のりぞうのほほんのんびりバンザイ

あわてない、あわてない。ひとやすみ、ひとやすみ。

4月の読書

2009年06月24日 00時42分24秒 | 読書歴
38.ディスコ水曜日探偵(上)(下)/舞城王太郎
   ☆☆☆☆
   迷子捜し専門のアメリカ人探偵ディスコ・ウェンズデイの
   目の前で6歳の梢に17歳の梢が侵入。真相の探究は全てを
   破滅へと誘う。謎の渦巻く円い館と名探偵の連続死。
   魂を奪われた少女たちと梢を苛む闇の男。
   「新潮」掲載に1050枚!の書き下ろしを加えた渾身の長篇小説。
   というわけで、この2冊を読み終えるのに、まるまる1ヶ月ほど
   かかりました。軽々しくお勧めできる本ではありません。
   読み終えたものの、筋をすべてを理解している自信もありません。
   それでも、クライマックスでは感動。作品世界が追求する
   大きな愛を確かに感じました。舞城さんは「人間が持つ悪意」を
   否定しません、けれども、その悪意を捨てられない人間が持つ
   「可能性」や「希望」や「善意」を強く信じているのだと
   思うのです。

   「俺は知っている。
    子供の抱く未来への希望は、そのまま親の願いでもあるのだ。」

   「でも人間てのは権利権利じゃない。大事なのは義務なのだ。
    護るべきは自分に与えられた確かな使命感なのだ。」

   「人間の希望があの前世界を創造したことを踏まえて考えるに
    もしすべての創造の源が希望、より良い世界が欲しいという
    気持ちならば、悪がどんなに生まれようとも
    歴史の繰り返しがいくら物事を悪くしようとも
    世界は必ず良く生まれ変わるし、その生まれ変わりの
    繰り返し自体の磨耗する真実は乗り越えていけるはずだ。」

40.ちいろば先生物語(上)(下)/三浦綾子
   ☆☆☆
   京都世光教会を創立し、今治教会を経て、アシュラム運動の
   発展に尽くした榎本保郎の52年を描いた伝記物語。
   「信仰に生きる」ことの難しさ、厳しさを思い知らされました。
   そして、同時に「信仰に生きる」ことの清清しさ、美しさ、
   喜びも教えてもらえました。最近、「祈る」ことを疎かに
   していた自分の姿を反省させられた作品。

42.石の森/三浦綾子
   ☆☆☆
   重く冷たい家庭で秘密を抱いている父母の姿から、
   「人は決して本当のところを分かり合えない」と思う19歳の
   ヒロインが真実の愛について模索する姿を描く。
   やや説教くさく、時代を感じさせられる作品ですが
   奥付を見ると、昭和54年発行でした。そりゃ、時代を
   感じさせられるのも仕方がないはずだ。それにしても、
   この真面目で「人間の原罪」や「生きる」ことについて
   真っ向から取り上げている作品は昭和50年から51年にかけて
   雑誌「セブンティーン」に連載されていたものだそうです。
   この作品が「セブンティーン」に連載できたところに
   時代を感じます。時代の移り変わりを、そして、私たちが
   現在進行形で何かを失っていることを感じさせてくれました。

43.レイン・レイン・ボウ/加納朋子
   ☆☆☆*
   高校ソフトボール部仲間の通夜で再会した7人の女性たちは
   25歳を迎え、それぞれが悩みやトラブルを抱えていた。
   過酷な仕事に疲れた看護師、厄介な職場で奮闘する栄養士、
   過去のあやまちを引きずる主婦。彼女たちは、傷つき、
   迷いながら自分だけの答えを見つけていく。
   いわゆるライトミステリ。「日常の謎」カテゴリとして
   気軽に読める作品です。そして、読み終えた後に爽やかな気持ちを
   味わえる作品です。
   個人的には、今回の再読でこの作品が「月曜日の水玉模様」の
   姉妹作だと気付けて大収穫でした。読んでいる作品の中に
   他の作品の登場人物を見つけると、なんでこんなに嬉しいんだろう。

44.ロードムービー/辻村深月
   ☆☆☆☆
   「冷たい校舎に雪が降る」の姉妹作。この作品を読んでいたほうが
   楽しめる仕掛けがたくさんあります。「冷たい校舎」で
   気になっていたいくつかのカップルのその後がしっかりと
   描かれていて幸せな気持ちになりました。
   辻村さんは本当に自分の描く作品の登場人物が愛しくて
   愛しくてたまらない人なんだろうな。

いよいよ間近

2009年06月24日 00時28分15秒 | 日常生活
7月からは新プロジェクト。
社会人になって初めての業務変更に部署異動。
やることなすこと初めてでどきどきですが
わくわくしていることも確か。
わくわくもしているけれど、不安もいっぱい。
不安いっぱいだけれど、期待もたくさん。

と、ちょうど10年前に抱いていた
内定が決まって社会人生活が間近に迫った頃の
期待と不安とやる気が入り混じった気持ちを
取り戻している今日この頃。

今週は毎日、研修や打ち合わせです。
そして、今まで担当していた業務の引継ぎ作業。

「これ、ここまでやっているんで、あと、お願いします。」とか
「これ、今までここが課題だったんですけど
 実はまだ手がつけられてなかったんです。
 よろしくお願いいたします!」とか
「この方から、質問が届いたんですけれど
 もう次の担当の方から回答してあげてください。」とか
ヒジョーに無責任にばんばんと仕事を回しています。

つい3週間前までは
「うわー!あれもしなきゃ!これもしなきゃ!
 あ!あれもやってなかった!」
というような状況だったのに、今は
「あ、あれもやってもらお☆
 これを機会に、これもやり方を変えてもらお♪
 あ、あれもお願いしちゃえ☆」
と、楽しく作業をつづけています。

・・・ま、こんな楽しみもあともう少しですけどね。
7月からは右も左も分からない中での業務遂行。
それまで、おおいに楽しまないと。


おかげで、隣のグループの先輩からは
「なんだか、生き生きと仕事を回しとうよね。
 実は異動を喜んでいない?」
と勘ぐられています。

・・・おかしいなぁ。