終わってしまったら検証しないでいいのか? いや、過去の検証こそ未来のために大事なこと。その精神が為政者に欠けていては、国民は為政者に任せておくのは危険だ。報道が、国民に変わって検証してくれることはいいことで、大切でもある。国民は、そういう情報を共有して将来に役立てたい。
ちょっと前になるが、1月22日の朝日新聞に、尾身茂会長のインタビュー記事がでた。そこに、
専門家の意見を聞くプロセスを経ずに、政策を決めるケースがあったと指摘。具体的には、安倍政権での2020年2月末に決めた学校の一斉休校や、菅政権で感染が拡大していた20年秋に全国での実施を続けた「Go To トラベル」、岸田政権では昨年7月に、濃厚接触者の待機期間を最短3日に短縮すると決めたことを挙げた。
あの安倍政権による一斉休校で、子どもや子どもを育てている親、その親の職場、学校給食業者、その食材関連会社・・・どの位の人たちがつらく大変な被害を突然に被ったことか。それによって、被害とみあう感染防止効果が本当にあったのか?
Go to トラベルについても、菅政権下で感染拡大中の20年秋に全国で実施した(財政上の損失と感染拡大)をしてまでも、あのような形でやった効果はどこにあったのか?
子どもの教育上のデメリットは計り知れない。子どもにはリモート授業や授業再開でも默食を長く強いておきながら、それを決めた政府の大人達が、集会や宴会をしていたりの事実が次々に暴かれたことを国民は忘れない。
Go to トラベルの酷さは、割引率の高さに国民が踊らされて、結局は自分たちの税金が使われているのに、その感覚が薄いことにも驚いた。自分が得すればいい。自分firstの考えを助長するのに役だった懸念も感じる。 私にしてみれば、コロナで旅行を我慢していた人たちは、たぶんGo toなどしなくても、安全になりさえすれば、ちゃんと正当なお金を払って動き出したと私は考えている。
日本人に、政府のお金をあてにする旅行や、そもそも「割引など、クーポンやオマケなど、お金やモノで動かされる習慣」をつけてしまったことも悲しい。本来、内部留保などせずに企業が正当に労働者の給料を上げて、消費を底上げして国民が全体に豊かであれば、ただでさえ財政難で赤字の国家予算を使って「追い銭」する必要などなかったのではないか。移動の制限勧奨を解いただけで旅行しただろうと思う。楽しい旅行やいい宿には、正当な値段を払ってでも、行っただろう。フェアトレード。<価値のあるものには、価値に見合う料金を払う>。その当たり前のことが、ふるさと納税でも見事に覆されてしまっていないか。日本人の「お得」に吊られてしまう精神は、「真面目、誠実、丁寧、正直」などの大事な日本人の美徳を穢したような気がするのは私だけだろうか。労少なくして、高額な報酬に飛びつく闇バイトがいて成り立つ振り込め詐欺が終わらない。
尾身会長のインタビューに話を戻すと、「専門家の役割は提案すること。政治家は提案を十分に咀嚼した上で、社会や経済の影響を踏まえて最終判断する。専門家と意見が異なる時はその理由を説明する。それが(政治家の)あるべき姿だ」と尾身会長は述べている。
まさに、その通りだ!
そして、「十分な咀嚼」、「説明」、現政権にも足りないことばかりみたいだ。
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