峰野裕二郎ブログ

私の在り方を問う

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女神に愛されるためには

2008年08月13日 | スポーツ
北京オリンピック柔道女子63㌔級決勝戦での谷本歩実選手の内またが美しかった。
上背ではるかに勝る相手選手が力まかせに内またをしかけ押し込んでくるところ、その相手の圧力を上手く利用しての内また一閃【いっせん】、めったにお目にかかることのできない柔道らしい豪快な投げ技だった。

谷本選手は「一本」をとる柔道にこだわっているという。それは、勝ち負けだけにこだわった将棋を指すことには意味がないと考える羽生善治四冠に通じる。
谷本さんは、これでオリンピック2連覇という偉業を成し遂げたわけだが、意外なことに世界選手権では勝ったことがないという。
また、昨年11月の練習中に腰を痛め、一時は歩くこともできず、オリンピック出場どころか競技復帰さえ危ぶまれるほどだったともいう。
決勝戦の中継の解説をしていたのは阿武さんだっただろうか。彼女は「谷本さんはオリンピックの女神に愛されている」と評した。
強くても、オリンピックという競技者にとって最高の舞台で勝てない選手がいる。阿武さんの言葉が心に響いた。

なぜ、谷本さんがオリンピックの女神に愛されるのだろう。なぜ、羽生さんが将棋の女神に愛されるのだろう。
谷本さんは優勝を決めた後のインタビューに「自分の柔道を貫けてよかった」と語った。一方、羽生さんは、自分の将棋を極めようと道を追究し続けているという。

人生は、勝負とは異なるが「勝ち組・負け組み」などと勝ち負けにこだわる人たちがいる。だが、そこにこだわっていては、どんな女神も微笑まないようだ。
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