戦いすんで

　また、夜が来た。ないも出来ないで１日が終わった気がする。昨夜は、台風情報、選挙の開票結果、そしてボクシングとＴＶはたいへんだった。ボクシング視聴率が20％あった時間があるという。選挙は自民党の圧勝とわかり、それならと見ていたのだろうか。かたや水害のニュースも出ているのに・・・・。この国は不思議な国だ。選挙もなんとなくおかしい。私の中でなにかがねじれている。そういう人も多かったのだろうか。だからまっすぐなものが選ばれたのでは。小泉進次郎の選挙運動がＴＶ取材で追いかけられていた。政治家には知性と情熱が必要だと感じさせられた。彼が最後に地元に戻った時、流した涙は本物だろう。

　台風も風の向きが違ったのかあまりひどくは思えなかった。単に熟睡していたのかもしれないが。午後に外に出てみて、木々の枝が折れているのにびっくりした。そういえば夜の８時ごろ携帯とタブレットで災害情報が流れた。音に慣れていない上、２つもなるので何事かと思った。かなりの雨量で川の水位が上がったらしい。避難勧告が出ていた。平塚は駅から少し中へ入ると畑が広がる半都会だ。

　ボクシングはみごとタイトルを奪い返した。朝のインタビューでは、「パパの泣いたのはじめてみた」という息子さんのコメントをうれしそうに話していた。選挙の勝者と敗者のインタビューも顔の表情も声もその現実を現していた。それでも、戦いすんで、台風一過の空は限りなく碧い。初めてタブレットで撮ってＰＣに送れた。私の戦いはまだ続くようだ。

　

振り返れば人生はあまりにも短い

　朝から雨が止まない。風も時々強くなる。いよいよ台風がやってくる。ベランダの植木を玄関に移動した。朝、起きると眼が痛い、左目の網膜剥離したときの痛みが右目に出てきた。右目もレーザ治療しているので、気になる。天気のせいかもしれないが。昨日パソコンのデータを1日整理していたからかもしれない。今日は目を使わないと決めた。でも、そんなことは少ない。雨に1日、部屋に閉じ込められる。そうだ、普段出来ないところの掃除でもしよう。

　午後、のんびりソファーで編み物などしていると眠くなった。9月から取材のスケジュールにピリピリしていた。疲れているのだ　と思った。眼が覚めるとＴＶが付いたままだった。ＮＨＫアーカイブスで2000年シドニーオリンピック高橋尚子金メダル　をやっていた。そのときの42.195キロをそれまでの練習も含めて振り返っていた。当たり前のことだが、メダルまでの厳しい練習。それを支える小出監督他のスタッフ。ゴールまでのシーンで何度か涙した。ゴールの晴れやかな高橋尚子の笑顔に心が軽くなった。人生もマラソンだ。苦しいことが多い。走ることを止めることも出来ず夢中で走った。でも、それがよかったのだろう。

　「苦労したこと」が良かった　と思うこの頃だ。それはどんなときでその大変さを抜けきれると思えること。自然にそんなことを身に付けていたようだ。この平和な日々。もう苦しいマラソンではないようだ。これからはのんびりと同じような道を歩んだ人とともに歩めたらと思う。

　

　

からっぽよ

　台風が接近しているという。今のうちに用をすませようと外出した。雨は降っているが2・3日前ほど寒くはない。雨さえ降らなければ、調度いい気候なのだろう。金木犀も風雨で散っている。小さなオレンジ色の花が歩道で雨にぬれている。秋も深くなるのだろう。

　慣れないせいか新しい携帯とタブレットの音に脅かされる。それでもなんとか使いこなせるようになった。金曜日の夜は大人の童話のようなＮＨＫのドラマ「この声をきみに」を見ている。人の心がわからない偏屈な数学者が、妻と離婚をして「朗読」を通じて人のぬくもりを感じるようになるドラマのようだ。その数学者が離婚が成立して「からっぽだ」という。また、一緒に暮らせると思っていた家族とはもう暮らせない。その家へ帰ることがつらい。「からっぽ」がよくわかる、埋められない空間を何で埋めたらいいのかさえわからない。そんなからっぽを私はどうやってうめたのだろうか。

　「からっぽ」も「満ち足りている」も同じような気がする。それは「生」と「死」が同じなのと一緒のような気がする。何もないということは幸いなのだ。（神の言うように）つくづくそう思う。雨のせいか今日は静かだ。料理をしながら、そばに誰かがいるような気がする。パソコンに向って仕事をしている。そんな日が好きだ。

　　

　

朝食をともに

　冬のような寒さの上に風が強い。買い物以外は外出せず、ひたすら仕事をしていた。最上の大会の写真を送ることだった。思い出深かったのは、旅館に泊まれたこと。一人で旅館に泊まることはまず無い。そして、みなさんと一緒に食事が出来たこと。取材先ではほとんど一人でホテルで食べることが多い。今回は朝飯も一緒だった。みなさんが待っていてくれた。うれしかった。

　朝飯を誰かと一緒に食べることはほとんど無い。友達の別荘に出かけたときくらいだ。「朝飯」というのは、特別のものなのだと、改めて気づいた。そういう（一人で朝飯を食べる）生活を7年くらい続けている。夫とはほとんど毎日三食を一緒に食べていたので、もういいでしょう　ということなのか。子供のころ、家族が大勢で食事をした時代はよかったなぁ　と思った。

　今まで気がつかなかったが、二人の食卓を始めた意味がなんとなくわかった。ランチや夕食は誰かと共にも出来る。でも、「朝飯」はなかなかできない。夜明けのコーヒーと同じかもしれない。でも、私は「ひとりがお似合い」なのだろう。

　

受難のとき

　やっと太陽に会えた　と朝から忙しい。洗濯物がお日さまの匂いがするのがうれしい。お財布紛失の後遺症が続いている。インターネットで買い物をすることが多く、カード決済がほとんどだ。使っていたカードが使えず、全部変更だ。買い物のときに変更すればいいと思っていた。携帯電話もカード決済だったので、これも変更が必要だった。携帯のショップも近いので変更に行った。充電するところが壊れてきたガラ携もそろそろ替え時だった。こちらよりも相手方の都合でＰＣやら携帯やらの環境をバージョンアップしなくてはならなくなる。どこまでついていけるか？本当に便利なのだろうか？ともかくついていくのに、おばさんはたいへんだ。便利にするにはお金がかかる。悩ましいことだ。結局、自分の行動範囲やらを考えると、スマホよりも携帯とタブレットが便利だ　ということになった。タブレットだと実家でも使える。

　家に帰ってから、タブレットとの戦いだ。でも、意外に早くなれた。といっても3時間はかかったが。また、明日戦いだ。でも、たしかに便利で楽しみもある。携帯もバージョンアップした。これでなんとか家にいないときの対策ができた。でも、情報から開放されなくなってしまった。まさにＩＴ環境に受難のときだ。電源を切る日が必要だ。

　昨夜は寒いので厚めの布団に変えた。朝までぐっすり眠れた。あたたかい寝具は安眠に役立つらしい。人生もそうかもしれない。あたたかい布団のようなものがあれば、安心して暮らせるのだろう。