言葉の使い方がものすごく素敵で大好きな谷川さんですが、随筆を手に取ったのは初めて。
完全なるジャケ借りの一冊です。
この装丁に一目惚れ。
タイトルのフォント、サイズ、イラストの質感、色味、どれもがツボど真ん中。
随筆自体もそこから滲み出る人柄もやはり素敵でした。
言葉を味わいながらゆっくりゆっくり読み進めています。
これはできれば手元に欲しいなあ、と思った一冊。
備忘録として留めておきます。
この表紙、ポストカードにして部屋に飾りたいぐらい、
待ち受けにしたいぐらい好きだなー。
「憎めない悪人というのがいる、反対にどうにも好きになれない正義の人というのもいる。
私たちは少なくとも建前の上では、善悪正不正を判断の基準としがちだけれども、
心というこのわけの分からないものは、ひとつやふたつの基準ではかれるものではないということもまた、
私たちは誰に教わらずとも知っているらしい。」
「際限もなく名付けることで人間は自然に、そして宇宙に秩序を発見し、
ひいてはそれを支配しようとしてきたのですが、
一方で名付けられぬもの、言語化できぬものに対する畏れも、
常に私たちの心の底に隠れています。」
最も共感した文章。
「例えば一篇の小説を読むとき、私たちはその筋を追い、描写を楽しむ。
だが同時に私たちは意識するしないにかかわらず
その文体をも読み取っていて、それは筋や描写よりもずっと
いわく言い難いものである。(中略)
文体はひとつの形かもしれないが、それは目に見えにくい。
だがそこに作家の生きる形が隠れている。(略)
目に見えなくても私たちはそれを心で感じる。
そこにその人の「生きる流儀」を見出す。」
完全なるジャケ借りの一冊です。
この装丁に一目惚れ。
タイトルのフォント、サイズ、イラストの質感、色味、どれもがツボど真ん中。
随筆自体もそこから滲み出る人柄もやはり素敵でした。
言葉を味わいながらゆっくりゆっくり読み進めています。
これはできれば手元に欲しいなあ、と思った一冊。
備忘録として留めておきます。
この表紙、ポストカードにして部屋に飾りたいぐらい、
待ち受けにしたいぐらい好きだなー。
「憎めない悪人というのがいる、反対にどうにも好きになれない正義の人というのもいる。
私たちは少なくとも建前の上では、善悪正不正を判断の基準としがちだけれども、
心というこのわけの分からないものは、ひとつやふたつの基準ではかれるものではないということもまた、
私たちは誰に教わらずとも知っているらしい。」
「際限もなく名付けることで人間は自然に、そして宇宙に秩序を発見し、
ひいてはそれを支配しようとしてきたのですが、
一方で名付けられぬもの、言語化できぬものに対する畏れも、
常に私たちの心の底に隠れています。」
最も共感した文章。
「例えば一篇の小説を読むとき、私たちはその筋を追い、描写を楽しむ。
だが同時に私たちは意識するしないにかかわらず
その文体をも読み取っていて、それは筋や描写よりもずっと
いわく言い難いものである。(中略)
文体はひとつの形かもしれないが、それは目に見えにくい。
だがそこに作家の生きる形が隠れている。(略)
目に見えなくても私たちはそれを心で感じる。
そこにその人の「生きる流儀」を見出す。」