかる」」だ。是非、それぞれをしっかり多くの方に読んでいただきたい。
「新型コロナウイルス PCR検査の「陽性率」 全国的に上昇か」では、(厚生労働省の公表している検査の実施人数が、東京都などでは保健所を通さない民間の検査機関での検査は含まれていないケースなどがあるので、扱いづらい数字)となっていることに触れながらも、全国の陽性率が、1月中旬から3月中旬までに比べ、PCR検査をした陽性者のでる割合が6.2%から、ここ最近の平均が12.9%と2倍に増えていること。東京都では、それが10%から、ここ2週間で56.1%まで上昇しているということがしっかり書かれていた。
実は、この数字は私もフォローしてきた「新型コロナウィルス陽性者数とPCR検査実施人数(都道府県別)」という統計から計算したと思われる。オリジナルは最新版で下のような表だ。
実は、このブログをずっと見てくれていた方は分かるように、この表には以前はこの%表示はなかった。(1/15~4/8)の表になって、突如この%が加えられた。これはずっと1月中旬からの数字で平均値を出しているから38.7%と低い平均値になっている。4/13の朝日新聞のココで忽那医師が「うちの帰国者・接触者外来でPCR検査を受けて陽性だった人の割合は3月末は5%前後でしたが、いまは約20%。陽性率は高まっています。診断はなされていないものの、新型コロナウィルスに感染している人は東京都内には相当いるといえます」「うちも結核患者むけの病棟をまるごと新型コロナウィルスの患者に充てていますが、お断りせざるをえない時もあります。医療崩壊は始まっています」と言っていたことを思えば、医療現場の医師たちの実感としては、10%ほどの陽性率がここにきて56.1%となっている!という劇的な変化を、しかも丁寧に(民間の検査機関での検査は含まれていない)と添えて56.1%の数字の不確定要因も伝えながら、しっかり伝えている。
素人で荒削りな記事を書いて、昨日修正文を書かざるをえなかった私は、プロの書き方に脱帽した。この記者は信頼できると思った。厚生労働省の公表した1/15から平均された数字でない数字をしっかり使って、その急激に変化しつつある今の危機的状況を鋭く伝えている。
そして、もうひとつの記事「 PCR検査 必要と判断しても実施まで「5日程度かかる」」ではさらに詳細な記述に説得力があった。
NHKが東京23区の保健所に、検査が必要だと判断された人の検査を行うまでにどのくらい時間がかかっているかの独自調査をして、いずれも「重い症状の人は優先してその日のうちなどに検査している」とした上で、長い場合には、▽葛飾区と練馬区が「5日程度」・・・と個別に記述があり、「重い症状にならないと検査をしてもらえない」という不満の声を反映している現実と合致していることを読者に知らせ、葛飾区地域保健課の橋口昌明課長の、「検査態勢がじわじわとひっ迫してきています」「保健所への相談件数が4倍近くに増え、さらに検査ができる外来は限られています。私たちの肌感覚では処理能力を超えてしまっていると思います」と私が予想していたことを裏付けるコメントをとっていた。やはり統計で読み取ったことは事実だった。
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そして、それならどうなるのか!という疑問には(東京23区の自治体の間では、検体採取のための独自施設増設の取り組みがはじまっていること。葛飾区では60人分の検体採取を目指そうと、すでに17日から検査を始めたこと。墨田区はじめ複数の区で取り組みが始まっていることを説明。
さらに、その検体採取の先はどうなのだ?という疑問にも続けて応えてくれていた。
東京都の検査実施所の実情は現場では要員の確保が難しく限界に近い状態になっていて、都のPCR検査は新宿区にある「東京都健康安全研究センター」で行われているが・・・と今度は、センターの現場にカメラを入れた話になる。
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よく分からないが、NEWS WEBは番組で放送されたのかもしれない。 ココに動画が見つかったが番組やニュースでも流れたのだろうか。
実は、私はこのブログで自作のエクセルの表をつくって、どうも金・土曜日に検査を週休2日で休んでいるみたいだと予想していた。だが、センターには検体は都内各地から持ち込まれ、土日も含めて毎日検査をおこなっていること。1日に可能な検査は240件だが、4月には作業時間を延長して270件余りに増えていること。検査依頼の増加で4月からは検査員を10人→32人に3倍以上に増員したこと。さらに、シフトを工夫し、機器も5台増やし、多くの検査を実施し始め、最多で557件の検査をしたことが説明されていました。
ただ、人員が3倍で機械が5台増えて、240件がじゃあ小池知事が最大1400件まで1日に検査したような話をしていたほどには、少なくともこのセンターでは夢のように検査が増えてまだいないこと。正確な検査をするためには専門的な知識や技術が必要で、1人前の検査員になるには2年から3年の経験が求められるという話が加えられていた。さらに、センターの部長の「すぐに検査員を増員するのは難しく、現状では検査件数を増やすのはなかなか難しい。現在の検査態勢を維持しながら引き続きやっていくことが使命だと思っている」との、夢を膨らませ切れない現状まで加えられていた。
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さらに、このように検査にあたる人員不足に加え、陽性患者への病院のベッドの空き問題があり、検査に時間がかかると病気の状態が急激に悪化してしまう可能性や感染事例に繋がる危険性。検査までの時間短縮や、自治体が独自の検査体制の強化や 地域の開業医なども含めて、行政と地域医療が連携の必要性が語られ、東京都医師会の「PCRセンター」設置の検討が始まったことについても書かれていた。
また、PCR検査の検体を民間の検査会社に送り、入院先も症状の重さに応じて大規模病院、中規模病院などに入院先を振り分け、軽症者は自宅療養とするなどの運用までする試みについても触れられていた。
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そして、厚生労働省の公表しているPCR検査についての1日当たりに実施できる件数4月15日現在、最大でおよそ1万3000件と言う件数の内訳▽国の研究所で800件、▽検疫所で1760件、▽保健所などで4915件、▽民間の検査会社で3740件、▽大学などで1039件、▽医療機関で714件と言う数字が検査機器が最大限稼働した場合のものがあるが、実際に検査できている件数は先週(4/5~11)多い日でも7800件となっている現実を伝え、この検査機器の能力と実績差について情報を出した上で、「厚生労働省は実施できる最大の件数について、現在の1万3000件から2万件まで拡充する方針で、できるかぎり早く達成したいとしていますが、具体的な時期のめどは示していません」と、厚生労働省の姿勢が、口で言っていても、どうなるか分からない不透明さについても言及していて、読者がもう2万に検査がなる~と楽観できないという情報も伝えています。
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民間の検査会社 の「現在は対応できているが、検査数が急増すると対応が難しくなる。検査態勢を増強するには場所や専門性を持った人材も必要でそう簡単にはできない」というコメントや、「検査に必要な試薬などの確保に数週間かかるため、急に増えると対応できない可能性がある」と言う話もさらに加わって、機器の数だけでないマンパワー不足問題、人材を育てることが簡単にできるものではないと民間もセンターと同じ問題を抱え、民間の検査があってもバラ色な未来にはすぐになりそうにないことが予感された。
テルモが人工肺のエクモを増産しているようだが、そちらも人工肺の操作に熟知したマンパワー不足の話があった。1~2年とPCR検査をする人の養成についても書いてあった位なので、エクモの操作はより大変だろうと想像された。早くに気づいて2月にすぐ養成を始めても、間に合うことではなかったのかもしれないと思えた。それでも、せめて始めてくれていれば・・・。
でも、この記事を読んでいて、それならやはり、私が以前このブログの
ココで書いた「空港で使っている検疫所の能力は、入院するような重症患者を見つけ出すことは少ない。東京都の陽性率は50%以上なのに、空港の陽性率はしかも10%ほど。さらに現在も空港に帰国者が溢れ、段ボールの簡易ベットに寝ている人もいるという。ここに陽性者がいて、数日間を共にすれば、感染リスクもある。空港検疫を止め、その分の検査能力を東京都の検査に使うべき」と書いた提案は最善の選択しかもしれない。
ココを見ればでているが、下に4月18日付の数字の空港検疫と国内検査での陽性者と、その病気の軽重のわかる表を掲載してみる。
みれば分かるように、市中感染が今は日本も広がりが見えてきて、積算したのんびりしていた時期の数字も含めての比較ですら、国内事例の方が陽性率が大雑把にみて11%と高い。それに比べて、空港検疫はたったの0.6%の陽性率だ! たったの126人。帰国者からクラスターが出て、この検疫措置が取られ始めて、700件とか800件の検疫所の能力を無駄遣いするようになったようだが、これを即刻止めて、もっと必要な東京都に回すべきだ。これをやって効果があるのは、国内に感染者が少ない時だろう!!!
既に上で分かったように、東京都の陽性者数は検査が限界に達した中で実施されている。この様子では、しばらく200件前後をうろうろ上下して、感染者が実際には多くても、重症者がやっと優先されて検査を受けて、検査の半数づつが入院待ちをしながら、検査待ちの人が重症化のする危険をはらみながら5日も家で待つ→ 検査をより必要とする人が増加する→検査が受けられない人が加速度的に積み上がる。この最悪の医療崩壊の状態を迎えていくのを待つばかりだ。なんと残酷なことだ。
明日は自分の身に起きないと誰がいえるのだろう。検査が1日1万件以上になるという期待で足をとめることなく、出来ることから始めるしかない。外国からの帰国者は、元気に飛行機に乗って帰国した人たちなのだ。東京都内の苦しんで検査を待っている人たちを優先するのは当然だ。帰国者にとっても、空港で検査待ちで留め置かれるより、家で自宅待機の方がいいに決まっている。新聞記事を読めば分かるが、公共の輸送手段を使わないで帰宅できる人は自宅待機するように要請をうけて帰ることが許されている。それなら、帰宅手段のない人は、国でタクシーの窓を大きく開けるとか、自衛隊に手を借りて家に送り届け、自宅待機してもらうのがいい。ホテル代の支出分を輸送費に充てればいい。
空港検疫中止→東京都の検査拡充に使う! 病人の変化は1日を争う。これは時間との戦争だ。人の命がかかった戦争だ。即断が必要だ。
もう待ったなしだ! 日本は感染者の数が少ないが、見ての通り国内の感染率はかなり高いのは、LINEの調査で27000人が熱を4日以上出していると応えたので推測される。検査が今すぐ10000件にできないなら、まず緊急度の高い東京都へ検査を回すことを強く訴える!!!
そして、検査の増大は、当然 車が両輪そろって動かないと前に進めないように、病院の受入れ体制整備とセットでなければ円滑にいかない。政府を動かし、医師会が積極的に自治体と手を結んで、しっかり体制作りを進めていただきたい。
勇気をもって医療に果敢に取り組んで下さる医療関係者の方の感染を予防することも絶対しなければならない。必要なのは、頭を働かせ、効率的に足りない防護服・フェースマスクなどを供給すること。先日、フェースマスクが足りない看護師さんがクリアファイルで手作りしている話が書いてあった。医療用マスクの不足で使い回ししている医療関係者の方には、クリアファイルでもないよりは~という状態だということだ。メーカの方たちは、是非 自分の工場で何ができるか考えてもらいたい。
ドクター中松には、もしあなたのフェースマスクが理想的なら、是非その特許を今は日本のために制作してくれるメーカーに無償供与し、指導をしてほしい!!! 今は、協力して命を守る事が先決だ。感謝の寄付は、命が助かった人の後に、必ず集まります!!!
自分のいる場所で、皆で知恵をだしあって、この国難を皆で乗り越えましょう!!!
日本人の底力を、私は信じます。ひとりひとりの行動力も信じています。
月が、きっと私たちに力をくれます!
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