37.村上春樹、河合隼雄に会いにいく
■内容
人間にとって物語とは何か。現代を生きることと物語の可能性を
めぐって、最も深い場所から人間をみつめるふたりが徹底的に
語り合う。村上春樹が語るアメリカ体験や60年代学生紛争、
オウム事件と阪神大震災の衝撃を、河合隼雄は深く受けとめ、
箱庭療法の奥深さや、一人一人が独自の「物語」を生きることの
重要さを訴える。
「個人は日本史といかに結びつくか」から「結婚生活の勘どころ」
まで、現場の最先端からの思索はやがて、疲弊した日本社会こそ、
いまポジティブな転換点にあることを浮き彫りにする。
■感想 ☆☆☆☆
大好きな村上春樹さんと河合隼雄さんの対談集。
対談内容は示唆的で深く、まるで哲学問答のようであり
私とは思考レベルがまったく違うことを思い知らされる。
それでも読み進めるのは面白い。難解だから読み進められない
と思わせることなく、難解だけどその難解さが面白い、と
思わせてくれるのはふたりの話術のおかげだろうと思う。
私は村上さんと河合さんの著作や著作物を通して知ることの出来る
彼らの考え方を好ましく思っているけれど、考え方だけを
好んでいるわけではなく、彼らの言葉の選び方、思いの伝え方
思索の仕方が好きなのだと思う。
彼らは自分の考えを安易に言葉にしない。
言葉にするまでに、自分の考えを吟味し、使う言葉を吟味し
できる限り忠実に自分の言葉を周囲に伝えようとする。
彼らは自分の考えに固執しない。村上さんが河合さんについて
前書きでこう表現している。
「河合さんと話していて僕がいつも感心するのは、彼が決して
自分の考えで相手を動かそうとしないところである。相手の
思考の邪魔をするまいと、細心の注意を払う。」
私は村上さんにも同様の「和やかさ」を感じる。
河合さんも村上さんも自分の言葉だけでなく、相手の言葉を
大切にして会話を(そして作品を)進める人だから
私は彼らの言葉を聞くのが好きなのだと思う。
■内容
人間にとって物語とは何か。現代を生きることと物語の可能性を
めぐって、最も深い場所から人間をみつめるふたりが徹底的に
語り合う。村上春樹が語るアメリカ体験や60年代学生紛争、
オウム事件と阪神大震災の衝撃を、河合隼雄は深く受けとめ、
箱庭療法の奥深さや、一人一人が独自の「物語」を生きることの
重要さを訴える。
「個人は日本史といかに結びつくか」から「結婚生活の勘どころ」
まで、現場の最先端からの思索はやがて、疲弊した日本社会こそ、
いまポジティブな転換点にあることを浮き彫りにする。
■感想 ☆☆☆☆
大好きな村上春樹さんと河合隼雄さんの対談集。
対談内容は示唆的で深く、まるで哲学問答のようであり
私とは思考レベルがまったく違うことを思い知らされる。
それでも読み進めるのは面白い。難解だから読み進められない
と思わせることなく、難解だけどその難解さが面白い、と
思わせてくれるのはふたりの話術のおかげだろうと思う。
私は村上さんと河合さんの著作や著作物を通して知ることの出来る
彼らの考え方を好ましく思っているけれど、考え方だけを
好んでいるわけではなく、彼らの言葉の選び方、思いの伝え方
思索の仕方が好きなのだと思う。
彼らは自分の考えを安易に言葉にしない。
言葉にするまでに、自分の考えを吟味し、使う言葉を吟味し
できる限り忠実に自分の言葉を周囲に伝えようとする。
彼らは自分の考えに固執しない。村上さんが河合さんについて
前書きでこう表現している。
「河合さんと話していて僕がいつも感心するのは、彼が決して
自分の考えで相手を動かそうとしないところである。相手の
思考の邪魔をするまいと、細心の注意を払う。」
私は村上さんにも同様の「和やかさ」を感じる。
河合さんも村上さんも自分の言葉だけでなく、相手の言葉を
大切にして会話を(そして作品を)進める人だから
私は彼らの言葉を聞くのが好きなのだと思う。