母校日大ボクシング部が創部90周年を迎える。それに際し、記念誌が発刊されることとなった。ついては、予てよりOB会である櫻門ボクシング会の齋藤会長から寄稿をとのお話をいただいていたのだが、1か月ほど前、斎藤会長と梅下監督との連名で正式な依頼があった。
実は、80周年の記念誌発刊の折にも同様のお話をいただいた経緯がある。しかし、あまりにも僭越なことで、その折は丁寧にご辞退させていただいた。
何せ、日大ボクシング部は関東大学ボクシングリーグ戦において優勝30回、全日本大学ボクシング王座決定戦では11連覇を含む優勝27回を誇る大学ボクシング界名門中の名門である。そこから幾多の全日本選手権者や多くのオリンピック代表、プロボクシングの日本チャンピオン、そして世界チャンピオンまでもが輩出されている。齋藤会長ご自身、昭和39年度のフェザー級全日本選手権者でいらっしゃる。
また、現在3度目の黄金期を迎えている母校ボクシング部を率いる梅下監督や、かつて、興南・沖縄尚学高校でボクシング部監督を務められ、数多くの全日本高校チャンピオンを育ててこられた現・東洋大学ボクシング部総監督の金城真吉先輩を筆頭に無数の優れた指導者をも輩出してきている。ちなみに、具志堅用高他、浜田剛史、平仲明信、新垣諭等、後に世界チャンピオンにまで上り詰めた彼らの高校時代の指導にあたっておられる。
さらにさらに、一昨日のWBA世界ミドル級タイトル戦でチャンピオン・エンダム選手を7回終了TKOで降し、タイトルを奪取した村田諒太選手の東洋大職員時代、彼を指導しておられる。
斎藤先輩もそうだが金城先輩も気さくなお人柄で、お話が実に面白い。
このように、数多くのそうそうたるOBがいらっしゃる中、私のような何の実績もないような者の出る幕など本来どこにもないのだ。
10年経ったからといっても僭越なことに変わりはないが、再びお断りするのも失礼かと、分をわきまえないこと甚だしいのを承知の上、今回は敢えてお引き受けし「ありがとう ボクシング」と題し、800字ほどの拙文を寄稿させていただいた。